通訳・翻訳関連新刊情報『環境人文学Ⅰ/Ⅱ』(野田研一、山本洋平、森田系太郎編著/勉誠出版)

通訳,出版翻訳2017.06.13
環境人文学I

『環境人文学Ⅰ 文化のなかの自然』
野田研一、山本洋平、森田系太郎 編著
勉誠出版
3,000円+税
2017年4月28日発売

環境人文学Ⅱ

『環境人文学Ⅱ 他者としての自然』
野田研一、山本洋平、森田系太郎 編著
勉誠出版
3,000円+税
2017年4月28日発売

本サイトで「グローバルビジネス現場の英語表現」を連載している森田系太郎さんが編著者の1人を務める2巻本の論考集をご紹介。

「環境人文学」とは聞き慣れない言葉だが、ひとことで言えば、人間は自然をどのように捉え、描いてきたのかを追究する学問。各巻では、文学、哲学、音楽、社会学など、多分野の学問を横断し、これからの人文学が〈環境〉をどのように考えていくことができるのかを探っている。

第1巻の「翻訳と石牟礼道子――日本に於ける環境文学研究の回想と展望」や「『俤』を『今』に『翻訳』するということ――国木田独歩の自然」など、〈翻訳〉の視点から執筆された論文も収録。第2巻で森田さんがインタビューワーの1人になっている「『二五年後』のエコクリティシズム」でも、後半で「環境翻訳学」が取り上げられている。

さらに、同時通訳者の草分けであり、現在は立教大学名誉教授で通訳翻訳学・言語コミュニケーション学・英語教育学の研究者である鳥飼玖美子さんが、長崎通詞をめぐる論文「繋ぐ――異文化、異言語、そして歴史」を第1巻に寄稿している。

細野晴臣、石牟礼道子、伊藤比呂美、大城立裕、小池昌代、管啓次郎、梨木香歩、加藤幸子といったバラエティに富んだ面々へのインタビュー、鼎談、講演録も所収。

<目次>『環境人文学Ⅰ 文化のなかの自然』

はじめに 山本洋平

Ⅰ 場所と記憶のあいだ
【対談】この風景を感知する 小池昌代×中村邦生
【インタビュー】ことばの力 石牟礼道子(聞き手:野田研一)
「草の道」から「歴史の時間」へ――石牟礼道子の「亡所」探索 野田研一
翻訳と石牟礼道子――日本に於ける環境文学研究の回想と展望 ブルース・アレン(翻訳:相原優子)
【講演録】沖縄という場所から――私の文学 大城立裕
林京子論――即物的に語り続けた理由 小谷一明

Ⅱ 文化と言葉のあいだ
【鼎談】異文化の音、自然の音――音楽を〈異化〉する 細野晴臣×三上敏視×野田研一
ポピュラー・カルチャーにみる自然――人間のつながりの表象の変遷 中村優子
花札追憶―明治三五年帝国議会議事録を中心に 渡辺憲司
〈私〉をつくる教室――自然・メディア・書くこと 北川扶生子
繋ぐ――異文化、異言語、そして歴史 鳥飼玖美子

Ⅲ 自然と生きもののあいだ
【鼎談】山川草木鳥獣虫魚党宣言!――動物のいのち/植物のいのち 伊藤比呂美×管啓次郎(聞き手:山本洋平)
「超身体性」で読み解く伊藤比呂美の『河原荒草』――「二つの自然」を超えて 森田系太郎
本草学の世界――〈環境文学〉への道程 小峯和明
「俤」を「今」に「翻訳」するということ――国木田独歩の自然 佐藤有紀
深き自然への祭典――日野啓三論 河野哲也
言葉の〈かたち〉が語ること――梨木香歩の「反復」を読む 山田悠介

おわりに 野田研一

 

<目次>『環境人文学Ⅱ 他者としての自然』

はじめに 山本洋平

Ⅰ 人間と動物のあいだ
【鼎談】鳥の影――二一世紀になお自然を描くとは 加藤幸子×梨木香歩×野田研一
イヌはいかに人間の言うことを理解するのか――マルチスピーシーズ民族誌の可能性 奥野克巳
越境する動物がもたらす贈物ギフト 矢野智司
彷徨さすらいといふ救済/ザネリの夜――『銀河鉄道の夜』『もののけ姫』に寄せて 北條勝貴
内なる、環境からの声――失われた〈時間〉を語るためのことば 李恩善

Ⅱ 日本とアメリカのあいだ
環境意識と文学の意匠――ソローにみる異化の技巧 フランソワ・スペック(翻訳:藤原あゆみ)
バートルビーの眼をとじる――超越主義的ネットワークにおける視覚、身体、他者 山本洋平
ゲーリー・スナイダーの『終わりなき山河』――惑星文学の可能性 山里勝己
真珠湾攻撃の内宇宙――バラードSFとエコ・テロリズム 巽孝之
ミッキー・ウルフマンなんか怖くない――オオカミ/パラノイア/『LAヴァイス』 波戸岡景太
生きることは動くこと(Living is Moving)――アニー・ディラードの受動性 中川直子

Ⅲ これからの環境人文学
環境人文学の現在 結城正美
未来の種、未来の――環境人文学序説 ウルズラ・K・ハイザ(翻訳:森田系太郎)
自然/文化、環境/文学――記号の儀式と擬制の祝宴 小山亘
「二五年後」のエコクリティシズム スコット・スロヴィック(聞き手:森田系太郎[編集・翻訳]、山本洋平)

おわりに――〈他者〉の政治学と環境人文学の地平 森田系太郎

 

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『環境人文学 I 文化のなかの自然』

『環境人文学Ⅱ 他者としての自然』