
通訳者になるには
通訳とは?
異なる言語を話す人々の間に入り、言語のサポート、異文化の橋渡しをする仕事。主に、政治やビジネス関係で活躍する「会議・ビジネス通訳」、放送現場をサポートする「放送通訳」などのジャンルがある。
マンガで紹介! 通訳者の1日
通訳の主な手法
スピーカーの発言を聞きながら、間を置かずに同時進行で訳していく手法。聞くことと訳すことを同時に行うので同時通訳という。業界では同通(どうつう)と呼ぶ。
スピーカーのある程度まとまった長さの発言(30秒から1分程度)を、通訳者がメモを取りながら聞いて、その部分をまとめて通訳する手法。発言者と通訳者が交互に話す。
少人数の社内ミーティングなど通訳を必要とする人が一人か少数の場合、通訳者が人の傍らにつき耳元で同時通訳をする手法。ささやくように言うことから「ウィスパリング」と言う。
放送現場で使われる手法。ニュース放送の映像を見ながら通訳者が訳して簡単な通訳原稿を作り、本番の放送時には通訳者が映像に合わせて訳をボイスオーバーする。
通訳のスタイル
現場通訳(オンサイト通訳)→話者と聴衆や参加者がいる現場に通訳者が行っておこなう通訳スタイル。従来型のスタイル。
遠隔通訳(リモート通訳)→通訳者が話者と同じ場所にいるのではなく、異なる場所から遠隔(オンライン)で結んでおこなう通訳スタイル。オンライン会議などの増加で定着したスタイル。
ジャンル別ガイド
医学などの学術的な国際会議やシンポジウム、ビジネス現場での商談やミーティング、さらには政府間交渉の場などで、政治家や専門家、ビジネスマンが話したことを通訳する仕事。
求められるスキル→専門的な内容を聞いて理解し、瞬時に外国語から日本語に、日本語から外国語に訳出するテクニックが必要。政治・経済・社会についての幅広くかつ詳しい知識、訳す対象の分野の専門知識も求められる。
仕事をするには→通訳スクールなどで同時通訳や逐次通訳のスキルを身につけた上で、派遣会社や通訳会社に登録し、仕事を得る方法が一般的。フリーランス以外に、企業に勤務する「社内通訳者」もいる。
詳細はこちら→ビジネス通訳者のデビュールート
CNNやBBCなど海外のニュースを日本語に、また日本語のニュースを英語に訳す仕事。時差通訳という手法や同時通訳で訳出する。大きな事件があると、テレビ局で通訳者は引っ張りだこになる。
求められるスキル→海外のニュースを1度でもらさず聞き取れるリスニング能力や放送にふさわしい日本語の運用能力が必要になる。国際・国内の時事についての詳しい知識も求められる。
仕事をするには→放送局が独自に通訳者を登録していることがある。系列スクールなどがあればそこに通うのが有利。または、放送や映像分野に強い通訳会社に登録する必要がある。
スポーツや芸能、音楽などエンタテインメント業界での通訳。プロモーションで来日したミュージシャンや俳優、映画監督などのインタビュー、記者会見、舞台挨拶などで通訳を務める。
求められるスキル→有名人の発言をわかりやすく逐次通訳する力が求められる。相手の個人情報に加え、音楽、映画、演劇など各業界の知識や作品の知識、スポーツならば競技への深い知識が必要。
仕事をするには→音楽、映画、演劇などエンタメ業界では紹介で仕事が依頼されることが多ので、該当分野に近い仕事をして人脈を開拓するのもひとつの方法。テレビ局やレコード会社などに認められれば、リピートで仕事が来ることは多い。スポーツチームは公募もある。
増え続ける在日外国人の地域での暮らしをサポートする通訳のこと。病院や学校、市役所や区役所、裁判所など、公共の場で通訳を務め、言葉の壁を取り除く仕事。仕事といっても、法廷に立つ通訳人以外は、ボランティアで成り立っているのが現状。
求められるスキル→英語以外の言語のニーズが高い。基本的に逐次通訳で行われる。医療なら医学など、専門分野の知識も必須。
仕事をするには→ボランティアが主流なので、地方自治体やNPO法人などで独自にボランティアを募集していることが多い。