学習レベルは3段階 中・上級が充実した通学講座

出版翻訳のジャンルは非常に幅広く、それぞれ求められる素養やスキルも異なる。その点をふまえ、フェロー・アカデミーでは多彩な出版翻訳講座を開講。各ジャンルで活躍中の現役翻訳家を講師に迎え、ほかでは見られない充実した出版翻訳コースを提供している。

通学講座は〈初級・中級・上級〉という3つのレベル設定。初級の「出版基礎」では、フィクションとノンフィクション両方の課題に取り組みながら、書き手の意図や作品の世界観を損なわず、適切な表現で訳すための基礎力を習得する。翻訳者デビューのきっかけとなることが多い「リーディング(※)」の演習も行われる。

中級では、ジャンルごとに「フィクション(講師が異なる3講座を用意)」「ポピュラーサイエンス」「ビジネス・自己啓発書」「英国文芸」「ロマンス小説」「児童文芸」「出版総合演習」の8講座を設置。それぞれに応じた翻訳テクニックを学びつつ、読者を意識した文章表現を重点的に磨いていく。

上級は、フィクション6クラス、ノンフィクション1クラス、児童文芸2クラスの計9講座を用意。いずれも講師を務める翻訳家の名を冠したゼミクラスで、長編作品の翻訳演習を通して、原著の魅力や味わいを伝えるにはどう訳すべきかをクラス全体で考え、訳文を練り上げる。「ゼミ」の名にふさわしい、レベルの高い授業が行われている。

通信講座もジャンルを細分化 上級講座ではプロが添削

通信講座も通学同様、レベル別に講座を開講している。初級の「はじめての出版翻訳」では、「ミステリー」「ノンフィクション」など5つのジャンルの作品を教材に読者や表現の違いを学習。中級の「出版翻訳講座」ではミステリーの短編1作を課題とし、その全訳に取り組むことで、構成やテーマ、伏線などを考えながら「作品」として仕上げるテクニックを習得する。

注目は、選抜試験合格者のみを対象とした上級のマスターコース。「ミステリー」「ルポルタージュ」「ヤングアダルト」「ビジネス書・実用書」など、ジャンルが細分化された講座のうち毎月1つを開講、現役翻訳家が添削指導にあたる。プロの手ほどきを受けながら訳文の精度を高められる、非常に実践度の高い通信講座だ。

そのほか、出版翻訳の仕事をするうえで避けて通れないリーディングに特化した「リーディング講座」、どの分野にも通じる英文解釈力を磨く「翻訳入門<ステップ18>」もあり、学習者の多様なニーズに応えるラインアップとなっている。

プロデビューに向けたサポートも充実。上級講座では、授業の中で下訳に取り組んだり、講師が優秀な受講生に仕事をまわしたり、出版社に紹介したりすることも。こうしたルートで、多数の受講生が出版翻訳家デビューを果たしている。またフェローを母体とする翻訳者ネットワーク「アメリア」では、約110社ほどの出版社や編集プロダクションによる求人情報や翻訳に役立つ情報を提供し、デビューをサポートしている。

(※)原書を読んで、そのあらすじや感想・批評などをシノプシスとしてまとめる仕事。

修了生インタビュー

「出版翻訳」コース修了生 近江美佐さん(おうみ・みさ) 大阪女学院短大英語科、米グウィネット・テクニカル・インスティテュート卒。英語講師などを経て、フェロー・アカデミーに約2年通学。兵庫県に転居後、通信マスターコース「フィクション」「児童文芸」などを修了。現在、出版翻訳家として活躍中。最新訳は『沿岸と20万年の人類史』(一灯舎)。

「出版翻訳」コース修了生
近江美佐さん
(おうみ・みさ)

大阪女学院短大英語科、米グウィネット・テクニカル・インスティテュート卒。英語講師などを経て、フェロー・アカデミーに約2年通学。兵庫県に転居後、通信マスターコース「フィクション」「児童文芸」などを修了。現在、出版翻訳家として活躍中。最新訳は『沿岸と20万年の人類史』(一灯舎)。

授業が楽しくて翻訳にいっそう夢中に
通信講座で学び続け、故郷でプロデビューしました

2016年3月に刊行された2 冊めの訳書『沿岸と20万年の人類史』で、地元・兵庫県の淡路文化協会文化賞を受賞した近江美佐さん。東京から故郷へと生活の場が変わる中、フェロー・アカデミーの通学・通信講座で学び続け、大きな果実と栄誉を手にした。
「生まれ育った淡路島で表彰していただき、とてもうれしいですね」

翻訳学習の第一歩は通学講座の「翻訳入門」。受験英語と翻訳の違いを学び、自分の課題が「表現力の不足」にあることを確認、初級「出版基礎」、中級「フィクション」「出版総合演習」と進んで、各出版ジャンルにふさわしい文体や表現を習得した。

「『フィクション』の講座ではミステリの短編の全訳や先生が受けた仕事の下訳にも取り組み、全体の流れを把握して訳語を選ぶことや、時間をおいて推敲することの大切さ、体や心の『動き』を訳すコツを教えていただきました。翻訳にいっそう夢中になり、授業が楽しくて仕方なかったです」

兵庫へ帰郷すると、通信講座へ移行。最上級のマスターコース「ロマンス&エンタテインメント」「フィクション」「児童文芸」を受講し、各分野の第一線で活躍するプロ翻訳家から、細やかな添削指導を受けた。

「的確で丁寧に、しかもわかりやすくコメントを書いてくださるので、目の前に先生がいなくても不自由も不満もなかったです。盛り上げようと訳しすぎてしまう私のクセを見抜き、根気強くアドバイスしてくださいました」

その間、通学時代のクラスメートの紹介で雑誌やコミックなどの翻訳も開始。それがきっかけで、2013 年には初の書籍『世紀の名作はこうしてつくられた』を翻訳した。モットーは「誠心誠意、頂いた仕事に取り組むこと」。実力を磨き、いずれは「児童書やヤングアダルトも訳してみたい」と意欲を新たにしている。