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2024.04.30 UP

第176回 go-to/「行くべき」…から派生した意味とは?

第176回 go-to/「行くべき」…から派生した意味とは?

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

a go-to person=頼りになる人

現代はVUCA(ブーカ)の時代と言われます。VUCAは“Volatility(変動性)”、“Uncertainty(不確実性)”、“Complexity(複雑性)”、“Ambiguity(曖昧性)”の頭文字を取ったもので、グローバルビジネスにもVUCAの波が押し寄せています。先行きが見通しにくいとき、われわれは頼りになる人に相談したくなるものです。ではこの「頼りになる人」を英語でどう表現したらいいでしょうか。

もちろん“reliable”(頼りになる)という形容詞を使っても表現できますが、ボキャブラリーを増やす意味でも今回覚えてほしい表現が“go-to”。直訳すると「行くべき」⇒「何かあったら向かうべき」で、つまり「頼りになる」という意味になります。“a go-to person”とすれば「頼りになる人」。このまま覚えてしまいましょう。

“go-to”で並行して覚えてほしい表現が“go-to-market”です。直訳は「市場に向かう」⇒「市場参入」という意味で、“GTM”とも訳されます。“a go-to-market strategy”とすれば「市場参入戦略」を意味します。こちらも合わせて丸暗記してしまいましょう。

具体的には次のように使えるでしょう。

A:I have some concerns about this import.
B:John is the go-to person for trade-related concerns!

A:この輸入に関して懸念がいくつかあるんだ。
B:貿易関連の懸念だったらジョンが頼りになるよ!

ぜひ使ってみてください!

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森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CRO・シミックのシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。立教大学(社会デザイン学 [博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳 [修士])卒。英検1級、全国通訳案内士、国連英検・特A級(外務大臣賞)。日本会議通訳者協会(JACI)のHPでコラム「製薬業界の通訳」を、『通訳翻訳ジャーナル』(2022-23年)でコラム「専門分野の通訳に挑戦【製薬編】」を連載していた。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版)、『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)がある。 立教大学・兼任講師/研究員、社会デザイン学会・理事。趣味は小6から続けているテニス。