現役プロが高度な通訳スキルと現場対応力を養成
ISSグループによるフォロー体制でキャリア形成を支援する

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アイ・エス・エス・インスティテュートの英語通訳者養成コースは、緻密なレベル設定が特徴。自分のレベルに見合ったクラスで学べるため、無理なく着実にスキルを高めることができる。また在校生・修了生には OJTや仕事の機会を提供。実力養成からキャリアアップまでをサポートしている。

 

訪問クラス 英語通訳者養成コース「プロ通訳養成科3」

旬なテーマの生教材で実践的な逐次通訳を行う

本校の英語通訳者養成コースは「同時通訳科」を頂点に7段階に分かれており、「プロ通訳養成科3」は上から2番目にあたる。精度の高い逐次通訳の完成を目標とし、授業は実践訓練が中心。受講生の中には派遣などで社内通訳をしている人もおり、そうした現場では逐次通訳だけでなくウィスパリングも求められるため、同時通訳訓練も採り入れているという。

講師を務めるのは、会議通訳者の日野峰子先生。さまざまな国際会議やセミナー、記者発表会などで同時通訳を担う、トッププロの1人だ。

授業はいつもどおり「復習」から始まる。前回取り組んだ教材を用いた逐次通訳演習で、自宅でどれだけ練習してきたかが問われる。教材は某女性実業家が実際に行った15分ほどのスピーチで、内容は「ワークライフ・バランス」について。世界的に関心が高まっている非常に旬なテーマだ。

ヘッドセットを付けた受講生たちが逐次通訳する間、日野先生は個々のパフォーマンスをチェック。35分ほどで全スピーチの訳出を終えると、「デリバリーと表現」の2つの観点から、一人ひとりに対してじっくりコメントしていく。
「文の組み立てをもう少し工夫すれば、時間内に収まるコンパクトな訳出になる」「『人口』の意味のpopulationは不可算。number of population という言い方は違和感がある」「必要な情報を言い切れなかったら、次の訳出でリカバリーする」など。とても書き切れないが、ひと言でいえば「細大漏らさず」。指摘の1つ1つが貴重で、成長の糧となる。

本格的なブースを使った臨場感あふれる同通演習

復習に続いたのは、サイトトランスレーション(サイトラ)。英文の流れに逆らわず、意味のまとまりごとに区切って訳していく通訳トレーニングで、日野先生によれば「同時通訳への橋渡しとなるもので、ムダな言葉を省いて訳すコツをつかむいい訓練になる」という。

教材は脳の進化についてのスピーチ。受講生たちは音声を聞きながらスクリプトに区切り(スラッシュ)を入れ、それをもとに訳していく。原文の句読点や品詞にとらわれず、出来るだけ頭ごなしに(文の頭から順に)訳す工夫をするよう指示されるが、実際にやってみると難しい様子。例えばある受講生は、and yet it (the brain) performs calculations better than any large supercomputer という文を「それでも大型のスパコンより計算が早くできる」と普通に訳した。それに対して日野先生は、後ろから戻らず訳す工夫の一例としてcalculations とbetter の間にスラッシュを入れ、「その計算能力は/いかなるスパコンにも優る」と訳してみせた。

これに限らず、日野先生の「品詞や文の形」にとらわれない訳出はどれも鮮やか。サイトラや同時通訳に必要な「発想」が透けて見え、受講生にとっては大いに参考になっただろう。じっくり考えられるサイトラで、こうした工夫をたくさん重ねておくことで、いずれ現場で役に立つスキルが身についていく。

最後に行われたのは、このクラスでは初となる同時通訳演習。3人1組となって教室内に設置された同通ブースに入り、5分交代で同時通訳を行う。日野先生から機材の操作法やブースマナーの説明を受け、受講生たちは心持ち高揚しているような表情だ。

教材は、米IT企業の女性CEOが「女性リーダー」について語った15分ほどのプレゼンテーション。受講生たちは自宅で準備してきているが、自分の席で逐次通訳するのとはわけが違う。言い直したり、言葉に詰まったり。途中、目をぎゅっとつぶって苦しそうな表情を見せた受講生もいた。

それでも早口のスピーカーに置いていかれることなく、2チーム6人全員が〝完走〟。総評として、日野先生から表現上の問題点やブース内でのチームワークに関わるアドバイスがなされ、この日のすべての演習が終わった。

上から2番目のクラスということで、教材も演習も極めて実践的。トッププロたる日野先生のチェックは鋭く、細やかで、的確だった。端正で歯切れのいい、デリバリーのお手本のような先生の発話も含めて、より上を目指したい受講生にとっては学びに満ちたクラスに違いない。

講師コメント

英語通訳者養成コース 「プロ通訳養成科3」 日野峰子先生 ひの・みねこ 北海道大学在学中より通訳翻訳者として稼動。1988年から2年間、アイ・エス・エス・インスティテュート東京校同時通訳科に学び、会議通訳者に。CAD/CAM、ライフサイエンス、半導体、宇宙など、幅広い分野の国際会議で活躍中。同校英語通訳者養成コース顧問。

英語通訳者養成コース
「プロ通訳養成科3」
日野峰子先生
ひの・みねこ

北海道大学在学中より通訳翻訳者として稼動。1988年から2年間、アイ・エス・エス・インスティテュート東京校同時通訳科に学び、会議通訳者に。CAD/CAM、ライフサイエンス、半導体、宇宙など、幅広い分野の国際会議で活躍中。同校英語通訳者養成コース顧問。

当校の特徴は「復習重視」
繰り返しの練習が唯一の上達法です

ISSの教育方針は「復習重視」です。本クラスでも、自宅で徹底的に復習してきたものを授業で披露していただき、それに対して“ダメ出し”をします。自分では「良くできた」と思っても、第三者から同じように評価されるとは限らないのが通訳です。より良くするためのヒントをお伝えしますので、現場の厳しい目にも耐えられる「質の高い訳出」を身につけてください。そのために欠かせない、入念に準備する姿勢も培ってほしいと思います。

プロとしてやっていくには、スキル以外に必要なものがありそれを私は3K(笑)と呼んでいます。どんなテーマにも興味を持てる好奇心、つねに「いま以上」を目指す向上心。そして、チームを組む通訳者や通訳会社のコーディネーターらと円滑に仕事を進められる協調性。これらを備えていれば、エージェントやお客様に頼られる通訳者になれるでしょう。

上達するには、自分のパフォーマンスを聞き直し、「もっといい表現はないか」と工夫・推敲を重ねる以外にありません。大切なのは、言葉を訳そうとするのではなく、意味的に等価になる表現を導き出すこと。そのためにも、自分の頭の中にある「日本語の世界」と「英語の世界」を大きく豊かにするよう、努めてください。

講師の目から見ても本校の教務スタッフは素晴らしく、受講生たちの立場になってサポートしています。「育てる」という姿勢の強い本校で、ぜひ皆さんそれぞれの目標を達成してほしいと思います。