業界の最新動向をカリキュラムに反映
ゼロから最前線で活躍できるプロを目指せる映像翻訳スクール

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国内外に広がる映像翻訳マーケットを見すえ、英日・日英の映像翻訳講座を開設。業界の「いま」をカリキュラムに反映し、最新ニーズに対応できるスキル・知識を教授している。入門からのステップアップが可能なコース体系と、修了生の就業を支援するMTC(翻訳受発注部門)の一体運営が最大の特長。数多くの映像翻訳者を世に送り出している。

訪問クラス 英日映像翻訳科「総合コース・Ⅰ」

トークショーを教材に全文訳に取り組む

英日映像翻訳科「総合コース・Ⅰ」は、映画やドラマを含む多様な映像素材にふれながら映像翻訳の基本を学ぶ全16回のコース。気軽に受講できるよう、最初の6回(「基礎マスター」)を受けた後、残る10回(「応用トレーニング」)に進むかどうかを決められる制度も用意されている。今回は「基礎マスター」の5回目、「翻訳スキルの基礎2」の授業を見学した。

課題はアメリカで人気のトークショー。受講生たちは指示書に従い、指定された書式で翻訳原稿を作成、期限までに提出している。映像翻訳には字数制限がつきものだが、今回の指示は「全文訳」。講師の藤田奈緒先生は、「すべての意味をわかっていなければ、情報の取捨選択も字数調整もできません。全文訳が映像翻訳の基礎になるものだと理解してください」と説明した。

授業は、指名された受講生が自分の訳文を読み上げ、先生がコメントする形で進められる。まず議論になったのは、司会者を紹介する第一声の all the way from Turkmenistan, Islamabad という表現。「イスラマバードのトルクメニスタンからはるばる……」が文法的に正しい解釈だが、イスラマバードはパキスタンの首都でトルクメニスタンはその近隣国。先生はこの不可解な表現の真意を受講生たちに訊ね、「ジョークでは?」という意見が出たところで、こう解説する。

「皆さん、司会者について調べましたか?彼はアメリカの生まれではありません。つまりそのことを茶化していて、ほかのエピソードも調べるとわかりますが、毎回デタラメな地名を言うのがお決まりのボケなんです」

そこまで調べるのかという驚き半分、謎解きをしているような面白さ半分。映像翻訳という仕事の一端を見た思いだ。

口調はどう決めるか最新の番組で検証

トークショーの翻訳では、「語り口調」をどうするかが1つのポイントになる。そこで先生は参考として、現在テレビ放映やネット配信されている3つのトークショーの映像を見せ、司会者の表情や身ぶり、話題などから「こんな口調がいい」と解説。課題となった番組についても同じように分析し、「深夜枠の番組なので視聴者層は20代後半から40、50代あたり。男性も多いかもしれません。かたい話はしないので漢字は少なめ。そんなことも意識して決めると良いです」とアドバイスした。

この番組は観客を入れたスタジオで収録されているため、司会者のトークに笑いも起こる。先生はこの番組の制作現場を見学したことがあるのだが、トーク番組では笑ってほしいところで観客に指示を出すケースが多いという。「それが制作側の意図ですから、日本語訳でも笑えるように訳しましょう」。

そのほか、英語の解釈や日本人になじみのない言葉の訳し方など、細部についても丁寧な解説がなされた。決して難しいことをしゃべっているわけではなく、難しい単語が使われているわけでもない。それでも解釈に迷う箇所が出てくるのは、アメリカの視聴者なら誰でも知っていることを前提にジョークを言ったりしているためだ。言葉として発せられているのは「氷山の一角」。世界公開を前提とした大作映画とは異なり、アメリカ国内の視聴者に向けて作られた番組は水面下に隠れた部分が大きい。だから丁寧に慎重に調べなければいけない。そんなメッセージを、この日の授業から感じることができた。

最後に、実際に放送された字幕版(藤田先生が仕事として翻訳・納品したもの)を見て、全文訳との違いを確認。その簡潔さとわかりやすさに、受講生たちもきっと「こうなるのか!」と感嘆したに違いない。

授業にはオンライン受講者も参加しており、教室内の受講生と同じように指名され、発言していた。教材にトークショーを取り上げている点もそうだが、カリキュラムや学習環境に見られる「先進性」もJVTAの特長の1つと言える。

講師コメント

英日映像翻訳科「総合コース・Ⅰ」
藤田奈緒先生
ふじた・なお

損保会社に勤務しながらフリーの映像翻訳者となり、その後、日本映像翻訳アカデミーの翻訳受発注部門「メディア・トランスレーション・センター(MTC)」に所属。現在は映画祭の字幕制作ディレクターを務めるほか、映画、ドラマ、リアリティ番組、ドキュメンタリー番組など、幅広い映像作品のディレクションに携わる。

本気で勉強に取り組めば
必ずプロになれる道が当校にはあります

英日映像翻訳科「総合コース・Ⅰ」は映像翻訳を学んだことのない方むけのコース。英語力不問でどなたでも受講できます。「〈異文化の映像作品を日本の視聴者にわかりやすく訳す〉とはどういうことか」を体感していただくことを主眼に、字幕・リップシンク・ボイスオーバーの基本ルール、作品解釈力や調査力といったJVTAが提唱する「プロの映像翻訳者に必要とされる6つの資質」についても一通りお伝えしています。

当校には、大きく2つの強みがあります。1つは、映像翻訳の受発注部門であるメディア・トランスレーション・センター(MTC)のスタッフが講師として授業に入り、受講生の皆さんに業界の最新動向をお伝えできる点。もう1つは、MTCが修了生のプロデビューをサポートしている点です。後者については2カ月に1度トライアルを開催し、合格者には無条件で仕事を発注します。通常「未経験」であることはプロへの第一歩を阻む大きな壁となりますが、当校では「最初の経験を積む」というところを徹底的にサポート。ゼロからプロを目指す方にとっては、大きなメリットになるのではないかと思います。

映像作品は多種多様。あらゆるジャンルの翻訳が求められており、誰もが自分の趣味や専門を生かすことができます。そこが映像翻訳の大きな魅力と言えるでしょう。当校では特定のスキルに特化した課外講座も豊富に開講しており、何か弱点があっても補強することができます。本気で取り組めば必ずプロになれる道を用意していますので、興味のある方はぜひ一度、当校に足を運んでみてください。