第63回 平成25年度より通訳案内士試験が変わる!新形式に備えよう

通訳ガイド行脚2013.01.16

平成25年度から通訳案内士の国家試験のスタイルが変わることになりました。ここ何年かかけて検討してきたガイドラインに沿っていよいよ実施ということですが、実は新しい形に変わる時とは、受験者にとっては合格のチャンスかもしれません。形を変えたとたんに合格者が激減したということではまずいわけですから、変化させた初回は、超解きにくい難題ばかりの落とす試験というよりは、力のある人が適切に合格できる試験となるだろうと想像するからです。

<中国語と韓国語について>
英語の1級試験と同様に、25年度からは中国語検定試験の1級、そしてハングル能力検定試験1級保持者が筆記試験の免除対象になることになりました。

<英語での受験者について>
まず一次の筆記試験については、時代の流れに沿って多肢選択式、いわゆるマークシート方式が採用されることになりました。これは採点の簡素化を目指してのことでしょうが、TOEICと同じで正解の確立が何分の一かは絶対にあるというポジティブな保証です。

それでも全問がマークシート方式になるのではなく、外国語から和文への訳、その逆に和文から外国語への訳、そして外国語で何かを説明せよという問題については従来通り筆記をすることになりますから、そんなに大幅な変更ということにはならないでしょう。

どんな設問が出るかについてはまだこれからの検討に委ねられているのでしょうが、ひっかけ問題もあるかもしれませんね。ひらめきと慎重な注意意識の両方でアタックして下さい。

口述試験は実際のガイドのつもりで明るくテキパキと
二次の口述試験については、一人ずつ入室して行われる個人審査。一人の持ち時間は着席してから8分です。 緊張すると口がうまくまわらないという人も多いので、待ち時間中は軽く会話をしたり、明るいトークを聞いていたりすると筋肉がほぐれてスムーズな喋りに繋がりやすいかもしれませんね。

口述試験は3つの部門に分かれています。
① 日本人の担当官が話す説明内容を外国語に通訳する
そのまま頭で記憶して通訳できる文章量かもしれませんが、私だったら念のために筆記用具を持っていき、数字や年代、個人名などが出たらサラサラと聞きながらメモって通訳の参考にするでしょう。
通訳時の成功のポイントは、相手が言い終わったら間髪を置かず、即通訳の言葉を言い出すことです。ここで相手が言い終わってから数秒も沈黙時間が経ってしまうと、イメージダウンで損をしてしまいますよ。

② 3つのテーマをもとにプレゼンテーションを行う
有名な観光地や日本の事象全体についての知識や、話の組み立て能力などを含めた総合的なガイディングスキルが問われるところです。
本論では、テーマに基づいて、まず何を言いたいのか?という結論やポイントを先に述べて、そのあと詳細の補足説明ができると、わかりやすくて印象が良くなります。
A話の導入の仕方、B本論、そして、C最後の締めくくりの仕方
というABC構成でいろいろなテーマで練習をしておくことが効果的。日々の生活で話題になることは是非、その時に外国語で練習として取り上げてみましょう。一夜漬けでは育めない実力を問う試験問題です。

③ 最後に上記②で行ったプレゼンテーションについての質問を試験官が外国語で投げかけ、それについて受験者が外国語で答える場面があります。

①も②も日本の地理、歴史や産業、経済、政治、文化など幅広い分野で外国人が興味を持ちやすい内容となる、とされています。
まさに通訳ガイドの現場の再現で、とても現場に即した試験法とも言えましょう。

質問をする試験官がまるでお客様そのものであるかのように、かすかな笑みを浮かべ質問者の目を見ながら耳を傾け、質問を理解したら「ご質問の意味はよくわかりました」というように大きくうなづいてから答えてみたらいかがでしょう? うなづく2秒の時間は答え方を考える時間稼ぎにもなります。
この時も、じっとかたまってしまって何も言えないまま、何の身振りもできないままの沈黙の時間というものはないほうが信頼を得ることに繋がりますね。考える時間が必要だったら、例えば”Yes, I know what you mean. The reason why ・・・・is, because ・・・”などのようにつなぎの言葉を入れることによって、即反応して回答を始める助走ができており、考える時間を捻出する妙法でもあり、しかもその間は表情豊かに行えば試験官の気持ちもつかむことができるという一挙3得になりますよ。

同じ料金を支払ってガイドを雇うのであれば、より楽しく明るく元気を感じさせるガイドさんのほうがお客様は嬉しいものです。試験官も同じ気持ちでそういうガイディング・パフォーマンスができる人材を選出したいと考えているのではないでしょうか。
是非、試験室に入った時から笑顔いっぱいでテキパキと、明るく楽しい雰囲づくりができるように、日頃から意識をしましょう。
それが、まさに現場での通訳ガイドさんの成功の秘訣そのものなのですから。