第9回 すべての人にノマドを!~主婦やお母さんはどうすればいいか

実践!ノマドライフ2016.08.08

ダブルの幸福

今回も北海道にいる。前回からずっと北海道で仕事しているのではなく、いったん東京に帰ってまた戻って来た。今度は家族全員で。「ノマドは自分のためならず」と第6回で書いた通り、前回の北海道ノマド旅は家族旅行の下見を兼ねていた。
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世間では「独身で自分の好きなように生きるのが一番幸せ」派と「好きな人と結婚して家庭を築くのが一番幸せ」派の論争が時に繰り広げられている。僕はどちらの言い分ももっともだと思うし、価値観は人それぞれでいいと思う。ただ一つ言えるのは、独身でも家庭持ちでも、「自分の好きに楽しむ」ことだけが喜びではないということだ。家族や友人、仲間など「自分の好きな人が楽しんでいるのを見る」喜びはそれに勝るとも劣らず、時には至上の喜びのように思える。

僕の場合、まず愛犬ベックとノマド旅に出掛けて仕事をしながら自分が楽しみ(もちろんベックが楽しんでいるのも見て喜ぶが)、次に家族を連れてきてツアーコンダクター役に徹し、彼らが楽しんでいるのを見て大いに喜ぶ。普通なら「自分が楽しみつつ家族も楽しませる」という難しいかじ取りを強いられ、時としてフラストレーションから旅先でケンカにさえなってしまうところを、ノマド翻訳者であるがゆえに両方の幸せを存分に味わえるのだ。

09-02              (ノマド旅では決して作らない「旅のしおり」)

主婦ノマドとママノマド

ただ前々から悩んでいたのは、「ノマドノマドとか言って、そんなことできるのは独身の人か、家事や子供の面倒見をしなくていい勝手な男どもだけでしょ?」というご批判に、どう答えればいいかということだ。

09-03主婦の方でも、昼間PC片手に出掛けて、気分転換にカフェやファミレスで仕事するぐらいはできるだろう。ただ、最近はそういう場所でPC作業をする人たちがますます増えてきた。マナーもよろしくない。僕はスターバックスなどではキーボードをできるだけ静かに、押すように打つことを心掛けているが、必要以上に、まるでアピールしているかのように大きな音でバチバチ叩く(特にリターンキー)人が非常に多い。そんな人の隣で翻訳しようとしても、とても集中できない。なので落ち着いて作業できる場所を、近所または電車やバスで行ける近場で探し出すといいと思う。

小さなお子さんがいては、それさえ難しいだろう。たとえば第3回で紹介した車ノマドはどうか。郊外の森までドライブして、お子さんと散歩。疲れてきたらチャイルドシートに寝かせ、その横で仕事する。車内にテーブルを置くスペースがなければ、日よけのため簡易パラソルやタープを開いてキャンプ用のテーブルとイスをセットする……ちょっと苦しいかもしれないが、それぐらいしか思いつかない。

そもそも僕自身、子供が小さい間(小学校に入る前)はノマド旅に出ていなかった。やはり幼児を育てる上では、できる限り父親の物理的な協力も必要だと思う。それに幼少期は特に成長が早い。僕はその間、「どこでも仕事できる」というフリーランスの特権を、できるだけ子供たちのそばにいることに使っていた。自宅を離れて仕事するようになったのは子供が大きくなってからだ(それは子供と一緒にいるのがイヤになったためではないことは、以前書いた通り)。
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