第52回 知っておいて損はないサイエンスの知識

一行翻訳コンテスト2011.11.16

■オススメの一冊

『13 Things That Don’t Make Sense』
(Michael Brooks)

今月の1冊目は、Michael Brooksの「13 Things That Don’t Make Sense」。サイエンスもので、13の現在解明されていないテーマについて取り上げた本です。例えば、プラシーボ効果とか、外宇宙からの信号など。でも今の時点で分かっていないことももしかしたら未来には解明されるのかも知れません。ギリシャ時代は火や水が元素だと考えられていたわけですから。文章はこんな感じ。

Cold Fusion
Nuclear energy without the drama

SALT LAKE CITY – Two scientists have successfully created a sustained nuclear fusion reaction at room temperature in a chemistry laboratory at the University of Utah. The breakthrough means the world may someday rely on fusion for a clean, virtually inexhaustible source of energy.

That was how a press release, issued on March 23, 1989, by the University of Utah, launched the end of Martin Fleischmann’s career. Fleischmann remembers his work’s motivation very differently. “I had no intention of saving the world,” he says. “No intention whatsoever!”

いまもそうですが、基本的なサイエンスや技術の知識がないと、出版であれ、文芸であれ、産業であれ、翻訳に苦労することになります。別に難解な数式を読めるようになる必要はありませんが、知識としてシュレジンガーの方程式やノイマンの定理くらいは知っていてもいいような気がします。

■今月のペーパーバック

『Relentless』
(Simon Kernick)

今月の2冊目は、スリラー好きに絶対のお勧め、すさまじいまでのページターナー、Simon Kernickの「Relentless」。自宅の庭で子供たちの世話をしていた主人公のトムのところに、最近疎遠になっていたかつての親友のジャックから電話がかかってきます。ジャックは誰かに追われている様子で、やがて一言残して声が聞こえなくなります。その一言はトムの住所でした。ジャックは殺され、トムの妻は失踪、トム自身はジャックの殺人容疑がかけられます。一体何が起こったのでしょうか。以降、400ページに渡ってぐいぐいと引き込まれていきます。冒頭はこんな感じ。

I only heard the phone because the back door was open. I was outside breaking up a fight between my two kids over which one of them should have the bubble-blowing machine, and it was threatening to turn ugly. To my dying day, I will always wonder what would have happened if the door had been shut, or the noise of the kids had been so loud that I hadn’t heard it.

これうまく訳さないと小説の入りとしては厳しいですね。時間を見つけて他の作品も読んでみたいと思います。

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