基礎固めからジャンル別のスキル養成まで
プロになるための体系的な通学・通信コースを開講

読み解きにくい日本語の文章を図解しながら丁寧に解説してくれるので、わかりやすい。

読み解きにくい日本語の文章を図解しながら丁寧に解説してくれるので、わかりやすい。

訪問クラス「ビジネス英訳」 授業時間・・・100分 回数・・・全10回

最重要課題は「日本語の正しい解釈」
「ビジネス英訳」の授業は、受講生が提出した課題の英訳を講師のコメントとともに配布し、それぞれの訳出について解説していくスタイルだ。
この日は不定期で取り上げるという文学の英訳からスタートした。今回は川端康成の『雪国』の冒頭部分。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。…(中略)信号所に汽車が止まった。」の一節を取り上げ5分間で受講生に英訳を考えてもらう。講師の阿部川久広先生いわく訳出は「日本語をしっかりと解釈し主語・動詞は何にするか、時制は何か」を考えるのがポイントだ。

「一文目は『汽車』を主語にしましたか?『私が見たのは雪国だった』とすると原文の情景描写が弱まってしまいます。また原文は『汽車は』ではなく『汽車が』です。これは『自分が乗車したこの汽車が』という意味。よってここはa trainではなくthe trainとなるはずです。『が』と『は』の違いは、ここでは冠詞の工夫でニュアンスが出せます。こういうところにも注意して英訳しましょう」

翻訳の核心に触れつつ準備体操をした後は、いよいよ授業の本題へ。
「銀行がその資金を中央銀行である日銀の口座にいれておく際に銀行に手数料を課す政策について、…」という課題文では、「日本語がわかりづらいので、まず分かりやすい日本語に“翻訳”します」と阿部川先生。「日銀が中央銀行であることは自明なので文中の『中央銀行である』を取っ払い、『銀行』を『各銀行』に“翻訳”すると、『…the policy to charge banks fees for keeping their money in their central bank account…』という訳文も導きやすい」と説いていた。

受講生らの訳文には「未来形だと見抜いてよくwillを使いました」「whenを使った方が原文どおりです」など気づいたことをコメントし、時に、業界独特の言い回しや同類語などにも話が及ぶ。こうして受講生の提出課題すべてを解説すると、100分の授業はあっという間に終了した。

講師’s Voice

【英日】翻訳本科コース 川口仁先生 (かわぐち・ひとし) 翻訳会社で品質管理、翻訳事業責任者などを歴任した後、翻訳事業や教材開発を展開する会社「ワードリンク」を設立。製品カタログや契約書、ニュースリリース、CSRリポートまで、一貫して実務翻訳に携わっている。インタースクールの講師としても活躍。

「ビジネス英訳」
阿部川久広 先生
(あべかわ・ひさひろ)

アップル、ディズニーなど外資系企業の要職を歴任し、翻訳・通訳を含む英語関連業務にも従事。多くのグローバル企業や大学でマーケティング論、英語コミュニケーションなどに関する講義も行う。元CNNキャスター。著書に『たった3時間でやれる「勘違い英語」完全克服術』(講談社)などがある。


英訳の基本、6つの鉄則をマスターしたらアメリアを利用して積極的に実績を積んでほしい
担当する「ビジネス英訳」クラスは、私が仕事で作成した文章をメインに、産業界の記事や経営者のスピーチ、企業のプレスリリースなどを教材に英訳を学ぶコースです。

「ビジネス英訳」といっても業界に特化した翻訳テクニックがあるわけではありません。本コースでは事象を正しく伝えるための構文を理解し、ビジネスシーンで使われる単語を用いて必要な情報を表現する力をつけるのが目的です。

それを踏まえて、本講座で身につけていただきたいのが、日英翻訳の「6つの原則」。中でも最も大切なのが「原文を分かりやすい日本語に翻訳すること」です。日本語は英語と構造が異なることから、英語の言い回しになじまない文章になりがちです。具体的には、主語と述語がない、話の結論が最後までわからない、などですね。

授業の2回に1回程度、文学を取り入れているのも文学的な表現こそ文脈が取りづらい好例だから。例えば『雪国』の冒頭「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」では主語、動詞は何か、トンネルを抜けた直後の場面なのか、抜ける瞬間の場面なのかなど、考えるべきところがたくさんあります。

もう一つ大切なのは、英語が書けない方は、得てして日本語も曖昧だということです。そしてそれは日本語の構造的な問題ではなく、その方の思考が曖昧だからにほかなりません。一方で、言葉を正確に紡ごうとすると、「○○とはいうものの、○○と言った結果、○○となってはいるが、結果的に○○ではなかった」という、非常に分かりづらい文になってしまうことも。そこで曖昧な文章、回りくどい文章を「分かりやすい日本語に翻訳する」作業が必要となってくるのです。

以上の重要点を含む「6つの原則」を意識しながら基本を学んで力をつけたら、本校の翻訳者ネットワーク「アメリア」を利用して、どんどんプロとして仕事をしてほしいと思っています。現在600社ほどの会社が登録しているアメリアでは、業界の動向などの情報も共有されています。その中に身を置き実績を積んでいくことは、講座で勉強する以上に学ぶことが多いはずです。