Vol.27 アルゼンチンでの
バイリンガル子育てプラス2言語(後編)
/スペイン語通訳者 相川知子さん

子育ても終盤に
人生の可能性を広げてあげられた

現在、長女は大学2年生で、次女は2019年12月に高校を卒業しました。二人ともスペイン語は母国語です。日本語はほぼ母語ですが、あまり複雑なことや読み書きはできません。でも、例えば日本のテレビの朝の連続ドラマや生活の知恵のような番組は理解ができます。また、日本的心情も理解するようで、長女は料理が好きなので、一年ほどJICA派遣の料理専門家の日本食講座の調理助手をしていましたが、気がきく、とよく言われていました。

英語に関しては、長女は全体的にはヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)のB1レベルぐらいだと思います。Netflixの英語でのドラマや映画が大好きで毎日数時間見ています。恥ずかしがり屋の性格もあり、話すのはちょっと苦手ですが、ニューヨークに卒業旅行に連れて行った際、現地で結構上手にやりとりをして感心しました。
次女の英語はB2からC1程度でしょう。高校卒業前には国連会議のシミュレーションに学校代表で参加しました。次女は現在日本にホームステイ中で、2019年12月末から日本での外国人受付の仕事を数カ月行っています。東京オリンピックは残念ながら延期になりましたが、成田空港送迎の英語アテンドの仕事に応募していました。
またフランス語については、長女は基本的なことやまた調理関係の内容がわかるレベル、次女はA2 くらいの日常会話レベルでしょう。
ということで、それぞれのレベルがありますが、3カ国語目(英語)はできるレベルで、そして4カ国語目(フランス語)が少しわかる、ということになります。

今後、二人の娘たちがどれだけ日本語を伸ばしたいかは、本人に任せたいと思います。今次女は日本でホームステイ先のお母さんに手伝ってもらい、かな文字と簡単な漢字を習得中です。今まではローマ字でしたが、日本語でLINEのメッセージを送ってくるようになりました。長女はコロナ禍で強制隔離措置で在宅令中につき時間があるため、カタカナを勉強する気になったようで、練習中です。

改めて振り返ってバイリンガル子育てをしてよかったな、と思うのは週末の午後、娘がときには、「ママ、はい、今日は日本茶をどうぞ」と日本的気づかいをしながら緑茶を入れてくれたりするとき。また、娘とできる何気ない日本語でのおしゃべりは、普段日本語で人と接しない私には本当に楽しく、そのような時間を共有できることはすばらしいことです。 「日本語とスペイン語ができるのはすばらしいこと」と、私が言い続けてきた結果が少し表れてきたと思います。

現実的には子どものためだったのか、自分のためだったのかわかりませんが(笑)、二人とも自分たちはもちろんアルゼンチン生まれでアルゼンチン人だけれども、日本のルーツはあるし日本人でもあるという認識もあります。外国でのありあわせの材料ですが、日本食も大好きですし、料理もします。また、日本人だったらアメリカへの観光ビザ免除で入国できるメリットがあるなどもちゃっかり理解をしています。
語学学習で人生の可能性だけは、広げてあげたつもりなので、日本とアルゼンチンにこだわらず自分のやりたいことをこれからどんどん伸ばしていってほしいと思います。

2019年頃。イベントにて。

ページ: 1 2