Vol.25 バイリンガル教育は難しい―皆そろってモノリンガル家族
/会議通訳者 ベック徳子さん

無理することない?バイリンガル教育

というわけであっさりバイリンガル教育は諦めた私ですが、3人の子育てをして感じたことがいくつかあります。
•物心ついたころから複数言語を自然に使えれば苦労して単語の丸暗記などして外国語を習得しなくても楽だろうと思う反面、子どもが自分で興味を持って外国語を勉強したいと思えば、何歳になってからでも学べると思います。もしかしたら子どもは日本語ではなくベトナム語やロシア語を習いたいと思うかもしれないし。将来日本語を理解する必要に迫られれば通訳を雇えばいいし、雇うお金が無ければハハがボランティア通訳してあげるから大丈夫。

•子どもにより適性が違うこと。3人の子どもにはそれぞれ異なる得手、不得手があり、長女は文学少女、次女はスポーツ万能、息子は数字が大好きです。「日本語で言い直して!」と言い合いになるより、その子の特意なもの、好きなものをそのまま伸ばすことに努力を充てたいと思います。

•稀ですが、英語も日本語も流暢そうで一見バイリンガルだけど、どちらの言語でもネイティブレベルでない成人に会ったことがあり、その状態は避けたいと思いました。それで無理して二か国語を話させるより、一か国語でいいからしっかりと確立された母語を持ってほしいと思います。

この子どもたちが今は成人して「ママ、何で日本語を教えてくれなかったの?」などと言います。孫にも日本語で話してほしい、と言われるのですが、たまにしか顔を見ることの無い孫に知らない言語で話しかけても、宇宙人と会話しようとしているようなものだと思います。子ども達3人とも大学で日本語のクラスをとったり、教材を使ってそれなりに努力しているようなので、もし日本に頻繁に行くような機会があれば日本語が上手になってくれるだろうと思います。

3人の子どもたちと。

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