第5回 テキストエディタ ー 「秀丸」を使いこなす

翻訳LifeHack2017.05.10

マクロ

マクロとは、パソコンの操作手順を記憶させたり、プログラム化して一連の操作を自動化したりする機能です。シンプルなエディタも、マクロを使うといろんなことができます。

秀丸ライブラリ
秀丸はユーザー数が多く、秀丸ホームページのライブラリにマクロが多数公開されているので、自分でマクロが書けない初心者もいろんなことができます。私は元データを前処理したり翻訳したテキストを貼り付けて後処理したりするのに使用しています。
例えば
*(PDFから落としたテキストなどを)整形するマクロは、
・無駄なスペースとタブの削除
・行頭1字下げ処理
・句読点を,.から、。に戻す
・全角マイナス記号を長音記号に
・和文のなかの記号類は全角に
・強制改行の削除
などを一挙に、または1項目だけ実行できます。

*特許明細書に段落番号を付与するマクロ
特許明細書の段落番号は付け忘れたり飛ばしたりするとあとあと修正が面倒なので、最初に入れておきます。

他にもたくさんマクロがありますので、サイトをのぞいてみてください。たとえば英数字を半角にしたい場合、「半角」で検索するといろいろ出てきます。

未来社のマクロ
上の整形マクロは、未来社が自社用に作成したマクロのようです。このマクロは未来社のホームページでもその他のマクロと共に公開されています。未来社のマクロは出版編集者向けなので、翻訳作業でも役に立ちます。

以下のマクロが公開されています。
・ファイル整形
・不適切表記修正
・アルファベット、数字の置換
・欧文の半角処理
・漢字を開く
・複合動詞の修正
・送りがなの統一
・世紀、年月日にトンボの十を使う

例として「送りがなの統一」マクロを使うとどうなるのか説明します。

このマクロは、例えば
「行う」を「行なう」に統一します。

ただ、活用があるので簡単に一括置換というわけにはいきません。そこで下記のように修正な必要な箇所に★を付けて知らせてくれます。

>法を画策して一歩一歩その探究の歩を進めて行な★った道筋の忠実な記録を読ん<

「落す」を「落とす」に統一する場合、下記のように関係のない部分も引っかかります。

>も悲惨な暗黒の生涯転落と★する、というような実験を、忠実に行なって<

一見面倒な気がしますが、マクロで送りがなを完璧に統一するのは無理なので、「間違いが引っかからない」より、「間違っていないものも引っかかる」方がいいという考え方だと思ってください。★印をたどって確認する作業が必要になりますが、私はこれを見ながらCATツール側を修正しています。

未来社のHPには各マクロの中身も記載されているので、どのような規則で置換されるのかがわかります(「送りがなの統一」はこちら。この規則と自分の求めている規則とが合っていればチェックに使うことができます。私は少しだけですがマクロや正規表現について勉強し、自分に合うようにマクロを修正して使っています。修正作業ももちろん秀丸で開いて行ないます(マクロ自体はテキストファイルです)。

マクロ使う
マクロを使うには、まずマクロを登録する必要があります。

(1)上記2つのサイトから希望のマクロをダウンロードします。圧縮されている場合が多いので解凍します。拡張子は「.mac」で、アイコンに「秀」のマークが付いているのですぐわかります。
(2)マクロファイルを「C:\Program Files\Hidemaru」のフォルダに入れます。
(3)秀丸エディタを起動し、メニュー[マクロ]>[マクロを登録]で設定画面が開きます。
07_マクロ登録画面

(4)[編集]ボタンの左にある小さいボタンを押すと、先ほどマクロファイルを入れたフォルダが表示されます。マクロを選択すると設定作業終了です。
(5)マクロが登録されると、メニュー[マクロ]>で開くプルダウンメニューに登録したマクロが表示されます(上のスクリーンショットではすでに表示されています)。それを選択するか、またはショートカットでマクロを実行します。

縦書き・段組表示

秀丸ではメニューからワンクリックで縦書き表示に変更できます。
メニュー[表示]>[縦書きモード]
08_縦書き
もちろん縦書きモードのまま入力も可能です。
最終原稿が縦書きになる翻訳文の場合だけでなく、最終チェック時に縦書きにすると文章が違って見えるので、入力ミスが見つかったり、文章の推敲がうまくいったりする場合があります。

縦書き+段組表示も可能です。
メニュー[表示]>[縦書きモード]+[段組モード]
図表9

デフォルトの設定では1行80文字で表示されるので、段組にする場合は
メニュー[その他]>[ファイルタイプ別の設定…]で、左ツリーに表示される[体裁]を選択し、[固定]にチェック入れて折り返し文字数を設定します。 

注意事項

・ユニコード
秀丸はUnicode(文字コードの一種。ウムラウトやアクサンなどの特殊文字に対応)形式でも保存できるはずなのですが、PDFのテキストをコピペしてUnicode形式で保存しても、なぜか中身がSHIFT-JIS形式になってしまいます。PDFからいったんWordかrtfに保存し直し、その後Unicodeテキストとして再度保存します。

・クラッシュしてもバックアップファイルは作成されないのでこまめに保存してください(自動保存の設定は可能です。詳細はこちら

・ヘルプや解説も充実していますが、わからないことがあったらググった方が早いです。利用者が多いのでたいていのことはネット上で説明されています。

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以上、簡単な説明しかできませんでしたが、価格も手頃なので、使いたいなと思う機能やマクロがあったらぜひお試しください。一度買ったらずっと無料でバージョンアップできますし、インストール台数制限もありません。ご紹介した機能の他にも便利な機能がたくさんあります。翻訳方法は十人十色です。ぜひご自分のやり方に合った機能を見つけてくださいね。

次回は辞書ブラウザについて書く予定です。
また前回(第4回)の「省力化の積み重ね」が掲載された後、教えていただいたり見つけたりした便利機能を補足としてブログに書きました。

It’s a Wonderful Life「コラム『翻訳LifeHack』第4回が掲載されました」
内容はiPhone/ iPadの読み上げ機能、iPhoneの拡大鏡機能、iPhone/ iPadの純正サポートアプリ「Appleサポート」、iPhoneの計算機アプリで数字をタップで消す、などです。

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