第3回 ジャパンナレッジー有料という選択

翻訳LifeHack2017.03.15

検索方法について

基本検索では、辞書・資料の串刺し検索、個別辞書検索、複数辞書を組み合わせた検索が可能です。見出し検索はもちろん全文検索が可能で、フレーズ検索で熟語(イディオム)が検索できます。「スニペット」表示を使うと検索でヒットした項目と2行程度の内容が一緒に表示されるので、各項目をクリックして開く前にそれぞれの意味がわかって便利です。また「knowledge searcher」ボタンを押しておくと、カーソルで選択した文字列が、本文内で検索されて別窓に表示されます。

詳細検索ではAND/OR検索や前方一致、後方一致、部分一致など、基本的な拡張機能は一通りそろっています。

「詳細検索解説」 

検索関連でちょっと知っていると便利な裏技をご紹介します。ジャパンナレッジはコンテンツが豊富なので英語で引いたり日本語で引いたり。検索窓の入力モードを英文とひらがなの間でしょっちゅう切り替えなければなりません。コピペする場合はいいのですが、私はよくひらがなモードで英文入力してしまいます。その場合は「F10」キーを押すだけでその単語に限り半角英字に変換されます。
また、例えば英和辞典でせっかく熟語がヒットしても本文がずっと下まで続いて目指す熟語が見つからない場合があります。そんなときはブラウザーの検索機能(Ctrl+F)で検索しています。

ジャパンナレッジの使い方全般はこちらを参照してください。

おわりに

いかがでしたか。役立ちそうな辞書や資料は見つかったでしょうか。今回ジャパンナレッジをご紹介したのは「便利」という以外にもう1つぜひ知っていただきたいことがあったからです。それは日本の出版文化の豊かさ。例えば図書館のレファレンスコーナーに行くとさまざまな辞典・事典がずらりと並んでいます。音楽事典、日本文学事典、演劇事典、機械用語事典、JIS用語事典… 、全8巻、全10巻といった事典も珍しくありません。これほどの数の辞書や事典を出すのにいったいどれだけの労力と費用がかけられたのか。どれを取っても、出版不況と言われる今となってはかなうことのない大事業です。長い年月をかけて多様な文化資産が生み出され、その一部が今デジタル化されて私たちに恩恵をもたらしています。

インターネットの検索は無料です。無料の辞書もたくさんあります。有料の辞書を使うということは、今なお辞書や事典の更新を怠らず、埋もれた資産をデジタル化して提供している出版社を応援する意味もあるのです。出版社は「無料」に負けないでほしい。そして私たち自身も、「無料」に負けてはいけないと思うのです。

今はGoogle翻訳などで一般の方が無料で翻訳できる時代です。機械翻訳で人間の仕事はなくなると心配している方も多いでしょう。ファクトチェックをしっかり行い、機械にはできない、有料に値する仕事をしていくしかプロとして生き残る道はありません。ドイツではフェイクニュースを嫌って新聞が売れ出したと聞きました。新聞も、出版も、翻訳も、皆同じ。価値あるものに正当な対価を支払うことが必要ではないでしょうか。

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