通訳者・翻訳者になる方法はひとつじゃない
通訳・翻訳のプロ資格や試験はない
「通訳者・翻訳者になりたい!」と思って勉強を始め、通訳・翻訳スクールを修了しても、最初の仕事のきっかけをつかめない、なかなかデビューすることができないという人は意外と多い。
通訳者・翻訳者になるための国家資格や試験はない(全国通訳案内士を除く)。スキルさえあればいつでも仕事は始められるともいえるが、実際にはデビューのチャンスをつかむのは簡単ではない。
「試験に合格したら仕事ができる」といった目安がなく、プロへの道筋がはっきりしないのも「なかなかデビューができない」というジレンマに陥る理由の一つでもある
分野によってデビュー方法は違う
資格や試験がないために、通訳者・翻訳者としてデビューをする方法は人それぞれ、さまざまなパターンがあるが、比較的チャンスがつかみやすい、多くの人がその道を通る「王道ルート」「定番ルート」はある。また、翻訳者でも産業翻訳者、出版翻訳者、映像翻訳者によって、デビューのルートは異なるものだ。
通訳の場合は通訳スクールに通って、クラスが上がったら人材派遣会社に登録し、社内通訳者からキャリアを始めるパターンが多い(詳細はこちら)。
また産業翻訳の場合は翻訳スクールに通い、翻訳会社のトライアルを受け、登録が叶ったらプロとして仕事をスタートするパターンが多い(詳細はこちら)。
また、出版翻訳の場合は翻訳スクールに通って講師に下訳のチャンスをもらうといったパターンもある(詳細はこちら)。
デビュールートは多様化している!
「通訳翻訳ジャーナル」編集部では多数の通訳者・翻訳者に取材してきた実例をベースに、通訳・産業翻訳・映像翻訳・出版翻訳・通訳ガイド、それぞれの分野でプロとして仕事を得るための王道・定番ルートを紹介している。
ただ、この王道・定番ルート以外にも時代とともに、デビューの方法にも変化が生じている。最近は「SNS」や「クラウドソーシング」を活かして初仕事を得るケースも急増中だ。
あらゆる面でデジタル化が進んだいま、仕事を始める方法も多様化している。
こんなデビュー方法もアリ!
CASE1
クラウドソーシングサイトを利用
今や多数のサイトがあり、多くの利用者がいる。料金面では厳しく、案件獲得の競争も激しいが、実務経験のない人がゼロからきっかけを作るには最適。
CASE2
Web サイト開設で情報発信
通訳ガイドなどは自分のサイトを立ち上げて、対応可能なツアーなどをアピールすることで、客から直接コンタクトがある可能性は十分にある。
CASE3
SNS で発信&つながる
Twitter、インスタで著者・編集者・クライアントなどとつながる、LinkedIN など自分から発信することで、クライアントの目に留まる可能性も!
CASE4
海外に目を向ける
クラウドソーシングにしろ、エージェントにしろ、国内は競争が激しいが、海外のサイトやエージェントでは国内にはない別のニーズがある。特にオンライン化で遠隔通訳が増えた通訳者は国外の案件も受けやすくなっている。