現役プロが指導する 多彩な通訳・翻訳講座
 通訳翻訳会社インターグループを母体とするインタースクールは、半世紀以上にわたり国際舞台で活躍する通訳者・翻訳者を多数輩出してきた名門校だ。現場を知り尽くしたプロを講師陣に迎え、初級者からプロデビューをめざす上級者まで、レベル別の多彩なコース設定で受講生のニーズに応えている。いずれのコースも丁寧かつきめ細かな指導を行うとともに、講師とスクール事務局、インターグループが一体となって、受講生一人ひとりの個性に合わせたサポートを行う。
 2022年10月期には、「英語通訳コース」に「通訳準備科」を開設。本講座は「会議通訳コース本科」の前段階に位置づけられている講座で、本格的な通訳訓練を始める前の基礎トレーニングを集中的に行う。通学とオンラインの2形態が用意されており、実務未経験から本気でプロをめざす人におすすめだ。

「スクールで学び、現場で活かす」インターメソッド
 同校独自の「インターメソッド」は、「人材育成」と「現場経験」の双方向サイクルに基づき、スクールで学んだスキルをキャリアにつなげる機会を提供するというもの。この「スクールで学び、現場で活かす」メソッドが、優秀なプロを育てるという。
 インターグループ専属通訳者・インタースクール講師の松浦俊先生と、「通訳準備科」受講生の星野愛海人さんに対談していただき、同校で得られる学びやキャリアサポートについて語ってもらった。


講師×受講生 対談インタビュー

 

「通訳準備科」のトレーニングを通して基礎を固め日々の通訳翻訳業務で成長を実感

リプロダクションなど効果的な訓練方法を習得する

松浦俊先生(以下、松浦):星野さんは、昨年10月から「通訳準備科」で通訳訓練を受けていらっしゃいますが、学んでみていかがですか?

星野愛海人さん(以下、星野):予習復習でやるべきことが多く、実際は課題をこなすだけでも大変なのですが、クラスメートの皆さんもすごくがんばっていますし、非常にレベルの高い環境で学べていると思います。毎週、授業に出席するのが楽しみです。

松浦:「通訳準備科」の授業を担当した際、受講生のリプロダクションに取り組む姿勢を見て、通訳の基礎が固まり始めているなというのを感じました。通訳を学ぶにあたって、リプロダクションはとても効果的な訓練方法ですので、さらに高いレベルの訓練に進むためにもきちんと習得しておく必要があります。その意味で、「通訳準備科」の皆さんは、「会議通訳コース」に進級する準備が整いつつあるようです。

星野:もともと長文のリテンションやリプロダクションには自信がなかったので、「通訳準備科」で学び始めた頃は苦労しました。3ヵ月経ち、ようやく山を越えたかなと思えるようになってきたところです。最近は、話されているキーワードや内容、情景が頭の中に残るようになりました。授業中は、「言葉をそのまま訳すのではなく、スピーカーが話したキーワードから情景や物語を描いて、それをしっかり訳すように」とアドバイスを受けるのですが、そうした訳出に向けて、一歩進んだような手応えを感じています。

松浦:星野さんがいま言われたことは、まさに通訳の本質だと思います。情報を訳すことはもちろんですが、それに加え、通訳者にはメッセージを伝えるという役割があるんですね。このことは私自身もインタースクールで教わってきたのですが、初めて社内通訳者として外国人役員に付いた際、「私の話す言葉だけでなく、メッセージを伝えてください」と指示を受け、そこでスクールと現場が交わりました。スクールで学んでいたことと現場で重視されていることがリンクした瞬間のことはよく覚えています。

星野:私は、勤務先で翻訳する際、原文の一字一句にとらわれないでニュアンスを伝えることを重視するようになりました。この点はインターで学んだことが生かせているなと思います。通訳案件も、30秒から1分程度であれば概要を訳出できるようになりました。通訳・翻訳それぞれで、スクールで学んだことが身についてきたという実感があります。

担当している受講生がプロ通訳者になりパートナーとなる日を見据え、授業に臨む松浦先生

 

グループ全体が連携し受講生のキャリアプランを考える

星野:松浦さんも会社勤めをしながらインターで学ばれたと伺っています。どのようにキャリアアップしてこられたのですか?

松浦:私は、「会議通訳コース本科Ⅲ」に在籍していた当時、すでに通訳者として稼働しているクラスメートや講師から現場の話を聞き会社員を辞めて通訳者になることを決意しました。その決断ができたのは、インタースクールの講師や事務局、インターグループのエージェント部門からの後押しがあったことが大きいです。講師、スクール、インターグループの間でしっかりと連携がなされていたので、そのおかげで自分の通訳者としてのキャリアプランを描くことができましたし、充実したサポートを受けることができたと思っています。

星野:私も事務局の方々の対応には感謝しています。授業の運営面はもちろんですが、メンタル面でも支えていただいて、本当に心強いです。

松浦:インタースクールに在籍していたときにインターグループからの派遣で社内通訳者になり、そこから「授業で学んだことを現場で活かす」というサイクルがうまく回り始めたような気がします。その後、2020年に専属通訳者になり、政治経済やビジネスのさまざまな現場で通訳をさせていただいています。星野さんは、どんなビジョンを描いていますか?

星野:直近の目標は、リテンションやリプロダクションなどの基礎をしっかりと固めて、きれいな訳出ができるようになることです。長期的には、いつか松浦さんやお世話になった講師とパートナーを組んでお仕事をさせていただきたいと思っています。そのレベルにまで行きたいです。

松浦:通訳市場はコロナ禍で一時期低迷しましたが、ニーズは回復し、伸びてきていると思います。ぜひインタースクールで学び続けて、高いスキルを備えた通訳者になってください。物事を習得するには、「守・破・離」という段階があります。「通訳準備科」はまさに「守」の時期であり、とにかく基礎を固める段階です。ここで強固な基盤を作ることが今後の飛躍につながりますので、その点をしっかり認識して、日々の学習に取り組んでいただきたいと思います。星野さんとパートナーを組んで一緒に現場に出る日が来ることを楽しみにしています。

星野:ありがとうございます。目標を達成できるようがんばります。


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