
実務翻訳で45年以上の実績を誇る㈱サン・フレアが運営するサン・フレア アカデミー。翻訳実務で培われた豊富なノウハウと現場のニーズを反映したカリキュラムにより、産業翻訳業界を担う優秀な翻訳者を輩出しているスクールだ。「医学・薬学」「IT・通信」「金融・経済」「法務・契約書」「特許明細書」など、さまざまなジャンルをカバーした講座はレベル別に分かれており、初級者から上級者まで幅広く対応。徹底した少人数制の下、現役プロの翻訳者が受講生一人ひとりの個性に合わせたきめ細やかな指導を行う。通学科は年4回(4月・7月・10月・1月)開講し、午前/午後/夜間の3つの時間帯から選択できる(通学科は2021年4月現在オンラインにて開講)。通学科と同じテキストを使用した通信科は、随時受講可能で、通学できない人にも充実した内容の学習機会を提供している。
ワンデーセミナーのラインアップも充実。講座修了後も学びの機会が欲しい人や通信科受講生に人気がある。通学・通信・セミナーから学習方法を組み合わせてレベルアップを図ることができ、学習の環境が整っている。随時、無料講座説明会や体験授業を開催しており、個別相談にも応じてくれるので、興味がある人はぜひ参加してみよう。サン・フレア アカデミーは、実務翻訳者をめざすすべての人のニーズに応える魅力的なスクールである。
講師インタビュー

初級「はじめての翻訳技法」(通信・通学)
江國真美先生
(えくに・まみ)
大阪大学文学部史学科修士課程卒業。通信教育で翻訳の学習をスタート。翻訳会社に登録して仕事を始め、出版翻訳、経済誌『フォーブス』翻訳、CNN登録翻訳者などを経て、現在は大手企業をクライアントにコンサルレポート、雑誌、新聞記事、法務文書などの翻訳を手がけている。
英語原文の情報を正確に伝えつつ違和感のない日本語に翻訳するテクニックを伝授
Q 「はじめての翻訳技法」ではどんなスキルを身につけられますか?
翻訳の基本テクニックと、商品として通用する和訳のコツです。ひと口に「英日の産業翻訳」と言っても、それぞれの分野に最適な英語と日本語の距離感があり、それに応じて訳を変える必要があります。例えば特許翻訳や法律の翻訳では日本語の自然さを犠牲にしても、英語に忠実に翻訳する必要がありますが、医薬翻訳ではそれよりもなめらかな訳文が求められることも多いですし、フィクション翻訳ではより自然な日本語が重視されます。そうした制約がある中で、英語原文の情報を正確に伝えつつ違和感のない日本語に翻訳することは意外と難しいもの。分野を超えて応用できる翻訳のコツとパターンを学び、「伝わる翻訳」ができるようになることをめざします。
また、翻訳学習がはじめての方を対象にしていますので、まずは原文を正確に読み取ること、その上で自然な日本語訳ができるようになることを重視しています。例えば英語は受動態や無生物主語を使うことも多いのですが、それをそのまま訳していては不自然な日本語になってしまいます。そこで、品詞や態を変換したり、訳す順序を工夫したり、原文を区切ったりしてこなれた日本語にすることが必要です。また英和辞書にとらわれすぎず、英英辞書で英語本来の意味を調べた上で日本人の肌感覚ですんなりと読める訳文にすることも大切です。受講生の方が楽しみながら学習でき、質問もしやすいよう明るく楽しい雰囲気であることも心がけています。
Q サン・フレア アカデミーのおすすめポイントを教えてください。
最大でも定員6 名と少人数制のため、きめ細やかな指導を受けられること。スタッフが皆親切で、どんな小さなことでも親身になって相談に乗ってくれること。また翻訳実務検定「TQE」を実施しており、TQEに合格すると翻訳者としてサン・フレアに登録することができるため、スクールで学ぶことが仕事に直結するのも利点です。実際、「はじめての翻訳技法」から勉強を始めて上級クラスに進み、その後翻訳者として活躍されている方もたくさんいます。
Q 産業翻訳者をめざす方々にアドバイスやメッセージをお願いします。
英語力は勉強して鍛えれば必ず伸びますが、翻訳者としてやっていくには日本語力をつけておくことも重要です。ご自分がめざす分野での質の良い日本語をたくさん読んでおいてください。また、これまでにも、最初は苦労していた生徒さんがある時ぐんと伸びるのを何度も見てきました。夢は見ないとかないませんから、少しでも産業翻訳に興味があればぜひ挑戦してみてください。
講師インタビュー

初級講座「はじめての特許翻訳」、中級講座「特許明細書B(医薬・化学・バイオ)」、上級講座「特許明細書B(医薬・化学・バイオ)」
大塚 英先生
(おおつか・ひでし)
東京大学理学部生物学科卒業後、京都大学理学部修士課程修了。フローニンゲン国立大学(オランダ)、オックスフォード大学(英国)、ダンディー大学(英国)で細胞生物学・分子生物学の研究に従事。帰国後、フリーランスの特許翻訳者(バイオ・医薬分野)として活躍中。
特許明細書の翻訳に必要な知識や技術を系統的かつ効率的に体得
Q 大塚先生の講座では、どんなスキルを身につけられますか?
特許翻訳には、語学、法律、技術という3つの要素が必要です。この3つの要素の専門知識やスキルを身につけるための講座を行っています。
初級講座の「はじめての特許翻訳」では、特許明細書で用いられる典型的な英語表現を典型的な日本語表現に翻訳すること、用語の意味を辞書や辞典、インターネット検索で調べるスキルが身につきます。また、テキストで課題となっている原文に関連する図面や明細書内のほかの箇所、技術常識などを総合的に考えて原文の内容を把握することができるようになります。
中級者・上級者向けの「特許明細書B(医薬・化学・バイオ)」では、専門的な技術内容について、専門分野の教科書などであらかじめ学習しておくべきこと、1 本の明細書の翻訳を始める前と翻訳していく中で調査する内容や方法の違いなど、明細書の翻訳に必要な専門知識を系統的かつ効率的に取得。原文表現の文脈や細部に注意を払って翻訳できるようになることをめざします。
Q 授業で重視していること、受講生に望むことは何ですか?
翻訳学習では、受講生一人ひとりが自分の目的を意識して必要なことを追求する主体性が重要です。そのため、受講生が積極的に質問したり、講座への要望などを自由に発言できたりする雰囲気になるよう心がけています。また、オンライン授業では講座の前後や休憩時間中に雑談する機会があまりありません。そこで、ひとつの課題や例文について解説がひと区切りした段階で、受講生に質問をうながしています。
受講生の皆さんには、専門的な内容に普段から興味を持っていただきたいと思います。感染症やワクチン、免疫、がん、遺伝子技術などに関するニュースに興味を持った時は、授業で取り上げられていなくても自分で調べてみるとよいでしょう。さまざまな知識を持ち、専門的な文書や事柄を総合的に理解する力が翻訳者には必要です。
Q サン・フレア アカデミーの良い点を教えてください。
まずは、少人数制であることです。受講生一人ひとりに即した内容で、かつ積極的に発言できる授業を行うには、少人数制であることが重要です。また、実際に翻訳業界で活躍できる翻訳者の養成を目的としており、そのために必要なことに重点をおいて授業が行われていることも特徴です。
そして、合格した人は翻訳者としてサン・フレアに登録することができる翻訳実務検定「TQE」を実施するなど、受講生がプロの翻訳者になるための支援も行っています。