JACI同時通訳グランプリ 受賞者インタビュー
現在、第4回の参加者を募集している「JACI同時通訳グランプリ」の過去の受賞者インタビューを特別掲載! 予選・本選への準備や、受賞により変わったことなど、気になる点を伺いました。参加予定の方、参加しようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください!
【Profile】
かんだ・まさはる/京都外国語大学と関西の通訳学校で通訳を学び、卒業後は英語講師として働きつつフリーランス通訳として活動。その後上京し、現在は株式会社QVCジャパンにて社内通訳を担当。
Q. 通訳者を志したのはいつから?
10代になる直前から英国に留学していたのですが、そこであまりにも遊びほうけて過ごしていたため、帰国した際には本当に典型的な「稚拙な英語を喋ることができるだけの中途半端なバイリンガル」でした。なので、喋るだけでもつける職業として通訳を目標としていました。そんなばかばかしいきっかけだったのですが、大学や通訳スクールでガツンと激をいただき、以降心を入れ替え通訳の勉強に励んでいます。
Q. JACI同時通訳グランプリに参加したきっかけは?
私は第1回から第3回まで、連続して参加したのですが、最初はスクールや勉強会など、限られた現場でしかなかった経験が、大きい場でどの様に評価されるのかを知りたいというのが動機でした。その結果多くの学びとコネクションを得られたため、第2回、第3回と応募条件ギリギリまで参加させていただきました。
Q. 予選&本選はそれぞれどのようなテーマで、どう準備した?
■予選テーマ
日→英:「中国人移民」
英→日:「中国と台湾の関係」
大学での専攻が中国語と文学だったため、実家に帰って学生時代のメモや資料から要点や使えそうな単語をグロッサリー化して臨みました。予選ではスピーカーの情報は未公開でしたので、範囲が特定できず苦労しました。また、しっかりと規定に沿った形で、時間内に通訳音声を提出しなければ大会の土俵にも上がることができないので、その予行練習も直前には行っていました(1時間の中で、10分の映像2本を聞き→準備し→通訳し→音声ファイルを自分に送る)。
■本選テーマ
日→英:「インバウンド対応のプロとして~コロナから見える通訳案内士の可能性」
英→日:「No Rain No Rainbow State of Mind」
本選はスピーカーとスピーチのタイトルが事前に伝えられていたので、プロフィールや過去の記事、関連組織や地名も調べ、クイックレスポンスで覚えるようにしていました。ただ、英日のスピーチについて詳細に調べ上げられず本番も不安でしたが、当日に当てが外れても動揺しないという気持ちで普段のトレーニングも行っていました。
Q. グランプリ本選にはどのように臨んだ? 印象に残ったことは?
第3回はコロナ禍でリモートでの開催となったため、何より音声やパートナーとの交代、本番当日のロジスティクスに不安な部分が多くありました。ただJACI運営事務局の方から丁寧なリハーサルをしていただいたことや、パートナーの方から快く事前練習の時間をいただけたこともあり、当日そういった機器関連での失敗はありませんでした。
しかし本番の際、前半の日英の訳出中に、自分の3メートルほど後方にあるコーヒーマシンがけたたましい騒音を上げて自動清掃を始めるというトラブルがありました。とっさにミュートしたものの、もちろんスピーカーは待ってくれるはずもなく、なんとか音が止むタイミングに合わせてコンパクトに訳出することで対応しました。この前半での大失態から、これ以上のミスはあり得ないと割り切って、英日では逆にのびのびと訳出できました。
Q. グランプリを受賞した感想は? また受賞後に仕事面などで変化はあった?
第1回から3回連続での参加のため、勝手に自分にプレッシャーをかけていたこともあり、グランプリ受賞がわかった瞬間は膝から崩れ落ちそうになってしまいました。オンライン開催のため家で一人だったので、最初は現実味がなかったのですが、受賞後にすぐ多くの方からSNSで祝福のメッセージが飛んできました。
受賞後、自分自身が何か大きく変わったと言う実感はありませんが、国内では唯一の同時通訳の大会ということで、多くの方から認知していただけるようになりました。社内でも特集の記事を書いていただき、CEOをはじめ海外の同僚からも激励をいただき、それもとても嬉しかったです。
一つ残念なことをあげるとすれば、受賞の時にちょうど頭を綺麗に丸めており、せっかく少しでも名前を残せる様なタイミングで、外見が普段と大きく変わっていたことですね。これからも同姓同名のなりすましかと疑われないよう、日々研鑽を続けていきたいと思います。
*参加を考えている人へのメッセージ*
大きな場で自分のパフォーマンスを評価していただける、自分と同じルールで世界津々浦々からの参加者としのぎを削ることができる、勉強会や集まりを通して多くの方と出会うことができる、などなど、出場して全力を尽くしてきたことから得られた物は数えきれません。
一方、失ったものはいくら考えても思いつきません。リモート開催によって関東以外や海外からの参加のハードルが下がっているので No Pain, Only Gainの精神でチャレンジするのを強くおすすめします!
☆第4回JACI同時通訳グランプリ 参加者募集中!☆
申込期間:2022年1月22日(土)~2022年5月8日(日)
※申込数が100名に達した時点で締め切り
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