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どうすれば、ミドル・シニアからプロとしてデビューすることができるのか?
50代で産業翻訳者としてデビューした井上望さんにお話を聞いた。
★「通訳ガイド」の記事はこちら!
ミドル・シニアから翻訳者になるには?
【翻訳者インタビュー】
50歳で第二のステージへ
思い描いたライフプランは
翻訳経験ゼロスタートから
朝5時半起床。軽くストレッチしてから朝食をとり、食後は1時間ほど散歩に出かける。戻ってシャワーを浴び、8〜9時に仕事を開始。仕事量によっても異なるが、夕方4時か5時には仕事を終えるのが日課だ。
IT関係のマーケティング資料の英日翻訳を中心に、フリーランスの産業翻訳者として活躍している井上望さんは、54歳でセカンドキャリアをスタートし、2023年で8年目を迎えた。現在は週に平均9000ワード(原文)の仕事をこなし、かつて通っていた翻訳スクール、フェロー・アカデミー通信講座の添削講師も担当している。
★Career Step★
石油開発の仕事から産業翻訳者へ
52歳
翻訳者をめざすことに決め、海外赴任中に翻訳の基礎を学ぶ通信講座を受講。
↓
53歳
帰国後に産業翻訳を学ぶ通信講座を受講。エネルギー関係の会社を退職。
↓
54歳
翻訳スクールの通学講座を受講。ゼミの受講中にトライアル合格。産業翻訳者として仕事を開始、学習も継続。
↓
63歳(現在)
翻訳の仕事以外に、通信講座の添削講師も担当。
海外赴任中に準備を始め
講座受講中にチャンス到来
石油開発の会社で技術職として働いていた井上さんが退職を意識したのは、52歳になった頃。気づいたら、予定していた年齢を過ぎていた。
「もともと50歳になったら会社を辞めようと思っていました。とてもいい会社で好きな仕事でしたが、ずっと同じことをやっているより、何か違うことをやってみたかったんですね。そこで、当時は赴任でジャカルタにいたので、Amazonで翻訳関連の雑誌をいろいろ取り寄せて、どうやったら翻訳を仕事にできるのかを勉強しました」
海外赴任の経験が長く、技術系の英文にも慣れていた。文章を読んだり書いたりするのも好きだったことから、翻訳の仕事に目を向けたのは自然の成り行きだろう。
それからの行動は早かった。まず、ジャカルタにいる間に通信講座で翻訳の基礎を学び、ちょうどそれが終了するタイミングで帰国した後、ほぼ間をおかずにフェロー・アカデミーの通信講座「実務翻訳<ベータ>」を受講する。53歳で会社を退職した後は翻訳学習に本腰を入れるために、東京に引っ越しまでして、フェロー・アカデミーの通学コース、「ITテクニカル」と、「ITテクニカルゼミ」を続けて受講。ゼミ講座ではトライアルのチャンスにも恵まれた。
「通信講座の添削でほめていただいても、『本当のところはどうなのだろう』と思っていたんです。それに、翻訳の先生や、翻訳を勉強している人たちのことも知りたかったので、地方から上京して通学講座を受講しました。通学の授業では、疑問があればすぐに聞けるし、なにより他の人の訳文をいろいろ見ることができたのは本当に勉強になりました」
ゼミ講座受講中には、担当講師である翻訳者の高橋聡氏からトライアルを受ける機会も与えられ、合格を機に受講中から仕事を開始。同時に他社のトライアルにもチャレンジしたが、これがなかなか受からない。ようやくトライアルに通るようになってきたのは、半年ほど経った頃だった。同時にこの頃、「ほんやく検定」(日本翻訳連盟主催)も受験している。
「ほんやく検定は、合格はするのですが、いつも3級どまり。仕事が忙しくなってきたのもあってしばらくお休みしていましたが、また体勢を整えてチャレンジする予定です」
※『通訳翻訳ジャーナル』WINTER 2024より転載。 取材/町田 薫
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翻訳会社へアプローチ
1960年生まれ。大学卒業後、エネルギー関係の企業に勤務。海外赴任を長年経験。海外赴任中にフェロー・アカデミーの通信講座「翻訳基礎<ステップ18>」、帰国後に通信講座「実務翻訳<ベータ>」を受講。退職後は通学講座「ITテクニカル」「ITテクニカルゼミ」を受講。受講中、トライアル合格を機に産業翻訳者として活動を開始。現在はフェロー・アカデミーの通信講座の添削講師も担当している。
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