2024.08.21 UP
日本映像翻訳アカデミー 講師×修了生の対談
知識や経験が必ず生かされる映像翻訳 動画配信サービスの隆盛で新人にもチャンスあり
手厚いサポートで修了生の約6割がプロデビュー 独自のジョブマッチング・システムで「好き」が仕事になる
1966年設立の日本映像翻訳アカデミー(JVTA)。「総合コース・Ⅰ」「総合コース・Ⅱ」「実践コース」からなる英日映像翻訳科では、字幕と吹替(リップシンク・ボイスオーバー)の3つの手法を学べる。「実践コース」修了後、JVTAが実施するトライアルに合格すると、併設の受発注部門から必ず仕事が発注されるのもうれしい。これまで修了生の約6割が映像翻訳やその他の分野でプロとして活躍している。
またトライアル合格者は、得意分野や希望する分野についてJVTA独自の翻訳者管理システムの「JVTA My Page」に入力。それをもとに翻訳の案件がマッチングされるため、興味のある分野の映像翻訳に携われる。
映像翻訳者に必要な「6つの資質」を講師が伝授
JVTAでは、プロの映像翻訳者に必要なスキルを「6つの資質」、すなわち「ソース言語解釈力」「翻訳力」「ターゲット言語応用表現力」「コンテンツ解釈力」「取材・調査力」「ビジネス対応力」と定め、バランス良く伸ばせるカリキュラムを組んでいる。どのコースも、講師は現役として活躍するプロの映像翻訳者ばかり。翻訳スキルはもちろん作品解釈、日本語表現力、フリーランスとしての働き方などに関する授業もある。昨年から、実務における需要増加を踏まえ吹替翻訳のコマ数を増やし、AI翻訳に関する知識習得と理解の向上をテーマにした講座も加わった。全授業をリモート形式で開講しているため、地方在住者や国外居住者も安心して授業を受けられる。
英日映像翻訳科 「総合コース・Ⅰ」の講師。会社勤めをしながら映像翻訳者としてキャリアをスタートしたのち、JVTAの映像翻訳ディレクターとして、テレビ放送・動画配信サイト用の映画、ドラマ、リアリティ番組、ドキュメンタリー番組など幅広いジャンルのディレクションを手がける。英日映像翻訳の授業や各イベントでも講師を務めている。
2020年10月よりJVTAで映像翻訳を学ぶ。英日映像翻訳科「総合コース・Ⅰ」「総合コース・Ⅱ」「実践コース」を経て、 2022年3月に修了しプロデビュー。レコード店を経営しながら、DJやライターとしても活動。音楽に対する深い知識を生かして、音楽番組の字幕翻訳などを多数手がけている。
知識や経験が必ず生かされる映像翻訳 動画配信サービスの隆盛で新人にもチャンスあり
目標だった音楽関係の映像翻訳を開始
前田さんはレコード店を経営し、DJやライターとしてもご活躍されています。お忙しい中、JVTAで英日映像翻訳を学ぼうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
前田理子さん(以下、前田):コロナ禍がきっかけです。緊急事態宣言が発令されるとレコードショップにお客様が来なくなり、音楽ライブもほとんどなくなってしまいました。この時間を利用して、もともと興味のあった映像翻訳の勉強をしようと決意したんです。JVTAを選んだのは、全授業でオンライン対応していること、字幕や吹替など手法をしぼらず幅広く学べること、トライアルが年に6回あり、合格後にOJTを経てデビューすると必ず仕事が発注されることが決め手になりました。卒業後の道筋がはっきり示されているので、将来像を想像しやすかったです。また「レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜」を長くサポートしていることも魅力でした。
藤田:確かにJVTAでは手法を特化せず字幕も吹替も学べますし、授業で扱うジャンルも映画だけでなく、ドキュメンタリーや情報番組、リアリティ番組などさまざまです。トライアル合格後にプロデビューしたら、どんな仕事が舞い込むかわかりません。あらゆる分野に対応できるようなカリキュラムを組んでいます。
前田:さまざまなジャンルや手法について勉強するのはすごく難しかったですが、同時に刺激的で楽しかったです。特に、映像作品を読み解くスキルを学ぶ作品解釈の授業は非常にためになりました。脚本理論などにあてはめて作品を読み解いていくのですが、映像翻訳をする上で、作品の構成や監督の意図をきちんと把握することが大切だということがよくわかりました。
藤田:前田さんは2022年にトライアルに合格し、最近ではご自身が希望されていた音楽関係の映像翻訳も始められていますね。
前田:はい。ここ数ヵ月で、音楽専門チャンネルのドキュメンタリーを数本翻訳しました。トライアルに合格後、音楽関係のドキュメンタリーや、「レインボー・リール東京」に出品される作品に携わってみたいと希望を出したんです。どちらも実際にお仕事をいただけて、自分でも驚いています。
藤田:皆さんからいただく得意分野や希望するジャンルの情報は、「JVTA My Page」でしっかり確認しています。音楽ドキュメンタリーは独特な難しさがあり、知識も必要なので向き不向きがあります。音楽への造詣が深い前田さんなら任せられると思い発注しました。
前田:わかっているがゆえの難しさもあります。音楽ドキュメンタリーは、取り扱われているミュージシャンのファンが見ることが多いと思うので、ファンが違和感を覚えるような言葉遣いは避けなくてはなりません。映像内で取り上げられている作品はもちろん、そのアーティストのほかの音源を聞いたり、インタビュー記事やSNS、ファンサイトを読んでおいたりするなど下調べを入念にするよう心がけています。
藤田:音楽ドキュメンタリーは独特なノリがありますからね。ミュージシャンのインタビューは、どの作品やエピソードについて話しているか具体的にわかっていないと、意味の通らない日本語訳になってしまいがちです。また、アーティストによって、丁寧な口調なのかカジュアルな口調なのか、また一人称の選び方も変わってきますね。
前田:JVTAで「なぜその訳語を選んだのか、一つひとつ説明できるようにしなければならない」と教わったおかげで、訳語についてとことん考えるようになりました。作品や言葉に誠実に向き合う姿勢と根気が身についたと思います。
藤田:前田さんの今後の目標は何ですか?
前田:まずは一つひとつの作品に丁寧に取り組み、信頼される映像翻訳者になりたいと思います。また、映像翻訳に興味を持ったきっかけは、自分の好きな音楽がメインストリームではなく、国外でドキュメンタリーが作られても日本に入ってこないことがあり、そんな作品に字幕をつけてみたいと思ったことでした。そうした作品にできれば企画段階から携わり、自分で字幕もつけて、全国で上映できればいいなと思っています。
藤田:あきらめず努力を続けていれば、きっとチャンスが巡ってくるでしょう。映像翻訳は、どんな方でも、これまでの人生で培った知識や経験を生かすことのできる仕事だと思います。私たちも「JVTA My Page」をもとに、それぞれの得意分野や経験にぴったりあった作品を発注するようにしています。
前田:本当にそう思います。レコード店を経営しながらですので、締切前などはものすごく忙しいのですが、とても充実しています。JVTAはトライアル後に評価シートが返って来ますし、一定レベルの評価を超えると、講師から直接フィードバックをもらえるなどサポートも手厚いので、私からもおすすめしたいです。
藤田:今ではすっかり定着した動画配信サービスですが、いまだに動きは活発で勢いがあります。また、ビデオカンファレンスや企業ビデオなどエンターテインメント作品以外の映像翻訳も増えています。新人にとってまだまだチャンスはあると思いますので、興味があれば気軽にこの世界に飛び込んでいただきたいですね。
ここもチェック
Web講座からリモートへの変更はもちろん他校からの転入もOK 充実した編入制度
JVTAは、自宅からリアルタイムで授業を受けられるリモート受講、通信制のWeb講座、ロサンゼルス校など多様な学び方を用意している。リモートからWeb、ロサンゼルス校からリモートなど講座間で移動できるほか、他校から転入することも可能。他校から転入を希望する場合はまず「リモート個別相談会」に参加し、一人ひとり学習経験等をヒアリングしてから最適なクラスに案内してくれる。
このほか受講生の利便性を考慮したシステムとして「振替制度」がある。この制度は、授業を欠席する場合、事前に届けておけば他の曜日の同じ内容の授業を受講できるというもの。他の曜日への振替が難しい場合は、録画で授業を受けることも可能(ともに2回まで無料)。
コース紹介
通学・オンライン講座
リモート通学コース
英日映像翻訳科 総合コース・Ⅰ・Ⅱ/実践コース
日英映像翻訳科 総合コース/実践コース
ロサンゼルス校M-1留学コース
通信講座
映像翻訳Web講座(英日映像翻訳のみ)
ベーシックコース/プラクティスコース/アドバンスコース/プロフェッショナルコース
問い合わせ先
日本映像翻訳アカデミー
TEL:03-3517-5002
電話受付【平日】10:00〜20:00 【土・日曜日】10:00〜17:00
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