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インボイス制度がスタートし、フリーランスで働く人が多い翻訳者や通訳者にとっては、インボイス発行事業者への登録をどうするべきかは大きな課題となっています。同業者の人、同じような立場の人が、実際に登録をしているのかどうかはとても気になるところですね。
そこで編集部が2023年8月に産業翻訳者の方向けに行ったアンケート調査の中で、「インボイス」についても聞いてみました。
＊インボイス制度についての解説はこちら↓
4.インボイス制度開始に向けてーフリーランスの目線でー
※下記の記事内のデータはあくまでアンケートにご協力いただいた、一部の方の例ですので、数字などは参考までにご覧ください。
インボイス登録率はどれくらい？ 産業翻訳者アンケート
アンケートに回答してくれた76人の産業翻訳者のうち、
インボイス発行事業者に
登録している人→18人
登録していない人→50人
該当しない人→8人（海外在住など）という結果になりました。
産業翻訳者76人のインボイス登録率は24％で、66％が未登録ということになります。
なお、該当しない（海外在住などで）8人をのぞいた68人中だとインボイス登録率は26％ということになります。
またすでにインボイス発行事業者に登録している18人のうち、3人はもともと消費税の課税事業者（売上1000万円を超える事業者）でした。
そのため、免税事業者で今回インボイスに登録をした人は15人となります。
つまり、昨年まで免税事業者だった人（65人）のインボイス登録率は23％ということになります。
取引先からは今後の料金の言及なども⁉
産業翻訳者の方に「インボイス制度について取引先（翻訳会社やソースクライアント）から何か連絡など来ているか」について尋ねたところ、下記のような回答がありました。（すべて産業翻訳者の方へのアンケート回答より）
〇インボイス発行事業者への登録状況の確認あり
・アンケート形式の質問が来て、登録するつもりはないと答えた。別途連絡が来るらしい
・登録するかどうか報告するようにとの連絡がきた
・登録状況と登録意向については、2022年中に各社から問い合わせがあった
・課税事業者かどうかを聞かれている。登録する予定はないと回答している
・登録したかどうかは全社から聞かれている。強制はされていないし、登録の有無で依頼に差はないとは言われる
翻訳会社などの取引先からは、インボイスへの登録状況だけを聞かれている人が多いようでした。
その一方で、翻訳料金や発注量にまで話が及んだという人もいました。↓↓
〇消費税や料金について言及あり
・インボイス制度に未登録の場合は値下げをお願いしたいとのメールが来た
・一部の取引先から「インボイス制度が開始したら免税業者には消費税を払いません」と連絡が来た
・一部の翻訳エージェントから登録状況について問い合わせがあり、中には「今後の発注において登録状況を勘案します」と書かれている
・1社から「登録しないなら単価を下げるよう、そちらから依頼を上げてほしい」と言わた
また、インボイス発行事業者への登録を義務のようにすることはNGとされていますが、やんわりと「可能であれば登録を」と言われるケースもあるようです。↓↓
〇インボイス発行事業者への登録を促す連絡あり
・登録についてはないが、インボイスを発行するようには連絡があった
・登録のお願いが来た
・できるだけ登録してほしい、登録できない場合は値下げのご相談を（あくまでも相談）と連絡がきた
・登録を促されているが、登録しない場合どうなるのかについて質問しても明確な回答がない
その他、インボイスに関連してアドバイスをしてくれる会社や、特に何も触れてこない会社もあるようです。↓
〇アドバイスあり
・取引先からは移行措置の段階があるので、急いでインボイスに登録する必要はなく、登録していないことで仕事を減らすということはしないとの連絡を受けている
〇問い合わせたが動きなし
・クライアントには意向を尋ねたが特に返信がない
一方、産業翻訳者のほうから、インボイス発行事業者に登録した旨を早々に取引先に連絡したり、値上げをお願いしたり、何かしらのアクションを起こしたという人もいるようです。↓
〇自分から連絡をした
・インボイス発行事業者に登録した。そのうえで自ら単価の値上げをお願いした
・今後、課税業者となるほどの収入（1000万円超）を得る可能性はゼロだが、発注減を防ぐため、またこれも営業の一環になるかもしれないと考え、早い段階でインボイス登録を済ませて各社に連絡をした
Next→翻訳者がインボイスについて思うことは？
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