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全国通訳案内士試験を受験しよう
翻訳者や通訳者には、スキルを証明するような公的な資格はないが、通訳ガイド(通訳案内士)には国家試験である「全国通訳案内士試験」が存在することが特徴のひとつ。試験に合格していない人でも通訳ガイドの仕事はできるが、「全国通訳案内士」と名乗るには試験の合格が必要になる。
年に1回実施される「全国通訳案内士試験」は、語学系唯一の国家試験・国家資格であり、通訳ガイドをめざす人はもちろん、語学力を証明するライセンスとして、またキャリアアップのためにチャレンジする人も多い。
「全国通訳案内士試験」に合格した皆さんの合格までのヒストリーを紹介。試験にチャレンジしたいと思う人はぜひ参考にしよう。
全国通訳案内士試験の詳細はこちら。
2019年度 試験合格 林 真美さんの場合
英語は過去問題のみで一発合格
地理と一般常識と2次はスクールを活用
Q.受験の動機は?
父親が通訳案内士の資格を持っていましたが当時は合格率が3%程度でしたので、通訳案内士試験=とんでもなく英語力のある人が受験するモノ、とのイメージで、受験を考えたことはなく、英語は趣味で勉強してました。ところが2018年から旅行会社で働き始めた際、通訳案内士試験にチャレンジする同僚や、すでに資格を持つ人が多くいて、自分もチャレンジしてみようと思いました。
Q.試験対策はいつごろから どのように?
2019年に合格をめざし、2018年の試験はお試しで受験しました。ところが英語と通訳案内の実務にたまたま合格したので、19年はそれ以外の科目の合格をめざすことになりました。19年年始のセンター試験で日本歴史の免除資格を得たので、19年の一次試験で残すは日本地理と一般常識になりました。
2019年5月から、通訳案内士試験対策スクール「ESDIC英語能力開発アカデミー」のメール講座を受講しました。それまではネットの無料教材で勉強していましたが、自分にはペースメーカーがあったほうがいいと思い、受講を決めました。
Q.一次の英語試験の対策は?
過去問を数年分解いたくらいで、特に何もしていません。絶対に落ちたと思っていたので、合格していて逆にびっくりしました。参考までに、試験受験時のTOEICのスコアは平均して890点くらいでした。
Q.一次の社会科試験の対策は?
日本歴史はセンター試験で受験しました。現代社会とともに11月から本格的に勉強をはじめました。『日本史Bの点数が面白いほど取れる本』(KADOKAWA)をまるごと1冊、自分の声で吹き込み、それを聞いて講義を受けるようなつもりで知識を入れ、過去問を20年分ほど解いて繰り返しました。
一般常識には苦戦しました。どこから何が出題されるかわからない。2019年度のセンター試験・現代社会は過去問中心で臨むも不合格。19年の本試験ではESDICのメール講座の内容だけ勉強して、なんとか合格ラインに載りました。メール講座がなければ合格は絶対になかったと思います。
日本地理はメール講座中心に勉強を進めました。「このメール講座だけやりきれば絶対に大丈夫」というESDIC代表の言葉を読み、メール講座の教材に専念。出てきた地名や事柄を『旅に出たくなる地図 日本』(帝国書院)に書き込み、何回も見返しました。
メール講座に必死に追いつこうとしたことがよいペースメーカーになりました。網羅性があってコストパフォーマンスの良い講座だと思いました。
Q.二次の口述試験の対策は?
2次試験対策は、ESDICの講座のみ。毎週9個のスピーチのトピックを受講生がそれぞれ発表しながら、周辺知識を埋めていきます。自分と違った見方のスピーチを聞き、知識を深められたのはとても良い経験でした。毎回英語で文章を作っていくのが大変でしたが、とてもやりがいがありました。また逐語訳での独特の言い回しや質問が来たときの切り返し方など、独学では学べないことが身につきました。本番では直前の模擬面接で出題されたお題が出ました。
Q.ずばり合格の秘訣は?
お試しで受けた18年度の通訳案内士の英語試験に合格したので、絶対に19年度に合格しなくてはと、試験合格に必要なことだけに専念しました。一方で野球観戦や旅行など、好きなことは我慢せずに勉強したのが良かったと思います。
二次試験では「自分が楽しくなければ相手が楽しくない」と思い、とにかく明るい雰囲気を作り出し、それを楽しむ、と決めました。終始笑顔で相手の反応を見ながらスピーチも逐語訳もできたことが勝因だと思います。
Q.現在の仕事は? 今後は?
合格前から有償でガイドの仕事を不定期で、また旅行会社でインバウンド関係の仕事をしていましたが、2023年3月から有資格者としてガイドをするようになりました。ありがたいことにFITをメインに現在5社以上とご縁があり、繁忙期が過ぎても忙しい毎日を過ごしています。お客様の笑顔を見るのがやりがいです。現在は都内観光メインですが、箱根や日光など近郊ツアーにも今後はチャレンジしたいですし、野球が好きなので野球観戦ツアーもやりたいです。
これから全国通訳案内士試験を受験する方ヘー
「あなたがお客様だとして、あなたをガイドとして雇いたいか」ということを常に心に問いかけながら勉強するといいと思います。二次試験は覚えたことをただ吐き出す試験というよりは、お客様とガイドとのやり取りを重視する試験だと思います。難しい表現を使ってポイントを稼ごうとするよりは、むしろお客様がこう言われたらわかりやすいという表現を使えると評価が高いように感じました。
マラソンのように長丁場な試験ですので、適度に息を抜きながら勉強を楽しんでください。
全国通訳案内士試験を受験した渡邉さんの体験記
→「50代から語学の勉強を始めた」
大学卒業後、金融機関勤務などを経て、現在は講師業の傍ら、旅行会社にてインバウンド業務に従事。2019年度の全国通訳案内士試験に合格し、現在はFITや企画型ツアーを中心に都内で観光ガイドをしている。
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