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2023.05.12 UP

受験のチャンスは年2回
JTF<ほんやく検定>で翻訳者への道を切り開こう

受験のチャンスは年2回<br />JTF<ほんやく検定>で翻訳者への道を切り開こう

翻訳業界内で知名度の高い「JTF<ほんやく検定>1級合格は難関だが、合格のメリットは大きい。
検定を受けることが、どのようにスキルアップ、キャリアアップにつながるのだろうか。

オンライン受験で
誰でもチャレンジできる

一般社団法人日本翻訳連盟(JTF)主催の「JTF<ほんやく検定>」は20年以上の実績があり、翻訳業界内外で広く認知されている検定試験である。翻訳学習者や初心者向けの基礎レベル4級・5級と、実務経験者向けの実用レベルに分かれており、例年、実用レベルの英日翻訳の受験者が最も多く、22年度は390名(表参照)。実用レベルを受験すると、翻訳の完成度に応じて1~3級または不合格が判定されるが、1級の合格者は非常に少ない難関である。

ほんやく検定は申込みから受験まですべてオンラインで行われ、どこからでも受験ができることもあり、さまざまなバックグラウンドを持つ人がチャレンジしている。実用レベルは翻訳専業の人が自身の翻訳力の客観的な評価を得たり、スキルのメンテナンスをしたりするために受験するケースが多い。

最近は、定年後の仕事として翻訳に関心を持つ60代前後の受験者も増えている。また、基礎レベルの4級と5級の受験は語学系の専門学校生の団体受験もあり、実践的な翻訳スキルを測るための試験として活用されている。

検定受験がスキルアップ&
キャリアアップにつながる

ほんやく検定の魅力の一つが、業界団体主催であるため、仕事獲得のチャンスが得られるという点。実用レベルで1級・2級に合格した場合、JTFの合格者リストとJSA翻訳者登録制度(*1)に登録できる。合格者リストを閲覧できるJTF法人会員の翻訳会社(約220社)から、仕事の引き合いやトライアルの案内がくることがある。また、会員の翻訳会社の中には、1級・2級合格者は即戦力であるとみなし、トライアルを免除したり、トライアル受験要件を緩和したりするところもある。

さらに1級合格者はJTF主催の業界最大イベント「JTF翻訳祭」(*2)の会場に無料招待され、交流パーティーで表彰されるなどの特典もある。業界関係者が多く集まるため、「翻訳祭がきっかけで翻訳会社から声がかかった」「仕事につながった」という合格者の声が寄せられている。

また、ほんやく検定の実用レベルは5分野あり、複数分野を受ける人もいる。すでに翻訳実績のある人ならば、自身の得意分野と異なる分野の試験にチャレンジすることで、翻訳者としてのスキルアップ、キャリアアップにもつながってくる。例えば「科学技術」を受験して、その分野の翻訳をしていた人が、その後「医学・薬学」にもトライして仕事の幅を広げたという例もある。

学習中の人や駆け出しの翻訳者は自分の実力や訳文のクオリティを判断する機会として、またすでに翻訳の仕事をしている人はキャリアアップのきっかけとして、ほんやく検定にトライしてみよう。

※ *1: 専門的力量を有する翻訳者を第三者機関(日本規格協会翻訳者評価登録センター)が評価登録する制度。
 *2: 2023年度の「JTF翻訳祭」はリアルとオンラインのハイブリッドで開催予定。交流パーティーも開催予定。

2022年JTF<ほんやく検定>受験者・合格者・合格率
出典: 一般社団法人 日本翻訳連盟 https://kentei.jtf.jp/data.php

\VOICE/ ほんやく検定1級に合格しました

初の受験で1級合格
仕事に直結して道が開けた

【合格】第75回(2021年)実用レベル/科目:英日翻訳/分野:政経・社会 1級

長年社内翻訳者として翻訳に取り組んできた一方で、自分の翻訳の質や水準について客観的な評価を得る機会がほとんどなかったため、ほんやく検定に興味を持ちました。また、フリーランスを含め今後活躍できる場を開拓して機会を広げていきたいと考え、検定受験を決意しました。

実力を測ることが目的だったため、合格に向けて特別準備をしたということはなかったのですが、当時職場でプレスリリースや報告書の翻訳をしていたので、そうした作業の地道な積み重ねが生かされたのではないかと感じます。また、学生時代から現在に至るまで、継続して英語や中国語に向き合ってきた一歩一歩が合格につながったと思っています。

試験内容については、普段自分が目にしている分野の内容であったため、抵抗なく取り組むことができました。疑問点を一つも残さず訳しきるという点では気が抜けませんでしたが、集中して取り組むことができた結果、初めての受験で1級を取得できたのは幸運だったと感じています。

1級に合格でき、自信につながっただけでなく、複数の翻訳会社に登録していただきました。合格者名簿を通じてお問い合わせをいただく機会も多くあります。現在も継続してご依頼をいただいており、ほんやく検定の合格は前に進む上で非常に大きなステップになりました。

これまで受けたさまざまな検定の中で、具体的に仕事に直結しているという点で、最も意義があった受験だと感じています。また、検定合格後、日本翻訳連盟に入会させていただいたことで、翻訳者の方々との横のつながりを築くことができたことも大変ありがたく思っています。

日々の翻訳作業の地道な積み重ねが生かされる試験であり、私もまだ道半ばではありますが、検定合格によって道が開けたと実感しています。受験を迷われている方は、ぜひチャレンジしていただきたいです。

林 茉以子
林 茉以子Maiko Hayashi

東京外国語大学英語学科および中国清華大学大学院ジャーナリズム・コミュニケーション学院卒業後、中国北京の国際放送局で記者、翻訳者として勤務。その後、国連団体の広報担当を経て、現在は外国メディアの国内取材コーディネートに携わりながら、ニュース記事や国際機関の報告書、ドキュメンタリー映画などを手がける英中日翻訳者として活動。

客観的に実力を知ることができる
合格後の受注量は増加

【合格】第68回(2018年)実用レベル/科目:英日翻訳/分野:情報処理 1級

高校の英語の授業で文法に興味を持ったことがきっかけで英語が好きになり、社会人として働いてからも、いずれは英語の専門職に就きたいと考えていました。座って書きものをするのが好きで、じっくりと考えるタイプなので翻訳者が向いていると思い、翻訳者をめざしました。

社内翻訳をしていた頃からほんやく検定の存在は知っており、1級または2級を取得すれば、翻訳会社へのアピールになると思い、受験を決めました。実力の客観的な評価が得られるというのもチャレンジをした理由の一つです。

受験対策として、試験の2週間ほど前から3~4回分過去問を解きました。同じ問題を何回か繰り返し、模範解答と自分の訳文を比べました。また、普段の実務をこなして知識を身につけることも、受験の対策になります。

試験内容は、実務で訳しているものとレベルはそう変わらないと思いました。トライアルとの相性があるのと同じで、試験との相性もあるので、1回受けて結果が出なくても、ショックを受けずに続けてトライすることが大事だと思います。私自身、1級合格までは、3~4回受験しました。

合格してからは、登録していた翻訳会社から以前より頻繁にお仕事の依頼が来るようになり、受注量が増えました。また、新規の会社からも複数お声がけいただき、その後登録に至った会社もあります。翻訳会社からの注目度が増し、トライアルのチャンスもいただきやすくなったと思います。

実は翻訳をしながらも「翻訳者には向いていないのではないか」と悩むこともあったのですが、検定合格が自信につながりました。合格できなくても、プロの答案と見比べ、客観的に自分の実力を判断する機会になり、自分の意外な弱点が見つかることもあります。また、実務やトライアルのシミュレーションにもなるので、ぜひ受験をおすすめしたいです。

佐藤 晴彦
佐藤 晴彦Haruhiko Sato

法政大学法学部法律学科卒業後、外資系IT企業などで営業職、翻訳者、ロー カリゼーションプロジェクトマネージャー、管理職として約20年間キャリアを積む。その後、2008年にフリーランスの翻訳者として独立。以来、コンピューターソフトウェアとハードウェアのマニュアルに加え、マーケティング関連や人材開発関連の文書の翻訳を手がけている。

JTF<ほんやく検定>

自身の翻訳力を客観的に測ることができる試験。初心者向けの基礎レベル4級・5級と、実務経験者向けの実用レベルに分かれる。実用レベルには英日翻訳と日英翻訳があり、「政経・社会」「科学技術」「金融・証券」「医学・薬学」「情報処理」の5分野から1分野を選択。翻訳の完成度に応じて1~3級または不合格を判定する。
試験日/毎年1月、7月の第4土曜日
受験料/基礎5級:5,500円、基礎4級:6,600円、5・4級併願:11,000円
実用レベル1科目:11,000円、実用レベル2科目:16,500円
試験会場/インターネット受験

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