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2024.01.29 UP

翻訳スクール体験レポート
フェロー・アカデミー カレッジコース翻訳演習「映画・ドラマ」

翻訳スクール体験レポート<br>フェロー・アカデミー カレッジコース翻訳演習「映画・ドラマ」

翻訳の3大分野を一年ですべて学べる講座と進路サポートに定評あり

こんな学校です!
1975年に創立したフェロー・アカデミーは、実務、出版、映像の3大分野の翻訳について体系的に学べる翻訳者養成スクールだ。それぞれの専門領域で活躍中の翻訳者たちが講師を務める授業で、優れた人材を育成。さまざまな翻訳関連企業とのネットワークを生かした、充実の進路サポート体制も見逃せない。カレッジコースの後期に行われる翻訳演習「映画・ドラマ」では、長編映画を教材に、吹替と字幕それぞれに必要な翻訳スキルを磨く。

訪問クラス カレッジコース翻訳演習「映画・ドラマ」

字幕制作のルールをきめ細かに指導

フェロー・アカデミーのカレッジコースでは、1年間で実務、出版、映像の3大分野を学び、あらゆるジャンルに対応できるスキルを身につけられる。前期の授業は、英日・日英翻訳の基本や3大分野特有の訳し方といった必修科目が中心。後期からは、より専門性の高い翻訳演習9科目の中から、各々の学びたいポイントに合わせて授業を選択できる。

翻訳演習の一つ「映画・ドラマ」は、全15回ある授業のうち前半8回が吹替演習、後半7回が字幕演習というカリキュラムだ。講師を務めるのは、本校の卒業生でもある映像翻訳家の葛馬麻衣子先生。教材となる長編映画は前半部分が吹替演習、後半が字幕演習に割り当てられており、授業では受講生が事前に提出した訳の講評が行なわれる。今回取材した授業は、第10回の字幕演習で、教材はサスペンス映画『ロープ』。葛馬先生は出欠確認の点呼を取ってから、教室のモニターに今回の課題となる場面を映す。字幕は受講生によるもので、誰の訳が発表されるかは当番制だ。課題の範囲を見終わると、葛馬先生の講評が始まった。

まず指摘したのは、字幕が出るタイミングのイン点と字幕が消えるタイミングのアウト点についてだ。先生はクライアントによって指示は違うので、その都度指示を守って対応することが必要であると説明。それをふまえて、タイミングが早すぎる・遅すぎることのないように今のうちから練習することも大事だと受講生に伝えた。今回の場面では、1秒に満たない台詞の掛け合いが続くため、イン点とアウト点だけでなく、ハコ(一度に表示される字幕)をどう切るかも重要になる。同じ話者の短い台詞ごとにハコを切り替えてしまうと、視聴者の目が追いつかなくなるからだ。そこで葛馬先生は「ハコを1枚につなげるのも手」とアドバイスした。

フェロー・アカデミーカレッジコース翻訳演習「映画・ドラマ」

厳しい文字数制限の中でいかに訳すかを熟考する

字幕のルールには、訳文の表記に関するものも多い。その一例として、数字の書き方がある。受講生の訳文に「一度目」「二度目」という表記が出てくると、葛馬先生は「漢数字を使うか算用数字を使うかで迷いましたか?」と問う。「たとえば『一度きり』『もう二度と』のように慣用句なら漢数字を使いますが、『1回目』『2回目』のように数えているときは算用数字を使います。」

字幕を読みやすくする意味で、授業中に度々指摘があったのが、原文を訳しすぎて文字数が増えてしまった点。葛馬先生によると「字幕では、原音で言っていることの3~4割しか出せない」というほど文字数制限が厳しい。そのため、受講生が訳した台詞「いまは食事中じゃない なぜウソを?」に対して、先生は「なぜウソをつき続けるんだ」と訳例を示した。なぜウソをつくのか、と問い詰めていることさえ伝われば充分だからだ。

葛馬先生は「ときには台本にある台詞を意図的にカットする判断も必要」と語る。授業で扱っている映画『ロープ』は、殺人を犯した青年2人を寄宿学校時代の恩師が追い詰めていく物語なので、会話の緊張感が大切。だからこそ緊迫した掛け合いのあいだに聞こえる、事件と無関係な台詞はあえて訳出しない。そういった判断力が翻訳者には求められる。

あえて台詞をカットしたときをはじめ、翻訳者の意図を伝える際によく使われるのが、申し送りと呼ばれるコメント欄だ。授業の後半に出てきた台詞「女性らしくない」は、申し送りを活用する好例だろう。葛馬先生は受講生の「愛嬌がない」という意訳を褒めた後、解説を加えた。「いまの時代、この台詞をそのまま出すのは問題かもしれないので、申し送りに『原音ではこう言っていますが、代案をこっちに書きました』のようなコメントを入れておくといいですね」

授業中、葛馬先生は区切りのいいところで受講生の質問を受け付け、一つひとつ丁寧に回答していた。いずれもプロの翻訳者ならではの言葉で、受講生たちの疑問はその場で解消されたようだ。

フェロー・アカデミー授業風景
現役プロの翻訳者が熱心に指導する。実践的なアドバイス多数。

講師からのメッセージ

葛馬麻衣子先生
葛馬麻衣子先生Kuzuma Maiko

カレッジコース 翻訳演習「映画・ドラマ」の講師。映画やドラマ、リアリティ番組などの英日翻訳を手がける映像翻訳家。主な吹替作品に『アレックス・ライダー』シリーズ、『ゴシップガ ール(2021)』シーズン2、『F4 Thailand』、『ダーマー』などがある。

セリフが持つ意味を自分で考えることが大事

映画やドラマの翻訳は、原音を単純に日本語にすればいいというものではなく、吹替と字幕にはそれぞれ訳すときのルールがあります。吹替の場合、役者の口の動きに合わせて、あたかも元から日本語だったかのような台詞を入れることが重要。字幕なら1秒あたり4文字以内に収めたいので、台詞を簡潔にまとめる取捨選択の能力が必要です。

そういった基礎を固めた上で、授業では訳例を押し付けるのではなく「こうしたらもっとよくなるよ」というふうに指導しています。翻訳には正解がないので、自分の訳を肉付けしたり、視点を変えたり、自分で推敲ができるように励ましている感じですね。

いまはAIの技術が進歩していますが、映像翻訳に関しては人間の発想力が欠かせないので、しばらくはAIに仕事を取られないでしょう。だからそこは心配しないで、ガンガン参入してきてほしいなと思います。

受講生に聞く!

カレッジコース 翻訳演習「映画・ドラマ」 受講生
奥富玲寿さん Okutomi Reijyu

1年で3大分野の翻訳が集中的に学べることと、模擬面接や個別ガイダンスなどの就職支援が充実していることから本校を選びました。「映画・ドラマ」の授業の中で特に印象的だったのは、プロの声優の方に生徒がつくった訳文を読んでもらう「アフレコ演習」。翻訳者が見落としている点を指摘してくださって勉強になりました。当面の目標は映像制作会社に就職すること、そして将来は映像翻訳家として、さまざまな作品に携わりたいです。

ここもチェック

すべての授業はオンラインでも出席できる
カレッジコースのような通学講座は、オンラインでも授業を受けられる。講師への質問も教室と同じように気軽にでき、企業説明会など授業以外のイベントにもすべてオンラインで出席できるので個々の環境にあわせて選択できるのが魅力だ。

万全の就職サポートで卒業後の進路をバックアップ
日本最大級の翻訳者ネットワーク「アメリア」を併設。翻訳会社や出版社、映像制作会社など、多くの企業から求人が寄せられる。さらに1対1で受講生の進路相談にのる個別ガイダンスで、就職活動をしっかりサポート。

フェロー・アカデミー校舎
校内では受講生同士が集まって閑談や自習できるスペースもある。

講座紹介

ライブ配信講座・通学講座
総合コース
・ カレッジコース(週5日・1年)
・ ベーシック3コース(週3日・3ヵ月)

専門コース
・ 翻訳入門
・ 実務翻訳コース[初級、中級、上級]
・ 出版翻訳コース[初級、中級、上級]
・ 映像翻訳コース[初級、中級、上級]

イベント
・ 体験レッスン
・ 学校説明会 ほか

通信講座
入門・初級

・ 翻訳入門<ステップ18>
・ 実務翻訳<ベータ>
・出版基礎(ライト版)【動画】
・ 映像基礎

中級
・ ベータ応用講座(契約書、経済・金融、IT・テクニカル)
・ メディカル【動画】

上級
・ マスターコース(メディカル、契約書・ビジネス法務、ヤングアダルト、コージーミステリー、字幕ほか) 

録画配信講座

お問い合わせ先
フェロー・アカデミー
〒102-0083
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受付時間:平日 9:30〜21:00 土曜 9:30〜18:00

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