
新刊翻訳書を、出版社の担当編集者の方が紹介! 書籍の読みどころを語っていただきます。
現代台湾文学を牽引する著者による最新作

『海風クラブ』
呉 明益 著
三浦裕子 訳 KADOKAWA
(2025年5月13日発売)
出版社HP
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【編集者が語る】
犬の後を追いかけてきたタロコ族の少年と、自分を売ろうとする父親から逃げてきた少女。山の深い洞穴で二人が出会うところから物語は始まります。二人を見つめるのは、悠久の時を生き、人々に忘れ去られた最後の巨人(山は実は巨人の体なのです)。時を経て再会する二人を軸に、歴史と未来、神話と現実、自然と動物と人間、様々な要素が入り混り、物語は予測不能な展開に――。
『歩道橋の魔術師』『自転車泥棒』『複眼人』で知られる台湾の作家、呉明益による待望の最新長編。台湾東部の村で実際に起こった出来事がモデルですが、そこに巨人という大いなる存在の神話と、彼の言葉を解する小さな生き物たちの声、そして多様な過去と歴史をもつ人間たちの群像ドラマを織り合わせるのは、まさに呉明益ならでは。
かのル=グィンが「こんな小説は読んだことがない、かつて一度も」と『複眼人』を評しましたが、本作はその延長上にありながらも、作家として深化した、唯一無二の世界観に浸れる一冊です。
訳は昨年、日本翻訳大賞を受賞した三浦裕子さん。ぜひご堪能ください。
(KADOKAWA 安田沙絵)
※ 通訳翻訳ジャーナル2025年SUMMERより転載
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