新刊翻訳書を、訳を手がけた翻訳者、もしくは担当編集者の方が紹介! 書籍の読みどころを語っていただきます。
愛犬と長く一緒に暮らすために
『THE FOREVER DOG 愛犬が元気に長生きするための最新科学』
ロドニー・ハビブ、カレン・ショー・ベッカー 著
松丸さとみ 訳/山下 翠 監修 ユーキャン
(2024年7月19日発売)
出版社HP
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【訳者が語る】
犬と暮らしたことのある人なら誰でも知っていることですが、犬ほど「人間ができている」生き物はいません。飼い主がどれだけ不甲斐なくても――ごはんを忘れようが、散歩を渋ろうが――、こちらが恐縮するほどに、犬は無条件で愛してくれます。
ある研究では人は犬と暮らすことで全原因死亡率が24%も低下し、人生の後半で犬を飼っている人は、そうでない人に比べて行動や気分が10歳若くなる可能性が示唆されているそうです。そう、犬はすでにあまりにも大きなものを人間に与えてくれているのです。
あとは飼い主である私たちが犬のために何ができるかだけが問題です。本書に「健康に関する判断をペットは自分で下せません」とあるように、食べ物から運動時間、散歩コース、寝床の環境にいたるまで犬はすべての選択権を我々にゆだねてくれています。本書は576頁におよぶいわゆる「鈍器本」ですが、犬の信頼に応えるために、私たちも勉強せねばなりません。
(ユーキャン 臼杵秀之)
※ 通訳翻訳ジャーナル2024年AUTUMNより転載