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2025.04.03 UP

マーケティング・ビジネス実務検定®に合格
翻訳者インタビュー

マーケティング・ビジネス実務検定®に合格<br>翻訳者インタビュー
※『通訳翻訳ジャーナル』SUMMER 2024より転載。

語学や、通訳・翻訳に特化した資格以外にも、専門分野に関する資格を持っているフリーランス翻訳者は多い。資格を取得していることで、分野に関する深い知識を持っていることが示せるといったメリットもある。実際に試験に合格したフリーランス翻訳者の体験談を通して、専門分野の資格を持っていることのメリットや、資格を取得したい人へのアドバイスなどを紹介する。

翻訳者
翻訳者平川佳代子さん

ひらかわ・かよこ/大学卒業後、証券会社、航空会社、旅行会社を経て1年半ほど語学留学。その後、派遣社員として翻訳の仕事を始め、自動車メーカー数社等で社内翻訳者として日英・英日翻訳を担当。その後2021年5月よりフリーランス翻訳者に。自動車メーカーの案件を中心に各種プレゼン用資料、取扱説明書、研修パンフレット、Webサイト翻訳などの主に英日翻訳を行う。

〇合格した試験
マーケティング・ビジネス実務検定®B級
証券外務員 一種
貿易実務検定®B級
宅地建物取引士
総合旅程管理主任者
〇翻訳の専門分野
ビジネス全般、取扱説明書、マーケティング、研修、観光
〇翻訳歴 
インハウス7年、フリーランス3年
〇試験合格年
2013年

経験業界に関する複数の試験に合格
資格は業界知識の証明になる

現在フリーランス翻訳者として、企業のプレゼン資料や取扱説明書、研修資料、Webサイトなどの英日翻訳を中心に手がける平川佳代子さん。大学卒業後は証券会社に就職し、それから航空会社、旅行会社など複数の業界を経験したが、20代後半からキャリアチェンジを考えたことが翻訳の道に進むきっかけだった。自分の可能性を広げる目的で語学留学をした際に、英語を使って長く続けられる翻訳という仕事に興味を持った。

帰国後、翻訳者をめざして働きながら語学の勉強を続けつつ、さらに翻訳の仕事のプラスになると考えて取得したのが「マーケティング・ビジネス実務検定R」だった。マーケティング関連の翻訳案件が多いことを知ったため、その分野の背景知識を得る目的で受験し、2013年にB級に合格。検定試験の公式テキストと問題集を購入し、1日1時間の試験勉強を2カ月程度して受験にのぞんだ。

「現在もマーケティング関連の翻訳を受注する機会は多いのですが、原文を読み取る際、マーケティングについての基礎知識や戦略方法を知っていると、その英文が何を伝えたくてその表現や単語を使っているかがつかめるようになり、結果的に、訳文に深みや説得力を持たせることができると感じます。試験を通してそういった業界知識を得ることができました」

さらに英語を使う職種としての貿易事務にも関心を持ち、同年に「貿易実務検定®B級」も取得。翻訳職の派遣社員の求人に応募したところ、語学力と幅広い業界知識を身につけたことが評価され、晴れて採用となり、2014年から翻訳の仕事をスタートした。

資格があることで、その分野の仕事依頼が来やすくなる

その後は社内翻訳者(派遣社員)として、自動車、電子機器、官公庁、航空、旅行業界で約7年にわたり、各種プレゼン用資料や技術文書、製品カタログ、会社案内、パンフレットなどの日英・英日翻訳を担当し、2021年にフリーランスとして独立した。平川さんはすでに挙げた2つの他にも、「総合旅程管理主任者」「宅地建物取引士」「証券外務員 一種」の資格を保持しており、それらも結果的に現在の仕事のプラスになっているという。

「総合旅程管理主任者と一種外務員資格は、翻訳を始める前、それぞれ旅行会社と証券会社に勤めていたので取得が必須でした。宅地建物取引士は、会社員時代に法律の基礎知識をつけたいと思って自主的に取得したものです。資格は経験業界の知識の証明になるため、その分野の仕事が回ってきやすくなっていると思います」

資格を取得しようとしている人へADVICE📣

その分野の背景知識を広く浅くでも持っていると、翻訳をする上で強みになります。特に現在会社員で翻訳者をめざしている方は、業界知識があることの証明になるため、自分が勤めている分野の資格を取得しておいて損はないと思います。働きながらの試験勉強は、何カ月も時間をかけるのではなく、土日などに集中して短期間でやると効率的です。

マーケティング・ビジネス実務検定®とは

国際実務マーケティング協会®が実施する、仕事で役立つマーケティング実務知識や時事情報・実務事例の習得を目的とした資格検定試験。マーケティングの基本概念や市場分析、戦略、ブランディング、デジタルマーケティングについてなど、関連知識を幅広く問う。オペレーションレベルのC級・B級、マネジメントレベル、戦略レベルのA級と、実際の業務内容に応じて級が分かれている。

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