通訳・翻訳・語学関連の注目の新刊書籍を、著者の方のコメントとともに紹介します。
ベテラン実務翻訳者による
「翻訳者のための」PCスキルの本
『1秒でも長く「頭」を使いたい 翻訳者のための超時短パソコンスキル大全』
高橋 聡 著 KADOKAWA
出版社HP
【著者が語る】
翻訳者の〈手〉であるPC作業効率化のコツを伝授
翻訳学校でとてもよく聞く質問があります。「翻訳のスピードを上げるにはどうすればいいんでしょうか?」
もちろん、翻訳のスピードは一朝一夕で上がったりしません。しかし、翻訳するときに私たちがすることを〈手〉と〈頭〉に分けて考えてみると、翻訳のスピードについて手がかりが見えてきます。
「原文を読む」、「内容を理解する」、「訳文を考える」というのは〈頭〉が受け持つ仕事です。一方、そうやって翻訳を進めるとき、実際に文字を打ったり、辞書を引こうとして何らかの操作をしたり、あるいは何かを検索したりする作業は、すべて〈手〉がする仕事です。
このうち、〈頭〉は効率化できません。学習を続けたり仕事をこなしたりしながら、知識と経験を積み重ねていくうちに自然と効率化していくものです。それに対して、〈手〉の効率化は誰にでもできます。しかも、場合によってはすぐにその効果が現れます。そして、〈手〉を効率化すればするほど、〈頭〉を使う時間を増やすことができます。
今どきですから、翻訳者の〈手〉が動くのは、ほとんどがパソコン上です。本書は〈手〉の効率化を図るためにぜひ身につけてほしいパソコンスキルを、私が自分の経験からまとめたものです。翻訳者としてよく使うソフトウェア、いわゆる翻訳支援ツール、そして辞書の話まで、できる限り多くの内容を盛り込みました。まさに「大全」です。
本書を読んでぜひ〈手〉の効率化を進めてみてください!
※ 通訳翻訳ジャーナル2023年夏号より転載
実務翻訳者(IT・マーケティング)。翻訳学校講師。日本翻訳連盟(JTF)副会長。学習塾講師と翻訳の兼業を続けた後、翻訳会社勤務を経て、2007年からフリーランスに。現在は各種マーケティング翻訳、ニュース翻訳などに従事。訳書に『機械翻訳』(森北出版)、『現代暗号技術入門』(日経BP)、『イーサリアム 若き天才が示す暗号資産の真実と未来』(日経BP)など、共著に『プロフェッショナル4人が本気で教える 翻訳のレッスン』(講談社)がある。翻訳者向けにパソコンスキルや辞書に関するセミナーを開くことも多い。
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