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2023.08.15 UP

第4回 「検討する」の英語表現 review

第4回 「検討する」の英語表現 review

今回のキーワード: review

review は高校で学ぶ基本単語。最近はインターネットの口コミを「レビュー」と言いますよね。ビジネス英語では「検討する」という意味ですが、どちらかというと「採用する」という前向きな前提で、「再度検討する、見直す」というニュアンスを伴います。今回は review や他の関連表現を学んでみましょう。

● reviewの語源:再び(re)+見る(view)

たとえ知っている英単語でも、学習の際にはぜひ「語源」を調べてみてください。辞書によっては言葉の成り立ちが詳しく書かれているものもあります。「ジーニアス英和大辞典」(電子版)によれば、初出は15世紀で、フランス語の revoir から来たのだそうです。そう、「オールヴォワール(さようなら)」の revoir です。フランス語が英語と近いのがわかりますよね。
なお、review を名詞で用いて「再検討を行う」と言う場合は、conduct a review, carry out a review, undertake a review といった言い回しがあります。また、動詞にして「御社のご提案を検討いたします」は We will review your proposal と表現することもできます。

● reviewの関連表現

「検討する」はreviewの他にも色々とあります。例として以下の2つを見てみましょう。

例1)I will send the information by e-mail for your consideration.
(情報をメールでお送りしますので、ご検討ください。)
consideration は動詞 consider を名詞にしたもの。consider には「受け入れるかどうかをよく考えてみる、熟慮する」という意味があります。単に考えるだけでなく、じっくりと検討する様子を表すのです。英語学習の際には一つの単語をきっかけに、名詞や動詞、形容詞などの派生語もぜひチェックしてください。

例2)We will evaluate your samples within a week.
(頂いたサンプルを一週間以内に検討いたします。)
evaluatevalue(価値)から派生した単語で、e- は強意を表す接頭辞です。evaluate は「価値があるかどうか検討する」という意味になります。ちなみに名詞 evaluation はフランス語から生まれた単語です。evaluate を使った表現には evaluate property(財産を評価する)、evaluate a student’s ability(学生の能力を評価する)、evaluate the data(データを評価する)などがあります。ビジネスの場面では「検討する」という意味でも用いられます。

さて、これまで学んだ表現を土台にして、以下の英日通訳の練習問題に取り組んでみてください。
英日の練習と同様、声に出し、いくつかパターンを作ってみるのも一案です。

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放送通訳者 柴原早苗
放送通訳者 柴原早苗Sanae Shibahara

同時通訳者。獨協大学およびISSインスティテュート講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールドを経て現在はCNNをメインに放送通訳業にも携わる。近年では近年では米大統領選、ノーベル賞、エリザベス女王国葬、テニスATPカップ、G7広島サミット記者会見、ノーベル平和賞受賞ユヌス博士、国会議員連盟の通訳などに従事。通訳や英語関連のコラムも執筆中。