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2023.10.18 UP

海外で通訳・翻訳を学んでプロになる

海外で通訳・翻訳を学んでプロになる

通訳者・翻訳者のプロになるためには、通訳・翻訳の専門スクールで学んで、スキルを磨くのが一般的ですが、海外で通訳・翻訳を学ぶという選択肢もあります。
通訳・翻訳が専門的に学べるミドルベリー国際大学院モントレー校の魅力を、同校で客員教授を務める森千代先生にうかがいました。

海外の大学で学んで、通訳や翻訳の仕事をしよう

海外では大学・大学院での通訳・翻訳教育が充実

通訳者・翻訳者をめざす場合、通訳・翻訳の専門スクールで学んで、プロになるというケースが多いです。
ただ、海外の大学(大学院)で学んで、通訳や翻訳の仕事をしている人も多数います。

海外では大学や大学院での通訳・翻訳教育が充実しています。ヨーロッパ、中国のほか、台湾や香港、韓国など、海外には通訳・翻訳を学べる大学・大学院が多数あります。
基本は大学院での教育ですが、大学の学部で通訳・翻訳教育を受けられるところもあるようです。
日本語⇔英語の通訳・翻訳が学べる学校は限られますが、
・ミドルベリー国際大学院モントレー校(旧モントレー国際大学院、米)
・ロンドンメトロポリタン大(英)
・クイーンズランド大(豪)
・ニューサウスウェールズ大(豪)
・マッコーリー大(豪)
・モナシュ大(豪)
・RMIT大(豪)
などで学べます。
⇒ロンドンメトロポリタン大学の留学体験記はこちら!

通訳・翻訳が学べる海外の大学院
ミドルベリー国際大学院モントレー校(MIIS)
Middlebury Institute of International Studies at Monterey

カリフォルニア州の小都市モントレーに位置する私立の大学院。1955年に、言語と文化の研究を通して国際理解を促進するという理念のもと設立された。2015年にそれまでのモントレー国際大学院(Monterey Institute of International Studies)から名称を変更。世界50カ国以上から約695名の学生が入学し、学んでいる。
翻訳・通訳や国際政策系などの修士課程コースが提供されている。
HP:https://www.middlebury.edu/institute/

どんな学校ですか? 先生に聞きました

ミドルベリー国際大学院モントレー校
客員教授 森千代先生
▶翻訳と通訳のコースの概要を教えてください

翻訳、翻訳&通訳、会議通訳の3つのコースがメインです。2年間で修士課程を目指し、専攻は入学後も変更できるため、一年生の最後の学期に行われる進級試験に合格すれば、卒業試験まで自分の学びたい分野に挑戦することができます。日本語のほかにはスペイン語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語、韓国語などの言語ペアが提供されています。

▶翻訳と通訳のコースの人数編成は?日本語を専攻する人は?

翻訳、翻訳&通訳、会議通訳の3つのコースを専攻する人全員の合計は毎年10人くらいです。
最終的な学位としては、その年にもよりますが翻訳修士5~6人、翻訳&通訳2~3人、会議通訳1~2人、だと思います。
日本国籍の学生さんは平均して3~4割だと思います。
近年はアメリカ国籍で、高校や大学で日本語を専攻した後にJETプログラムで日本に3~5年滞在して日本語を学んだという学生さんが多いです。
日本人の学生さんは小学校から海外に駐在していて日本人学校や現地校で学んだあと日本に帰国して上智大学やICUに帰国枠で入学した、という流れの人が多い傾向がありますが、全員がそうではありません。
第二言語圏に留学経験や滞在経験がほとんどない人でも、しっかりとした語学力が証明できれば入学できます。

▶翻訳と通訳のコースのカリキュラム内容や特徴は?

その名の通り翻訳コースは翻訳、通訳コースは通訳の授業を中心に履修します。翻訳&通訳コースのみ、どちらの分野も履修が必須になります。
ただ自分で専攻を決めた後でも、選択科目として専攻に必須ではない授業を履修することももちろん可能です。
どのコースでも扱うテーマは経済、金融、科学技術、政治、外交などを扱い、1年生の1学期から2年生の2学期にかけて段階的に難易度が上がっていきます。
授業は基本週に1回、2時間弱の授業で、翻訳の場合は毎週課題を提出、通訳の場合は毎週事前にテーマが発表されるので、それに向けた準備や予習を行って授業に臨みます。

▶卒業生の進路は?

日本人の留学生にとっては、卒業後にビザを取得してアメリカに残りたいかどうかで進路が大きく分かれます。日本に帰国して社内通訳やフリーランスになる人、アメリカに残りOPTビザで1年間フリーランス、あるいは社内通訳・翻訳、PMとして就職して、1年後に別の就労ビザに切り替えてもらって滞在する人など、さまざまです。
業種は自動車、製造業、製薬、医療機器、食品などがあります。
アメリカ国籍あるいはグリーンカード保有者は米国国務省関連の仕事をする人もいます。
また、ほぼ毎年行われる筆記試験に合格すればスイス・ジュネーブにある国連の世界知的所有権機関(WIPO)でフェローシップを行い、その後コントラクターになる人もいます。

▶入りたい!と思ったらどうすればいい?

まず本学が出している入学に関する情報(以下のリンクなど)をすべて注意深く読んで、応募時期の確認や、必要な書類をそろえたり、言語力を評価する試験を受けてください。
不明点は学校の入学課までメールでお問合せください
https://www.middlebury.edu/institute/academics/degree-programs/translation-interpretation/how-to-apply

先生よりMessage

本学は、すでに非常に高いレベルの語学力を備え、翻訳や通訳の経験が多少ある、あるいは学んだことがある、という方を対象に、2年間でプロとして独立できるレベルまで、演習を中心に実地訓練をする翻訳・通訳コースを提供しています。
求められるアウトプットレベルが非常に高いので、2年間の集中的な訓練、勉強、試験を乗り越える自己管理能力、そして徹底的に自分の実力と向き合う精神力の強さが必要となりますが、2年間を乗り越えた先には大きくステップアップしたプロの翻訳者、通訳者としての自分が実現できると思います。
ぜひ挑戦してみてください!