ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
今回は第84回の例文で使った “new hire”を取り上げてみましょう。
例文で紹介したように“new hire”は「新人」「新入社員」のことを指します(ちなみに転職の多いアメリカでは、「新入社員」と言っても中途採用がほとんどなことも多い)。ここでは動詞“hire”が名詞化されています。アメリカの会社に入ると、最初の数週間のうちに、社内の様々な制度や仕組みについて紹介を受ける新入社員向け説明会に参加することになりますが、その説明会は“new hire orientation”と呼ばれます。同じ意味で“new employee orientation”という表現が使われることからも分かるように、“new hire”は“new employee”と互換性があります。
なお、類似表現で“newbie”という単語がありますが、私のイメージではとてもカジュアルな表現で、日本語で言うと「新米」「新参者」という感じです。ですので、自分自身のことを述べる場面を除いて、使う文脈には十分気をつけましょう。
具体的には次のように使えるでしょう。
A:I heard the new hire orientation would take place tomorrow.
B:Yes. All new hires will be introduced to our corporate policy and others.
A:明日、新入社員研修が開かれるって聞いたんだけど。
B:その通り。新入社員全員が会社のポリシーなどの研修を受けることになってるよ。
ぜひ使ってみてください!
会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。