
ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
“red” はリスクが高いことを示す色
第196回では“a green light”という表現をご紹介しました。今回も色シリーズの続きです。第150回では赤(red)はリスクが高いことを示す色、と書きましたが、それを象徴する英語表現が今回ご紹介するフレーズです。
それがこちら、グローバル会議でもよく使われる“a red flag”。直訳すれば「赤い旗」ですが、英語ではイディオムとして「危険信号」を意味します。ハイフンでつないで“red-flag”として動詞としても使用されますので合わせて覚えておきましょう。
最近は若者言葉で「フラグ(flag)が立つ(=予測が立つ)」と言うそうですが、それに危険を示す色の「赤(red)」が付いていると考えると分かりやすいですね。
余談ですが、グローバル会議などで、以前使用したスライドを更新する際に更新部分が分かるように赤色にする方がいますが、場合によっては「リスクだから赤色になっている」と誤解を生むこともありますので、グローバルビジネスでは色の選択にも気を配りましょう。
具体的には次のように使えるでしょう。
A:This slow sales growth signals a red flag.
B:Yes, we need to come up with a solution.
A:この売上成長の鈍化は危険信号だね。
B:はい、解決方法を見出す必要があります。
ぜひ使ってみてください!
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日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CRO・シミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。日本会議通訳者協会(JACI)認定通訳者、JACI同時通訳グランプリ(学生部門)審査員(2023年~)、コミュニケーターズ土曜学校・通訳講師。モントレー国際大学院(会議通訳 [修士])、立教大学(社会デザイン学 [博士])卒。国連英検・特A級(外務大臣賞)。JACIのHPでコラム「製薬業界の通訳」を、『通訳翻訳ジャーナル』(2022-23年)でコラム「専門分野の通訳に挑戦【製薬編】」を連載。 編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版)、『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)がある。 立教大学・兼任講師/研究員、社会デザイン学会・理事、文学・環境学会・広報担当役員。趣味は小6から続けているテニス。