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2025.08.19 UP

第196回 a green light/青信号、ということは……

第196回 a green light/青信号、ということは……

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

「リスクが低い」を示す“green”を使った表現

第150回“color-code”という便利な表現をご紹介しました。その際に緑(green)はリスクが低いことを示す色だとお話しました。今回はその“green”を使った表現をご紹介します。

それがこちら、“a green light”。そのまま日本語にすれば「青信号」ですが、青信号では道路を渡ることができますので、そこからの派生でしょう、「ゴーサイン」「許可」といった意味があります。“get [obtain] a green light”であれば「許可を得る」、“give a green light”とすれば「許可を与える」となります。英語ニュースでもたまに出てくる表現です。ぜひ覚えてください。

なお、“a green light”の直訳は「緑の(green)」「光(light)」ですが、日本語ではなぜか「青」信号となります。理由は「古代の日本語には緑という概念がなく緑も青に含まれていた」など諸説あるようです。
また青色といえば、日本ではカレンダー上で土曜日を青色で表現します。土曜日を青色で表現しない文化圏の方々にとっては「なぜ青色になっているの?」と混乱を招く場合もあるので(実際に通訳をしていて何度かそのような場面に遭遇しました)、グローバルビジネスでは留意しましょう。

具体的には次のように使えるでしょう。

部下:Can you give a green light to develop a new product?
上司:Sure, go ahead. Let me know if you need any help.

部下:新製品開発の許可を頂けませんか?
上司:もちろん進めてくれ。手助けできることがあれば相談して。

ぜひ使ってみてください!

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森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CRO・シミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。日本会議通訳者協会(JACI)認定通訳者、JACI同時通訳グランプリ(学生部門)審査員(2023年~)、コミュニケーターズ土曜学校・通訳講師。モントレー国際大学院(会議通訳 [修士])、立教大学(社会デザイン学 [博士])卒。国連英検・特A級(外務大臣賞)。JACIのHPでコラム「製薬業界の通訳」を、『通訳翻訳ジャーナル』(2022-23年)でコラム「専門分野の通訳に挑戦【製薬編】」を連載。 編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版)、『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)がある。 立教大学・兼任講師/研究員、社会デザイン学会・理事、文学・環境学会・広報担当役員。趣味は小6から続けているテニス。