ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
動詞の “pencil” の意味は?
グローバル会議の開催は、時差もあってなかなか調整が難しいもの。そのため、参加者の予定は早めに押さえておきたいところです。今回ご紹介するのはそんなときに使える英語表現です。
それがこちら、“pencil in”。“pencil” は学校英語で習ったように名詞では「鉛筆」を指しますが、ここでは動詞として使われており、それが “in” という前置詞とともに句動詞を構成すると「予定表に書き込む、予定に入れておく」という意味になります。少なからずグローバルビジネスでは出てくるイディオムですので覚えておきましょう。
なお、同様の意味で動詞 “calendarize” が使われることがあります。“Calendar(カレンダー)”が “ize” の接尾語を伴って動詞化されていますね。ちなみに、第112回でご紹介したように、仮に確保しておく時間や会議通知のことを英語では “placeholder” と言います。“friendly reminder”(笑)としてお知らせします。
具体的には次のように使えるでしょう。
A:The next meeting will be on April 26th. Can you pencil this in your calendar?
B:Sure. I’ll make myself available.
A:次回の会議は4月26日の予定です。この会議をカレンダーに入れておいてもらえますか(=予定を空けておいてくれますか)?
B:もちろんです。体を空けておきますね。
ぜひ使ってみてください!
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日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CRO・シミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。日本会議通訳者協会(JACI)・認定通訳者。立教大学(社会デザイン学 [博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳 [修士])卒。国連英検・特A級(外務大臣賞)、英検1級、全国通訳案内士。JACIのHPでコラム「製薬業界の通訳」を、『通訳翻訳ジャーナル』(2022-23年)でコラム「専門分野の通訳に挑戦【製薬編】」を連載。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版)、『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)がある。 立教大学・兼任講師/研究員、社会デザイン学会・理事、文学・環境学会 役員(広報)。趣味は小6から続けているテニス。