ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
皆さんは“break up”という句動詞をご存知でしょうか。この表現がよく使われる文脈の1つがカップルが別れてしまった場面で、“We broke up.”と言えば「私たち、別れました。」という意味になります。
文脈がグローバルのウェブ会議だったらどのような意味になるでしょうか。もし会議中に他の参加者から“You’re breaking up.”と言われた場合、実は、「あなたの声が割れてしまっています」という意味になります。“break”自体が「割れる」という意味で、それを強調するかのように“up”が付いていますから、声が途切れ途切れ聞こえるイメージでしょうか。決してプライベートなことに言及されている訳ではないので誤解しないようにしましょう(笑)。
また、同じ意味で“Your voice goes in and out.”(声が入ったり入らなかったりする)という表現も使われるので合わせて覚えておくと便利です。
具体的には次のように使えるでしょう。
【ウェブ会議中に】
司会:You’re breaking up a lot.
発表者:Oh, apologies. Let me get closer to the microphone.
司会:あなたの声がかなり割れています。
発表者:あら、すみません。もう少しマイクに近づきますね。
ぜひ使ってみてください!
会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。