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ハブショーは言わないで!
次に沖縄ワールドへ。
30万年前にできた涼しい玉泉洞(鍾乳洞)を900mほど散策します。鍾乳石や石筍という言葉を使ったものの、あまり理解されなかったかも知れません。
昼食後、劇場でのエイサーのショーは好評でした。ところが、その際にアナウンスしたハブのショーについては、TCが「お客様には戦闘的野蛮的なイメージがあるので説明しないほうが良い」と言われて、結局、お連れしませんでした。お国柄やお客様の雰囲気によっても、ガイドからお伝えする内容は変わってきます。
次に広大な土地に広がる平和祈念公園へ移動。
実は今回の運転手さんは若い女性の方で、とても安全運転です。女性の社会参加が低いとされる日本で、良いアピールになりました。
数多くの戦没者の名前が刻印された「平和の礎(いしじ)」では、いつも陽気で明るいブラジルの方々も静かに全員で黙祷され、自身の両親や祖父母の出身県の前では立ち止まっていました。資料館が工事で休館中だったため、沖縄戦を目で良く理解いただくために、ひめゆりの塔などを事前にリクエストすればよかったと、後から思いました。
メニューは訳して、歌はご紹介して
一度ホテルに戻り、夜は徒歩で団体予約された民謡ショー付沖縄料理店へ向かいました。
直前に私は下見に店にお邪魔しましたが、ホテルをお客様と出発する直前に店から「お料理は最初に全部出しますか、一皿ずつお出しますか」と電話あり、後者で願いしました。
さらに彼らの好みとして「お食事(ご飯)は最後でなく最初から出していただくように」店に依頼しましたが、これもインバウンドならではです。
2階のお座敷席では靴をおのおの袋に入れて、座布団のあるテーブルへ。
日系人であっても椅子無しは慣れていません。
ところが座椅子の数が少なく、仕方なく1名様には低い舞台前に観客方向に向いてちょこんと座っていただくしかありませんでした。
メニューは、海ブドウやミミガー、ジーマミー豆腐など、地元料理ばかりで横浜の者にもほぼ異国料理状態です。ただし今回ガイドは「別食」と言ってお客様とは別の所で自身の食事をしましたので、お客様には事前にポルトガル語に訳しておいたプリントをお客様着席と同時にテーブルに配布しました。
ミミガー=豚の耳はおいしく召し上がっていただけましたが、時には正直に訳さないほうがお召し上がりになる場合もあります。
2時間弱の食事中の民謡ショーでは、女性歌手の沖縄ソングが三線の演奏とともに響き、盛り上がりました。
この日、夜のショーを楽しめるよう、バス車内で人気の沖縄の歌をローマ字&仮名で書いた物を配り、皆で歌って「予習」しておきましたが、大成功でした。「島唄」「涙そうそう」「島人ぬ宝」などはご紹介していましたが、「ハイサイおじさん」は抜けていました(笑)。
ショーの終わりには各人が歌手と写真を撮り、陽気なブラジル人には楽しい一夜となりました。
ただ、非日系のお客様には「沖縄料理をほとんどど食べられなかった」と帰路にポテトチップを買った方もいました。食において全員のご満足は難しいですが、おおむね有意義な1日でした。
3言語(スペイン語、ポルトガル語、英語)の全国通訳案内士。横浜生まれ横浜育ち。2006年より稼動の中堅ガイド。団体、インセンティブ、FIT等、北海道から沖縄離島まで全国を回る。
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