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2023.05.16 UP

第111回 deliverable / ビジネス上では「成果物」という意味

第111回 deliverable / ビジネス上では「成果物」という意味

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

デリバリーとは別の意味をあらわす deliverable

クライアントからプロジェクトを請け負った際には成果物を出さなければなりませんが、日本語の「成果物」に相当する英単語をご存知でしょうか。それが“deliverable”という単語です。

この語を分解してみると、“deliver([成果などを]出す)”+“able(可能な)となり、「成果を出すことが可能なもの」→「成果物」となったのでしょう。“deliverable”は名詞ですので、成果物が複数ある場合は“deliverables”となります。

名詞“deliverable”を使わずに動詞“deliver”を使って「成果を出す」ことを表現したい場合は、“deliver a result(結果を出す)“deliver the product(成果物を出す)“deliver on the commitment(約束を果たす)といった表現が使えるでしょう。

“deliver”の名詞形“delivery”からも推測しやすいように、“deliver”は「配送する」という意味や、“deliver a speech”の形で「スピーチをする」という使われ方がよく知られますが、ビジネス上では「成果を出す」こととの関連でよく使われる単語ですので、覚えておきましょう。

具体的には次のように使えるでしょう。

A:What are the major deliverables of this project?
B:They’re described in detail in the Appendix.

A:本プロジェクトの主な成果物はなんでしょうか。
B:補遺に詳細に書かかれております。

ぜひ使ってみてください!

★前回のコラム

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。