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2023.05.12 UP

第22回 agnostic / 直訳は「不可知論者」ですが……

第22回 agnostic / 直訳は「不可知論者」ですが……

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

一時ほどには使われなくなりましたが、今でもたまにビジネス・ミーティングなどで使用される単語が“agnostic”。最初に耳にしたときは「不可知論者?」と思ったものですが、不可知論者=物事の本質を知ることは不可能であるという立場を取る人 、つまりは「分からない」ということ。 Onと親和性が高く、“be agnostic on …”で「~については分かりかねる」という意味になります。

また、「分からない」ということはつまり「それに依存しない(できない)」ということなので、“単語 + agnostic”で「~(単語)に依存しない」という意味になります。たとえば“OS-agnostic”であれば「OSに依存しない」となります。“単語 + independent”と同義ですね。

具体的には次のように使えるでしょう。

A:Are you familiar with this business?
B:I’m agnostic on the matter.

A:この業務について詳しい?
B:その件は詳しくないんだ。

ぜひ使ってみてください!

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森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CRO・シミックのシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。立教大学(社会デザイン学 [博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳 [修士])卒。英検1級、全国通訳案内士、国連英検・特A級(外務大臣賞)。日本会議通訳者協会(JACI)のHPでコラム「製薬業界の通訳」を、『通訳翻訳ジャーナル』(2022-23年)でコラム「専門分野の通訳に挑戦【製薬編】」を連載していた。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版)、『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)がある。 立教大学・兼任講師/研究員、社会デザイン学会・理事。趣味は小6から続けているテニス。