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2025.11.21 UP

【特集 エンタメ分野の通訳・翻訳 】働くための必要スキル&仕事の獲得ルートを紹介!

【特集 エンタメ分野の通訳・翻訳 】働くための必要スキル&仕事の獲得ルートを紹介!

字幕や吹替などの映像翻訳から、小説、ゲーム、音楽、さらにはスポーツの分野まで、「エンタメ」分野では多くの通訳者・翻訳者が活躍している。
主要な分野の必要スキル&仕事をするためのルートを紹介!

エンタメ分野で通訳者・翻訳者になるには

映画やスポーツの通訳、出版翻訳、漫画翻訳、ゲーム翻訳、映像翻訳など、「エンタメ」分野で通訳者・翻訳者として働くためには、言語能力に加えて、それぞれの分野ならではの知識・スキルが求められる。
また、「通訳会社・翻訳会社に登録する」という一般的なルートでは仕事が得られず、特殊なコネクションや人との繋がりが必要となる場合も多い。

各分野で必要となるスキルと、仕事をするための主なルートを紹介しよう。

音楽通訳・映画通訳

必要スキル

●ミュージシャンや俳優の発言をメディアやファンに向けて訳す際は、逐時通訳で行うことが多い。メモが取れない場面も多いので、高度な逐次通訳スキルが必要になる。

●ただテレビ出演時などは同時通訳で訳すこともあるので、同時通訳のスキルも必要。

●仕事の内容や難易度はさまざま。例えば、来日時のアテンドなどの比較的簡単な仕事から、舞台挨拶や記者会見など失敗が許されない表舞台での逐次通訳なども。

●音楽、映画など、各分野についての知識も必要になる。業界知識がないと的確な通訳はできず、ミュージシャンや俳優とのコミュニケーションも取りにくくなる。

●相手が有名人であれば、本人のイメージを損なわないようにしたり、多忙なスケジュールに合わせるなど細やかな気配りも求められる。

仕事をするには

●業界に関わる
映画会社勤務、レコード会社勤務から通訳者に・・・・という例は多い。

●紹介がメイン、人脈、ツテを作る
芸能関連の通訳は、一般に公募されることが少なく、基本的には狭き門。フリーランス通訳者は、業界関係者、人からの紹介で仕事のチャンスが回ってくることが多い。

●エンタメに強いエージェントを探す
多くはないが通訳エージェントでエンタメ業界への通訳者派遣や請負実績のある会社もある。そういったエージェントに登録する。

スポーツ通訳

必要スキル

●選手のインタビューの時は逐次通訳で行うことが多いので、逐次通訳の安定したスキルは必須。

●ミーティングの時には選手のそばについて同時通訳(ウィスパリング)することが多いので、同時通訳への対応も必要。

●該当スポーツの深い知識。ルールはもちろん、戦術的なところまで理解していないと通訳は難しくなる。プロスポーツの通訳は該当スポーツの競技経験者を求めることが多い。

●チーム付きの通訳の場合、長期滞在する選手や監督の生活面のサポートも任されることもあり、細やかな気配りや、担当選手の出身国の文化などの知識も必要。

仕事をするには

●プロチームの公募を探す
プロスポーツのチームに付く通訳は、公募もある。特にオフシーズンにはホームページなどで募集の告知があることも。

●国際的な大会などに注目
チーム付きではなく、国際的なスポーツ大会期間中に通訳者や語学サポート要員が手配されることも。その場合は通訳エージェントが関わることもある。

●競技団体に関わる
特定スポーツの競技団体、協会などが通訳者を手配することもあるので、そういった組織との関わりを作る、探す。

●Check!! スポーツ通訳の検定がある!

スポーツマネジメントに関する知見を有する通訳者の育成と通訳技術の発展を図る一般社団法人スポーツマネジメント通訳協会。同協会主催でスポーツ分野に特化した通訳能力をはかる資格試験「スポーツ通訳検定」が誕生。スポーツ通訳をめざす人はぜひチャレンジしたい検定だ。

▶スポーツマネジメント通訳協会
https://www.spomane-inter.com
☆検定試験合格者&スポーツマネジメント協会会長の対談記事はこちら!

出版翻訳

必要スキル

●原文読解力/ネイティブの読者と同じ感覚で原書を読みこなす力。著者の意図や微妙なニュアンスも正確に理解できるのが理想。

●日本語表現力/原書の魅力を読者に伝えられるかどうかは、訳者の表現力にかかっている。多彩な表現ができる日本語の豊かな運用能力が必要。

●文章構成力/プロとして通用する訳文に仕上げる力。逐語訳でも意訳でもない、読者に合わせた文章にするためのコツを身につける。

●調査能力/翻訳作業では、調べ物が大きな割合を占める。正確に丁寧にリサーチして訳文に生かす必要がある。

ビジネス・ビジネス、実用書、自己啓発・・・・などノンフィクション系もあり

エンタメ系・訳す物

●純文学、ミステリ、SF、ロマンス、ファンタジー、ノベライズ…など
いわゆる「小説」のこと。純文学は単行本もあるが、ミステリやSFなどエンタメ系で読者の多いジャンルは文庫本での刊行点数が多い。出版翻訳の中でも人気の高い分野。

●児童書、絵本、ヤングアダルト(YA)…など
児童を読者対象とした書籍。絵本は長く読み継がれるロングセラーも多い。中高生を読者対象とした「児童書と一般文芸書の中間」ともいえるYAも人気が高い。

仕事をするには

●プロの翻訳家に師事する
プロから翻訳のノウハウについての指導を受けられるだけでなく、翻訳家の人脈から仕事のチャンスが広がる可能性も高い。翻訳家に師事するには①翻訳専門スクール、②翻訳者が講師を務める大学の授業、③翻訳者主催の勉強会、などに通うといった方法がある。

●出版社に企画を持ち込む
翻訳したい未邦訳の原書を出版社に持ち込む。編集者が売れる、おもしろいと判断すれば、出版が決まり、訳者に抜擢される可能性も。企画が通らなくても、リーディングの仕事を依頼されることもある。

●オーディションやトライアルに参加する
出版予定の作品の下訳者を募るため、オーディションやトライアルを実施する機関と提携する出版社もある。

●翻訳コンテストに応募する
優秀者に賞金や商品を授与するだけではなく、課題図書を翻訳出版する機会が得られるコンテストもある。

●出版翻訳が学べる主なスクール・講座

フェロー・アカデミー
・出版翻訳コース「出版基礎」、「フィクション」、「児童文芸」など
▶︎講師×講座から出版翻訳者デビューした修了生の対談記事はこちら!

サン・フレア アカデミー
・通信科/特別講座「文芸翻訳和訳演習」[コース]クラシック編/ホームズ編/児童書編/伝記編 など
詳細はこちら!

サイマル・アカデミー
・出版翻訳ワークショップ など

漫画翻訳

訳す物

アメコミ(英語→日本語)、バンド・デシネ(フランス語→日本語)、ウェブトゥーン(韓国語→日本語)、日本の漫画(日本語→英語などの外国語)

必要スキル

●ふきだしに合わせた字数調整など

●キャラクターに合った台詞づくりなど細かな作業が必要

仕事をするには

●アメコミ、バンド・デ・シネは発行点数が多くはないので、刊行実績のある出版社とつながることが必要

●ウェブトゥーンは、ニーズ急拡大で、翻訳者募集もあり

●日本語から外国語訳は発行国のネイティブが翻訳することが多いが、最近はニーズ急増ですそ野が広がっている

映像翻訳

最近のニーズ
配信サービスの増加で字幕・吹替の仕事量は安定

必要スキル

●日本語表現力/映画やドラマの場合、作品の内容やカラー、登場人物のキャラクターに適した台詞づくりができる。

●語学力/外国語のスクリプトを読み、台詞を理解できること。

●字幕や吹替のテクニック/字幕の字数制限、吹替のリップシンクなど、映像に合わせた台詞を作るためのコツやテクニック、専門用語などの習得。

●字幕や吹替の工程とルールの知識/字幕や吹替の作業工程やルールを把握。

●調査能力/医療ドラマや歴史ドラマなど、作品に応じた知識が必要。

仕事をするには

●映像翻訳を学べるスクールで知識を習得
映像翻訳特有の知識は、独学での習得が難しいのでスクールで学ぶ人が多い。スクール経由で制作会社のトライアルなどを受けるチャンスも。

●翻訳会社や制作会社のトライアルを受けてフリーランス翻訳者として登録
配給会社や放送局から直接仕事を得られる可能性は低いので、登録する必要あり。

●制作会社や翻訳会社の社内翻訳者として就職
社内翻訳者を要する会社もあるので、まずは社内翻訳者として経験を積む。

ゲーム翻訳

最近のニーズ
ゲーム市場は拡大傾向で翻訳の機会も増加

必要スキル

●高い語学力

●ゲーム特有の用語や表現に関する知識

●ゲームの世界観やキャラクターを理解したうえでの翻訳力

仕事をするには

●ゲームに強い翻訳会社やローカライズ会社にフリーランス翻訳者として登録
フリーランス翻訳者として仕事を受注するには、トライアルを受け、登録して仕事を受注する。

●フリーランスとしてゲーム会社から仕事を受注
実績のある翻訳者ならゲーム会社から直接仕事を得る道も。

●ゲーム翻訳を学べるスクールで知識を習得
最近はゲーム翻訳を学べるスクールや、短期講座を提供するスクールも。

●ゲーム会社に社内翻訳者として就職

●ゲーム翻訳者 求人情報

株式会社サン・フレアでは、現在ゲーム分野に強い翻訳者を広く募集中!
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