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分野別に基礎から実践まで幅広い講座を開講
翻訳会社の母体を生かし、プロ翻訳者へのチャンスを掴む
こんな学校です!
各分野のスペシャリストである現役翻訳者が講師を務める、実践に即したカリキュラムで、これまでに3,000名以上の翻訳者を輩出しているサン・フレア アカデミー。翻訳実務検定「TQE®」合格者には母体である翻訳会社㈱サン・フレアの登録翻訳者としての道も開かれ、学び、仕事の両面でサポートが得られるのも大きな魅力だ。また講座やセミナー、「TQE®」受検等の利用内容に応じてマイページポイントを貯めることができる。貯まったポイントは、1ポイント1円として、講座やセミナーの受講料で利用することができる。
訪問クラス はじめての翻訳文法
少人数制クラスできめ細かな指導
オンラインでも受講可能
「はじめての翻訳文法」は、英語をきちんと理解し、正確な訳文を導く土台となる英文法を学ぶコースだ。講師は、IT・通信分野の翻訳者として30年以上のキャリアを持つ冨田淳二先生。
通信科と通学科の2コースあり、通学科でもオンライン会議システムが取り入れられているため全国どこからでも受講可能だ。中には海外から受講する人もいるという。授業は文法編と表現編に分かれており、文法編を終えた後は表現編に進んで文法力をさらにブラッシュアップ。テーマは品詞・語法・文型、時制、関係詞、仮定法など多岐にわたる。またサンフレア・アカデミーでは最大でも定員6名という少人数制を取っており、きめ細やかな指導が受けられるのが特徴だ。
今回見学したクラスは文法編の第13講と第14講の比較級。まずは「not so much as」など「as」や、「the+比較級」を使う比較表現について、例文を参照しながら冨田先生が解説していく。「the+比較級」では、「The higher we climb, the thinner the air becomes.」という例文を取り、「このthe を冠詞だと思い込んでいる人が多いのですが、the+比較級のときのthe は副詞です。the を冠詞と捉えると理解が進まなくなるので注意しましょう」と冨田先生。さらに「この例文は『As we climb higher, the thinner the air becomes.』という形にもできます。the+比較級はセットで使うのが原則ですが、このようにばらばらに出てくることもあります。ただし、この副詞のthe は比較級の形容詞や副詞を伴う点を忘れないように」と注意喚起があった。
その他、「He is not a musician. / He is no musician.」という例文を使ってnot とno の意味の違いを解説し、それを受けて「not more than 10 dollars」を「せいぜい10ドル」、「no more than 10 dollars」を「10ドルぴったり」と訳すのはなぜかを示した。not とno はどちらも否定を表す単語だが、訳のニュアンスはまったく異なる。文法をきちんと理解していないと、誤訳の可能性があることがよくわかる講座だった。
丸暗記するのではなく、理屈を理解してから例文を覚える
後半は比較級を使用した英文和訳と和文英訳に取り組み、受講生は不明な箇所があれば適宜質問をする。冨田先生の説明が非常にクリアでわかりやすいため、受講生は比較級についてはよく理解できていたようで、「模範解答ではgreater という単語が使われているが、ここはspeed が主語なのでfaster を使ったほうが良いのではないか」、「but は常に訳すべきなのか、それともand のように訳さなくても日本語として通じてしまう場合は省略していいのか」などさまざまな質問が出た。前者の質問に対し、冨田先生はGoogle Ngram Viewer で用例を調べてみるといいですねとアドバイス。後者には「but の意味合いが、全体の流れの中にうまく溶け込んでいるなら訳さなくてもいいでしょう。一番良くないのは訳抜け、もしくは訳せなかったとチェッカーやクライアントに判断されることです。そうならないよう、なぜbut を訳さなかったのか別紙で申し送りをつけておくというのも一つの方法です」と答えていた。
この講座を通して冨田先生が強調していたのが、「まず理屈を理解してほしい」ということ。例文を丸暗記するだけでは、すぐに文法を忘れてしまう。まずは理屈を頭に入れてから、理屈の軸に巻きつけるようにしてたくさんの例文を身につけると良いという。
また、一番大事なのは、原文の読者と訳文の読者が等価に文章を読めることだとも。
「自分の訳が正しいかそうでないかは、原文に戻れるかどうかである程度判断できます。例えば英文和訳で違和感を覚えた場合、自分の和訳を改めて英訳してみてもとの意味に戻れなかったらおかしいのです。翻訳支援ソフトの中にはそうした機能がついているものもありますので、確認するといいでしょう」
この他、トライアルを受ける際の注意点についても、採点を務める立場から助言。現役翻訳者として得た知識を、余すところなく受講生に伝えている姿が印象的だった。
講師からのメッセージ
青山学院大学文学部英米文学科卒。ソニー、河合塾、社内翻訳・通訳、辞書編集者を経て、翻訳者として独立。現在、AX-Globe LLCの代表。翻訳部に加え、教育部として丸の内二重橋ビルにて、教育コンテンツの企画・制作・提供を行う。
辞書を引くことと音読がおすすめ
「プロになる!」という意識を明確に持とう
「はじめての翻訳文法」では、文法・語法に関する苦手意識をなくすことが一つの目標です。翻訳文法の基本は規範文法です。中学や高校で学ぶ文法を無視して先に進むことは決してできません。実際に仕事を受注したとき、またトライアルを受けるときにチェッカーが確認するのは文法と訳抜けです。文法間違いと訳抜けは必ず減点されますので、確実に文法力をつけていただきたいと思います。
受講生におすすめしている学習法が音読です。黙読では斜め読みや飛ばし読み、二重読みをしてしまいますが、音読ではそれができないので、確実に英語が頭に入ってきます。辞書をこまめに引くことも大切です。中1、中2レベルの単語がいちばん難しいと心得て辞書を引いてください。
講義では常に「プロになる!」という意識を明確に持つように伝えています。明確な目標意識を持ち、スクールのカリキュラム通りに学習を重ねていけば目に見える形で実力アップがはかれます。いつまでにどのようにプロとして稼ぎたいかを考えながら学習に取り組むと良いでしょう。
受講生に聞く!
はじめての翻訳文法 受講生
M.N.さん
フリーランスで医療案件の校正をしながら、映像翻訳者をめざしています。臨床試験に関する英語の論文や資料のチェックに自信が持てずにいたので、文法をきちんと学び直したいと思い受講を決めました。冨田先生が独自に編み出した文法の覚え方はとてもわかりやすく、先生の授業を受けられたことが何よりの収穫でした。また、課題へのコメントもモチベーション維持につながっています。映像翻訳のトライアル、そして翻訳実務検定「TQE®」に合格するという目標に向かって、今後も努力していきます。
ここもチェック
翻訳実務検定「TQE®」がプロデビューへのパスポートに
「TQE®」は、サン・フレア アカデミーが年3回(6月・10月・2月)実施している翻訳の実務対応力をはかる検定試験。これまでに約3,000名以上の翻訳者が誕生し、㈱サン・フレアの登録翻訳者として仕事の機会を得ている。
充実の翻訳セミナー
毎月3~4回、多岐にわたるテーマで短期集中型のセミナーを開催している。初学者から上級者まで、レベル別・テーマ別に気軽に受講できるラインナップになっている。
講座紹介
●初級講座
翻訳の基礎的な技法や、文法知識など分野を問わず応用できるテクニックの習得をめざす。
はじめての翻訳文法〈超入門編〉
はじめての翻訳文法
はじめての翻訳技法
はじめての特許翻訳
はじめての技術翻訳A/B
●中級講座
各分野の基本的な専門知識、専門用語、翻訳表現を習得する。
医学・薬学、IT・通信、特許明細書A/B、金融・経済、法務・契約書、電気、機械、化学、環境、英訳の基本Ⅰ
●上級講座
中級講座で習得した専門知識と翻訳テクニックをベースに、テキストの課題を通してより実践的な翻訳テクニックの習得をめざす。
医学・薬学、IT・通信、特許明細書A/B、金融・経済、法務・契約書、電気、機械、化学、環境、英訳の基本Ⅱ
●特別講座
TQEⓇやトライアル合格をめざしている人、翻訳実務で使えるワンランク上の翻訳テクニックを習得したい人を対象とした講座。
治験和訳演習(臨床・非臨床)、治験英訳演習(臨床)、日本語メディカルライティング、QC点検、IR資料英訳演習、PC&Web活用講座(※PC&Web活用講座は通学のみ)
※通学科は対面、オンライン、ハイブリッドの3形式から選択できる。
ほか、実践講座、短期講座、動画講座など
お問い合わせ先
サン・フレア アカデミー
〒160-0004
東京都新宿区四谷4-7 新宿ヒロセビル 2F
TEL:03-6675-3965
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