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2025.01.28 UP

【授業レポート】インタースクール 産業翻訳コース本科【日英】

【授業レポート】インタースクール 産業翻訳コース本科【日英】

母体である㈱インターグループとの連携で
プロデビューへの道を強力にサポート

こんな学校です!
1966年創設のインタースクールは、通訳・翻訳の大手エージェントである㈱インターグループを母体に持つ通訳者・翻訳者養成スクールだ。両部門の連携で「人材育成」と「現場経験」の双方向サイクル「インターメソッド」を実現し、多数の優秀な通訳者・翻訳者を輩出している。翻訳のレギュラーコースには翻訳準備科と産業翻訳コースがあり、レベルに応じて着実なステップアップが可能だ。現役翻訳者・浦上恵司先生の指導の下、プロの技能の基本を習得する「産業翻訳コース本科【日英】」の授業をレポートする。

インタースクール 産業翻訳コース本科【日英】

訪問クラス 産業翻訳コース本科【日英】

書き手のメッセージを正確に伝えるスキルを磨く

「産業翻訳コース本科」は、プロの産業翻訳者に必要となる基本的な技能の習得をめざすクラスだ。需要の高い経営・広報・IR・各種マーケティング文書などを題材に、書き手の意図やメッセージを正確に伝えるスキルを磨いていく。全18回の授業はオンラインで行われ、どこからでも受講が可能。進級生はプロ実践科に進み、プロデビューをめざして着実なスキルアップをはかることができる。

取材したのは、日英クラスの第7回。事前に受講生が提出した課題を講師が添削し、授業ではそれをもとにディスカッションをしながら訳例を練り上げていく。この日の課題文は、企業のウェブサイトに掲載されるトップメッセージ。「持続可能な社会の実現に向け、イノベーションを先導して貢献する」といった内容だ。浦上恵司先生は冒頭から1文ずつ取り上げ、受講生と密にやりとりをしながら授業を進めていく。

課題文の冒頭に「これは、私たちが創業以来大切にしてきた言葉です」という一節があった。この「言葉」をどう訳すかについて、受講生からphraseという案が挙がった。これを反映し、「This is a phrase the company has cherished since its founding.」という仮訳ができた。しかし、「言葉」の訳語選択について浦上先生はこう指摘する。

「phraseでも間違いではありませんが、『これ』が指すものは直前にある1つの完結した文であり、企業の標語のようなものです。ですから、mottoやslogan, business policy などとするほうが適切でしょう。また、『大切にする』を意味する動詞cherishと目的語の関係にも注目してみてください。企業が大切にするのはphrase そのものではなく、phraseに込められた理念ですよね。ですから、『phraseをcherishする』と言うと、英語として少し違和感があるんです」

修了後は、広報誌やビジネス文書などさまざまな翻訳に携わることができる。
修了後は、広報誌やビジネス文書などさまざまな翻訳に携わることができる。

その場で訳文を練り上げ、翻訳プロセスを可視化

課題文中に「イノベーションを先導して、社会や環境がより良い方向に進展するよう働きかける」という一節があった。「イノベーションを先導して」の部分はleading innovation と訳した受講生が大半だったが、浦上先生は「lead という動詞はHe leads Japan’s national rugby team. のような例文からもわかるように、直接率いるものが目的語に来ます。ここではinnovation そのものをlead するわけではないので、leading innovationは不自然です」と解説。take the initiative in innovation とすることで、原文の意味をより正確に伝えられると示した。

同じ箇所について、受講生から「働きかける」をどのように訳せばいいかと質問があった。浦上先生は、受講生の考えを聞きながら訳文を練っていく。最終的にTake the lead in innovation to impact society and the environment for the better.という文に仕上がったが、ここに「進展させる」の意味も含まれているのか、と重ねて質問があった。

「impact for the better の部分に『進展する』のニュアンスも含まれています。日本語の一言一句をそのまま英語に置き換えようとすると不自然になるので、原文の意図をしっかりと取ることが大切です。日本語も英語も難しく、翻訳するのは簡単ではありません。自分の持っている引き出しからいろいろな言葉を取り出し、試行錯誤しながら合うものを見つけていきましょう」

浦上先生は、こうアドバイスした。授業で特に印象深かったのは、事前に模範的な訳例が用意されているわけではなく、先生が受講生とやりとりしながらその場で訳文を作っていく点だ。まるで頭の中をのぞいているかのように、翻訳のプロセスを目の当たりにすることができる。プロの考え方を自然と吸収できる授業は、課題に取り組む上で、さらには晴れてプロデビューした後にも、大いに役立つに違いない。

講師からのメッセージ

浦上恵司先生
浦上恵司先生Urakami Keiji

大学卒業後、国内の大手通信社に入社。以来30年以上にわたり政治・経済・社会・文化などあらゆるジャンルの英文ニュース記事の執筆に携わる。2002年より産業翻訳にも従事し、2020年よりインタースクールで産業翻訳コースの講師を務めている。

客観的な評価を受けることが実力向上につながる

英語と日本語は文の構造も表現の仕方もまったく異なり、訳すのは簡単ではありません。課題を通じて言語の違いにとことん向き合い、原文である日本語の意味を解きほぐしながら、シンプルでコンパクトな英文に仕上げる力を身につけることが本科【日英】の目標です。授業では、受講生と相互にやりとりしながら訳文を練り上げていくよう心がけています。

翻訳の勉強は終わりがなく、プロになった後も一生続くものです。また、インプットなくしてアウトプットはありません。受講生には翻訳だけに注力するのではなく、浴びるように英語の文章を読むことも意識してほしいですね。

スクールに通って第三者の客観的な評価を受けることは、実力を高める上で大いに役立ちます。講師はレベルに合わせて丁寧に指導しますので、その指摘を素直に吸収し、自ら勉強の仕方を模索できる人は、きっとチャンスをつかめると思います。

受講生に聞く!

産業翻訳コース本科【日英】 受講生
T.K.さん

将来、フリーランスの翻訳者になりたいと思い受講しました。授業を受けて、同じ日本語でもさまざまな言い換えがあること、パラフレーズを比較することでそれぞれの表現、語順で表現できる細かなニュアンスがあることを学びました。また、先生やクラスメイトのおかげで、独学では気づくことができなかった自分の翻訳の良い点・悪い点が明確になりました。授業で学んだことを大切に、今後は読み手のニーズを的確に捉えることができる日英翻訳者になりたいです。

ここもチェック

キャリアアップを㈱インターグループが全面サポート
母体である㈱インターグループと密に連携し、受講生・修了生のキャリアアップをサポートしている。修了生は、翻訳者採用試験を経て、登録翻訳者として仕事をする機会が得られる。

在学中にプロデビューできる「プレ登録制度」
成績優秀な受講生を講師が推薦し、プレトライアルに合格すれば在学中でも翻訳者としてデビューできる「プレ登録制度」がある。この制度を使えば在学中に実務経験が積めるため、スムーズなプロデビューにつながる。

学習アドバイスから、キャリア形成・スキルアップに関することまで、いつでもスタッフに相談できる。
学習アドバイスから、キャリア形成・スキルアップに関することまで、いつでもスタッフに相談できる。提供/インタースクール

講座紹介
●翻訳準備科
未経験からプロをめざす人におすすめの翻訳者養成課程の入門コース。現役翻訳者による指導の下、産業翻訳コース本科より始まる本格的な翻訳訓練に違和感なく、スムーズに臨むための英語運用力と翻訳技能の習得をめざす。

●産業翻訳コース(本科)
粗削りでも正確に伝わる、プロの技能の基本を習得。授業内で毎週の提出課題について議論し、訳文の手直しを重ね読解力・訳出力を高める。また文書で伝えたい意図(メッセージ)を正確に伝える技能を磨く。

●産業翻訳コース(プロ実践科)
「商品」として通用する、高品質な翻訳を極める。用途、スタイル、顧客の要望に柔軟に対応できる豊富な表現力を磨くほか、翻訳支援ツールの使用方法(原稿受領から翻訳納品まで)も学習。

インターeスクール
●金融・IR翻訳講座(英日・日英)
英日翻訳では投資レポートや経済記事を教材として使用し、金融経済の英語表現や基本知識の習得をめざすeラーニング講座。日英側では、決算短信や決算説明会資料、IRプレスリリースなども取り扱う。財務・会計翻訳者をめざす人はもちろん、社内で翻訳やチェック業務に関わる人も基礎から学べる。

●英文契約書翻訳講座
契約書における実践的な文書を使用しながら、あらゆるビジネスの現場に役立つ日英・英日の翻訳スキル・表現方法を習得できるeラーニング講座。

修了生・プロ向け
● お仕事Workshop・ポストエディット
機械翻訳の技術革新により次第に需要が高まっているポストエディット業務に対応できるスキルを養成。

● お仕事Workshop・医薬専門ポストエディット
医薬翻訳分野で特にニーズの高いCIOMS、CTD、GMP文書に絞り、ポストエディット業務への対応スキルを養成。

お問い合わせ先
インタースクール
オンライン事務局
TEL:0570-067-551
school-online@intergroup.co.jp
東京校
〒107-0052 東京都港区赤坂3-3-3 住友生命赤坂ビル 6F
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