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2025.01.28 UP

【授業レポート】フェロー・アカデミー ベーシック3コース 実務基礎

【授業レポート】フェロー・アカデミー ベーシック3コース 実務基礎

実務・出版・映像翻訳の3分野で 専門性を備えるカリキュラムを提供

こんな学校です!
フェロー・アカデミーは創立以来50年、一貫して翻訳教育を行っている翻訳の専門校。実務・出版・映像翻訳を分野別に学ぶ「専門コース」に加え、全分野をバランスよく学ぶ「総合コース」も設置。多様な翻訳関連企業とのネットワークにより、優秀な人材を業界に送り出している。訪問したライブ配信講座「ベーシック3コース」は、週3日・3ヵ月で、全分野の基礎をバランスよく習得し、どの分野の仕事にも対応できる総合力が身につく講座。実務翻訳者・藤澤將雄先生による「実務基礎」をレポートしよう。

フェロー・アカデミーイメージの写真

訪問クラス ベーシック3コース 実務基礎

「必要・不要」の表現について参考訳をもとに改善点を話し合う

翻訳学習初心者に大好評の「ベーシック3コース」は、実務翻訳・出版翻訳・映像翻訳のエッセンスを3ヵ月間で集中的に学ぶコース。この「実務基礎」では、英語と日本語の発想の違いを理解しながら、実務翻訳のあらゆるジャンルに欠かせない3C(Clear:明快、Correct:正確、Concise:簡潔)の翻訳技法を習得する。オリジナルテキスト『BETA』は、実務翻訳で頻出する動詞の中でも訳しにくい動詞を集めて作られた教材で、基本例題・練習問題・課題で構成されている。受講生はテキストに沿って予習→授業→復習のサイクルを繰り返し、実務翻訳の基礎を身につけていく。

見学した授業で扱われたテーマは「必要・不要」。この意味を表すrequire,need,involveなどの動詞をいかに自然に訳出するかが翻訳のポイントになりそうだ。受講生はあらかじめテキストを読んだ上で課題の訳文を提出。授業当日は、基本例題・練習問題・課題の訳文一つひとつを丁寧に分析しながら、質疑応答やディスカッションを重ねていくスタイルが取られていた。
 
ディスカッションに際しては、基本例題4問と練習問題9問それぞれに参考訳を併記したPDFが配付された。この参考訳は基礎レベルの翻訳学習者が作成したもので、誤訳や表記の不統一などもあって、まだまだ改善の余地が残されている。

「The milling machine requires a clearer understanding of the risks involved in its operation.」「参考訳:フライス盤は、作業に伴う危険のより明確な理解を必要とする」

この訳文について意見を求められた受講生は、「無生物主語なのに述語が『……する』となっているところ、risksの複数形の意味合いが訳出できていないところが改善点だと思います。私は『フライス盤を稼働する際には、それに伴う数々のリスクをより明確に理解しなければならない』と訳しました」と自身の考えを述べた。

この発言に対し藤澤先生は、「『(無生物主語)は……する』の形は日本語として不自然なので修正したほうがいいですね。加えて、milling machineとrisksに冠詞のtheが付いていることにも注意しましょう」と続け、「そのフライス盤を使う場合は、作業に伴うそうしたリスクをより明確に理解していなければならない」という訳例を示して解説した。
 
同様にその他の基本例題と練習問題についてもディスカッションが続き、受講生は英語の「必要・不要」を表す動詞をいかに自然な日本語として訳出するかを学んでいた。

フェロー・アカデミー 授業中の画面
現役プロの翻訳者が熱心に指導する。実践的なアドバイス多数。

受講生の訳文を素材にして英日・日英の翻訳課題を検討

休憩を挟んだ後半は課題の訳文の検討に移る。課題は英日4問、日英2問で構成されており、配付されたPDFには、受講生があらかじめ提出した訳文も併記されている。「Being on camera requires certain talents–primarily the ability to take direction, to speak clearly, and to appear natural.」
 
この一文については、受講生の間でprimarilyの訳し方が分かれた。「まずは……、そして……」「第一に……、そして……」「主に……」などの訳語を充てている訳文が見られたが、これに対して藤澤先生は「後に続く3つの具体例は並列の関係です。『第一に』『そして』などを使うと一つの例だけが強調されてしまうので、この文脈ではprimarilyが3つの具体例すべてに係るように訳すといいですね」と解説を加えた。

日英翻訳の課題には「自動翻訳システムによって翻訳者の必要がなくなることはない」という一文もあり、受講生は「Machine translation system doesn’t eliminate the need……」「Automatic translating systems will not force the needs……」などの参考訳をもとに、主語は単数形と複数形のどちらにすべきか、時制は現在形と未来形のどちらにすべきかという観点で話し合っていた。

課題6問の検討が終了したところで授業の終了時刻を迎えた。藤澤先生の授業は、ディスカッションや解説の合間に辞書・参考書の紹介があったり、記号や数字の表記方法について具体的なアドバイスがあったりして、基礎クラスながらかなり実践的な指導が行われていた。受講生は今後もテーマごとに動詞表現を学びながら、3Cの翻訳技法を習得していくことになる。

講師からのメッセージ

藤澤 將雄 先生
藤澤 將雄 先生Fujisawa Masao

米フォーダム大学経営学部卒。1990~2000年の10年間をニューヨークで過ごす。英会話講師、通訳ガイドを経て翻訳者に転身し、マンガ、ゲーム、TV番組、ノンフィクション、経済・金融、ビジネス一般など、幅広い分野の翻訳を手がける。

他者の訳文を読んで自分の訳文を客観的に見る目を養いましょう

「実務基礎」は、過去の受講生や現在受講中の方々の訳文を素材にして、ディスカッションを重ねながら訳文の精度を高めていくという授業スタイルを取っています。他者の訳文を読むと「こういう発想があるのか」「この訳し方は上手いな」「こうすればもっとよくなるな」などといった気づきが生まれますし、自分の訳文を見直す際のヒントも得られます。このプロセスを経ることで、自分の訳文を客観的に見る目を養っていただきたいと思います。
 
テキストと授業内容を復習することはとても大事ですが、それに加えて、翻訳が上手い人の訳文を研究・分析しながら書き写してみることも有効な学習手段です。私はこれを写経と呼んでいるのですが、私自身もこの方法で翻訳の大半を学んだような気がします。フェロー・アカデミーの授業や自主学習の中でさまざまな訳文にふれ、優れた訳文とはどういうものか考え、訳文作成のエッセンスを自分の中に取り入れてください。

修了生に聞く!

ベーシック3コース 修了生
武城夏海(ぶじょう・なつみ)さん

「実務基礎」の授業では、「インターネットを使ったリサーチの方法」や「専門用語の使われ方の検索方法」などを紹介してくださったので、翻訳プロセスの基礎を徹底的に学ぶことができました。授業を受けて、情報検索能力と日本語の表現力がいかに重要かを痛感しました。現在は外資系IT企業でファーマコビジランスやシステム用語を学びながら翻訳に携わっています。「実務基礎」で身につけた情報収集スキルや翻訳プロセスの基礎が仕事でも役立っています。

ここもチェック

アーカイブ配信や動画で学べる特別講座もあるので安心
「ベーシック3コース」では、欠席時のフォローとして、授業を毎回録画して授業後にアーカイブ配信しており、復習したいときにも活用できる。また、「翻訳支援ツール基本操作講習」「チェッカー講習」などの実践で役立つ内容を学べる特別講座を動画で配信。隙間時間にしっかり学べる。

「アメリア」が1年間無料! 仕事のサポートも充実
翻訳会社や出版社など、年間1,000件以上の求人情報が寄せられる日本最大級の翻訳者ネットワーク「アメリア」を併設。さまざまな分野でのコンテストや独自のトライアルに応募すれば、講座修了後のキャリアチャンスがグッと広がる。さらに1対1の個別ガイダンスで受講生の進路相談にのるなど、サポート体制もしっかりしている。

フェローアカデミー オンライン授業を受けているイメージ
完全オンラインで翻訳者として活躍するための基礎が身につく。

講座紹介

ライブ配信講座・通学講座
総合コース
・ カレッジコース(週5日・1年)
・ ベーシック3コース(週3日・3ヵ月)

専門コース
・ 翻訳入門
・ 実務翻訳コース[初級、中級、上級]
・ 出版翻訳コース[初級、中級、上級]
・ 映像翻訳コース[初級、中級、上級]

イベント
・ 体験レッスン
・ 学校説明会 ほか

通信講座
入門・初級

・ 翻訳入門<ステップ18>
・ 実務翻訳<ベータ>
・出版基礎(ライト版)【動画】
・ 映像基礎【動画】

中級
・ ベータ応用講座(契約書、経済・金融、IT・テクニカル)
・ メディカル【動画】

上級
・ マスターコース(契約書・ビジネス法務、ヤングアダルト、コージーミステリー、字幕ほか) 

録画配信講座

お問い合わせ先
フェロー・アカデミー
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受付時間:平日 9:30〜21:00 土曜 9:30〜18:00

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