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今回のキーワード1:snippet(情報・ニュース・会話・音楽などの)断片、短い抜粋
snippet はあまり聞き慣れない単語かもしれません。先の例文で出てきた「断片」も一般的な訳出であれば a part of や fragment を使うケースが多いのではないでしょうか。なじみのない単語は使い慣れるまで勇気が要ります。だからこそ、語源や用法などをしっかり押さえてどんどん活用できるようにしていきましょう。
● snippetの語源
snippet の語源は snip から来ています。「チョキンとハサミで切る」という動詞のほか、「チョキンとハサミで切ること」という名詞の意味があります。語源はオランダ語や低地ドイツ語から来ていると辞書には出ています。英語はラテン語をはじめ、ヨーロッパの言語から来た単語がたくさんありますよね。新しい単語に出会うたびに語源まで調べると、ことばそのものを深く理解できます。ぜひその「ひと手間」をかけるようにしてください。
● snippetの用法
先の例文に出てきた snippets of information(情報の断片)や a snippet of the brand new song(最新の曲の一部)、snippets of conversation(会話の断片)のようにうしろに of をつけます。また、snippets from the author’s latest novel(作者の最新小説の抜粋)では前置詞の from が続いています。
● snippetの例文
①Do you have any interesting snippets for me?
(何かおもしろいネタはない?)
② Snippets of information aren’t enough. You have to see the whole picture.
(情報の断片だけでは不十分です。全体像をつかまないと。)
今回のキーワード2:galvanize 活気づける、駆り立てる、奮い立たせる
「活気」を英訳しようとすると vigor や energy、vitality などが思い浮かびます。「奮い立たせる」であれば raise one’s spirts や stir up one’s spirits などがありますよね。galvanize は大修館書店『ジーニアス英和辞典 第5版』によると「Cランク」、つまり「大学生や社会人にとって必要な語」となっています。
● galvanizeの語源
Luigi Galvani(ルイージ・ガルヴァーニ)は18世紀のイタリアの物理学者・生理学者です。ガルヴァーニは1780 年にカエルの脚が金属に触れた際、けいれんを起こす様子を目の当たりにしました。それをきっかけに生体の電気現象を研究するようになります。その後、galvanism(直流電気、ガルヴァーニ電気)という語が使われるようになりました。
ちなみに galvanic(直流電気の)の反対語は faradic(誘導電流の)です。こちらは英国の化学者ファラデーから来ています。
● galvanizeの用法
galvanize someone into action(人に急いで行動を始めさせる)、galvanize someone into life(人を活気づかせる)など、galvanize のあとには人物が来ます。また、His commitment has galvanized support for the project.( 彼の関与によって、そのプロジェクトは支援を呼び起こした。)という用法もあります。
● galvanizeの例文
①His strong words galvanized people into action.
(彼の力強いことばは人々を奮い立たせました。)
②I think she has an ability to galvanize the whole team.
(彼女はチーム全体を活気づける能力があると思いますよ。)
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同時通訳者。獨協大学およびISSインスティテュート講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールドを経て現在はCNNおよび民放局で放送通訳業に携わる。近年では米大統領選、ノーベル賞、エリザベス女王国葬、テニスATPカップ、G7広島サミット記者会見、ノーベル平和賞受賞ユヌス博士、国会議員連盟の通訳などに従事。