Contents
今回のキーワード1:regret 〜を後悔する、〜であることを残念に思う
regretは高校で学習する基本単語で、「〜を後悔する」「〜であることを残念に思う」という意味です。自分の行動に対する後悔や、自分がやりたかったのにできなかったことへの悔いを表す際に使われる単語です。また、フォーマルな使い方としては、「状況に対して申し訳なかったり悲しかったりするとき」に用いられます。
●regretの語源
regretの原義は「再び(re)泣く(gret)」から来ています。研究社の『リーダーズ英和辞典(第3版)』には gret の元の単語である greet が見出し語として出ています。「泣く、嘆く」という古代スコットランド語だそうです。ちなみに活用はgreet/grat/grutten です。
こうした古い単語を知るのも英語学習における楽しい作業ですよね。
●regretの用法
regretの後には今回の訳例でご紹介した that 節のほかに、to 不定詞も来ます。先の訳例2をさらに丁寧にするなら、We regret to inform you that … のようにもできます。なお、You’ll regret … は「相手に対する警告」を表します。If you don’t act now, you’ll regret it. は「もし今行動しなければ、後悔するよ」という意味です。
●regretの例文
①We regret any inconvenience caused by the delay.
(遅延によりご不便をおかけし、申し訳ございません。)
② We regret to inform you that you did not pass the exam.
(残念ながら、あなたは試験に合格することができませんでした。)
今回のキーワード2: kind 親切な、思いやりのある
「親切な」は kind のほかに nice があります。今回訳例2でご紹介したのは正式表現で be kind enough to do/be so kind as to という用法になっています。「親切にも〜する」という意味です。
●kindの語源
kindは古代英語のgecynde(天然の、自然の)という語から来ており、「生まれの良い」という語源です。kindが生まれたのはおよそ10世紀以前とされています。
●kindの用法
She was kind enough to help me.(彼女は親切にも私を助けてくれた)は She was so kind as to help me. と言い換えることができます。また、She kindly helped me. とコンパクトにすることも可能です。
ちなみにkindの類語としてはnice(礼儀正しく感じが良い)というくだけた語のほかに、considerate(相手の気持ちを配慮して相手を不快にさせない)、gentle(行動が穏やかで優しい様子)、good(寛大さがあり、他人を助けることを厭わない)などがあります。
それぞれニュアンスの違いがあることにも注目しましょう。
● kindの例文
①Would you be kind enough to close the window?
(窓を閉めていただけますか?)
②Is there anyone kind enough to explain the meaning?
(どなたかその意味を説明してくださる方はいらっしゃいますか?)
では英日通訳にチャレンジしてみましょう。
今回ご紹介した kind と regret を念頭に置きつつ、次の2つの英文を自然な日本語に通訳してみて下さい。
Next→英→日 通訳してみよう!
同時通訳者。獨協大学およびISSインスティテュート講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールドを経て現在はCNNおよび民放局で放送通訳業に携わる。近年では米大統領選、ノーベル賞、エリザベス女王国葬、テニスATPカップ、G7広島サミット記者会見、ノーベル平和賞受賞ユヌス博士、国会議員連盟の通訳などに従事。