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2023.05.16 UP

第95回 illustrative/単なる事例であることを伝える語

第95回 illustrative/単なる事例であることを伝える語

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

グローバル・ビジネス会議で、例として情報を提示する際に、誤解と混乱を避けるためにそれは例示に過ぎないことを明確にしておく必要があります。その際にどんな英語が使えるでしょうか。

もちろん、“This is just an example.”であったり、 “This is just an exemplar.”といった定番の表現を使うこともできますが、今回覚えたい単語は“illustrative”
動詞のillustrateは「説明する」という意味なので、その形容詞illustrativeには当然「説明のための」「説明に役立つ」という意味もありますが、同時に「例示的な」という意味もあります。
ですので、“For illustrative purposes”は「例示を目的として」という意味となり、つまりそこに描かれているものは例に過ぎないことを示します。私的な印象では、口頭よりは文書上で使われる頻度の方が高い単語・表現のように思います。

具体的には次のように使えるでしょう。

(店頭でポスターを見ながら)
A: Is this what I will receive?
B:No, the image is for illustrative purposes only.

A:これがもらえるのでしょうか?
B:いいえ、こちらはあくまでイメージに過ぎません。

ぜひ使ってみてください!

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。