ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
“home-grown”というフレーズを耳にしたこと、あるでしょうか。直訳すると「自宅で栽培した」、つまり「自家栽培の」、ひいては「地元産の」「国産の」という意味になります。実際に “home-grown rice”と言えば「国産米」という意味にもなります。
一方で、ITの会議で“home-grown”が使われた場合には、もちろん文脈にも寄りますが、「自社で独自に構築した」「自前の(システム)」という意味になります。外から買ってきたシステムであれば情報がオープンになっている部分もあるので可視性(visibility)が高いですが、自社で構築したシステムは可視性が低く外部の人間には分かりにくい部分が多くなります。
ちなみにニュースで“home-grown”という表現が使われるのは、“home-grown terrorist”という形が多いでしょう。「自国産テロリスト」を意味するこのフレーズは、海外の過激思想に共鳴し、国内の人間が過激化した結果生まれたテロリストを指します。テロのない平和な世の中が一番ですが…。
具体的には次のように使えるでしょう。
A:Is the system home-grown?
B:Yes, we constructed it by ourselves.
A:このシステムは自社製ですか?
B:はい、自前のものです。
ぜひ使ってみてください!
会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。