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2023.05.16 UP

第91回 play devil’s advocate/悪魔の代弁者を演じる?

第91回 play devil’s advocate/悪魔の代弁者を演じる?

ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。

今回はビジネス会議でディスカッションになった際に聞かれることのあるフレーズ、
“play devil’s advocate”を取り上げたいと思います。

“play the devil’s advocate”“the”を入れて使われることもあるこのフレーズを直訳すると「悪魔の代弁者を演じる」。この「悪魔の代弁者」は、元来はカトリックの教会に雇われた「列聖調査審問検事」を指し、検事が聖徒の候補者を聖者としてふさわしいかどうか敢えて反論し調査・審問したころから、「あえて異を唱える」「わざと反対意見を述べる」という意味になりました(参考:https://idioms.thefreedictionary.com/play+(the)+devil%27s+advocate)。

建設的な意味で使われることもありますが、「難癖をつける」「ケチをつける」「ひねくれる」「天邪鬼である」という少しネガティブな意味で使われることもありますので、気を付けながら使いましょう。

具体的には次のように使えるでしょう。

A:These are my opinions.
B:Well, let me play devil’s advocate here.

A:以上が私見になります。
B:そうですか、ではあえて反対意見を述べさせてください。

ぜひ使ってみてください!

森田系太郎
森田系太郎Keitaro Morita

会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。