ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
ビジネスで目標の未達成を意味する「undershooting」
ビジネスにおいて予算や目標が達成できないことは往々にしてあること(起きてほしくはないですが)。そんなときに使える表現が“undershooting”(アンダーシューティング)。直訳すると「下を撃つ」ですが、そこから派生して「目標等の未達成」を意味する単語になっています。何か定められた閾値(threshold)を下回る場面を描写する際に便利な表現ですので、ぜひ覚えておきましょう。
動詞形 “undershoot”を使って、“undershot the target”(目標は未達だった)のように使用することもできます。
ちなみに“undershooting”の反意語は“overshooting”。「オーバーシューティング」とは、変動為替相場制で為替レートが短期的に目標点を(大きく)超えることを指します。ここからわかるように、“undershooting”も元は金融用語である(例:インフレ目標の「未達undershooting」)、というのが私の推察・理解です。
具体的には次のように使えるでしょう。
A:The undershooting of the budget has been confirmed.
B:I’ll make sure it won’t happen again.
A:予算目標の未達という結果が出ています。
B:こういったことは二度とないように気を付けます。
ぜひ使ってみてください!
★前回のコラム
会議通訳者・翻訳者。日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CROのシミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。上智大学(法学[学士])、立教大学(異文化コミュニケーション学[修士]、社会デザイン学[博士])、モントレー国際大学院(翻訳通訳[修士])卒。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。日本会議通訳者協会(JACI)理事で、JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」を連載中。立教大学・兼任講師/研究員、英検1級・全国通訳案内士・国連英検特A級保持者(外務大臣賞)。 趣味は小6から続けているテニス。