
ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
支社やグループ企業などへの「出向」はどう言う?
日本に限らず、グローバルビジネスでも人事上、従業員の出向ということが行われます。ではこの「出向」を英語でどのように表現したらいいでしょうか。
そこで今回ご紹介したいのが“on loan to~”。直訳すると「~へ貸し出し中である、貸し出されている」となりますが、そこから「~へ派遣されている、出向している」という意味になります。
“loan”と聞くとついつい金銭の貸与を思い浮かべてしまいますが、「出向」の意味で使われているときは必ず人事上の話題になっているはずですので、取り間違えはないかと思います。
なお、同様の意味で“on secondment to~”も使われます。“second”は形容詞であればご存じのように「二番目の」という意味になりますが、動詞“second”には「配置換えをする」という意味もあり(他には「賛成する」という意味もあります)、その名詞形である“secondment”が使われています。“on loan to~”とセットで覚えてしまいましょう。
具体的には次のように使えるでしょう。
A:Mike is now on loan to our office in London.
B:Oh, is he on secondment to the U.K.
A:マイクはロンドンオフィスに出向中だよ。
B:そうなんだ、イギリスに出向してるんだね。
ぜひ使ってみてください!
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
日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CRO・シミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。日本会議通訳者協会(JACI)認定通訳者、JACI同時通訳グランプリ(学生部門)審査員(2023年~)、コミュニケーターズ土曜学校・通訳講師。モントレー国際大学院(会議通訳 [修士])、立教大学(社会デザイン学 [博士])卒。国連英検・特A級(外務大臣賞)。JACIのHPでコラム「製薬業界の通訳」を、『通訳翻訳ジャーナル』(2022-23年)でコラム「専門分野の通訳に挑戦【製薬編】」を連載。 編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版)、『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)がある。 立教大学・兼任講師/研究員、社会デザイン学会・理事、文学・環境学会・広報担当役員。趣味は小6から続けているテニス。