2024.12.11 UP
第186回 best-/base-/worst-case scenario/日本語でも「ベスト/ベース/ワースト・ケース」と言うようになりました
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ネイティブが使う粋な英語表現を現場からお届け! グローバル化が進み、英語が飛び交う製薬業界。製薬会社で活躍している社内通訳者が、グローバルビジネスの現場で流行っていたり、よく耳にしたりする英語表現を紹介します。
最良/基本/最悪のケース
グローバルビジネスは自国内でのビジネス以上に不確実性(uncertainty)が高くなりますので、色々なシナリオを想定しておかなければなりません。その色々なシナリオを最良・基本・最悪のシナリオの3つに分けた場合、各シナリオを英語でどのように表現すればいいでしょうか。
英語では「最良のシナリオ」は“best-case scenario”、「基本の(ベースとなる)シナリオ」は“base-case scenario”、「最悪のシナリオ」は“worst-case scenario”と表現します。最近は日本語でも、「ベストケース」「ベースケース」「ワーストケース」のようにそのまま片仮名で使うようになりました。グローバルビジネスでは(でも)相手に過度の期待を持たせることは禁物です。ですので話しているシナリオや想定が最良のケースなのか、基本のケースなのか、はたまた最悪のケースなのか、はっきりさせるためにも上記の3つの英語表現、覚えておきましょう。
なお、同じく“scenario”を使ったグローバルビジネスで登場する英語表現に“what-if scenario”があります。“what if~”は「もし~だったらどうなるのか」という意味ですので、“what-if scenario”とすると「もしそれが起こったらどうなるのかのシナリオ」、つまり「想定・仮説上のシナリオ」という意味になります。合わせて覚えておきましょう。
具体的には次のように使えるでしょう。
A:Is it a best-case scenario or worst-case scenario?
B:It is a base-case scenario.
A:それはベストケースですか、それともワーストケースですか?
B:ベースケースのシナリオです。
ぜひ使ってみてください!
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日米の大塚製薬を経て、現在は製薬CRO・シミック㈱のシニア通訳者 兼 フリーランス通翻訳者。日本会議通訳者協会(JACI)認定通訳者、JACI同時通訳グランプリ(学生部門)審査員(2023年~)、コミュニケーターズ土曜学校・通訳講師。モントレー国際大学院(会議通訳 [修士])、立教大学(社会デザイン学 [博士])卒。国連英検・特A級(外務大臣賞)。JACIのHPでコラム「製薬業界の通訳」を、『通訳翻訳ジャーナル』(2022-23年)でコラム「専門分野の通訳に挑戦【製薬編】」を連載。 編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版)、『ジェンダー研究と社会デザインの現在』(三恵社)がある。 立教大学・兼任講師/研究員、社会デザイン学会・理事、文学・環境学会・広報担当役員。趣味は小6から続けているテニス。